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進みだしてから泉に着くまで、凄まじいとしか言えない光景のオンパレードだった
襲ってくる魔物だけを一撃で仕留めていくバハト。その後処理をみんなで手分けしていく内に、流れ作業の様になってしまっていた
初めは慣れていなくて、まごついていた手つきも、段々と慣れ始めプロフェッショナルの様な手さばきになる程まで成長していた
「ふぅ…おっ!もう泉じゃないか!」
ダノバスが嬉しそうに言った。泉をめざし進み始めてから到着まで、成長した事は確かにあるが、とても疲れてしまった。だから、ダノバスが喜ぶ気持ちが凄く分かってしまう
それはバハト以外のみんなも同じようで、疲れた表情の中に嬉しさが滲み出ていた
「なんだ、だらしない。たったこれしきの事でへばっていては、先が思いやられる」
やはり、一番年長者でありながら、一番元気なバハトがダノバスを見てそう言った。何処からあの元気が湧いてくるのか知りたいと思ってしまう
「まぁまぁ、泉についたのです。野営の準備をしましょう」
嗜める様にカリナが言った。それでもまだ納得していない様子のバハトを、強引に引っ張って行ってしまった
「たくっ…ジジイはジジイらしくしとけってんだよ…」
ガックシと項垂れて言うダノバスは、どことなく哀愁みたいな物が漂っている様に見えたのは、きっと気のせいではないだろう
暫く地面に座り込み休憩した後、野営の準備を手伝おうと腰を上げる
「もういいの?こんなに動き回ったのは、初めてでしょ?お屋敷の外に出てからは、かなりハードだったと思うし。野営の準備なら、人数いるから心配しなくても大丈夫だよ?」
コリンが心配そうにそう言ってくれた
「うん。正直まだ疲れてるんだけど、手伝いたいんだ。屋敷から出て、コリンの言う通りハードだった。だけど、その分、色んな事を知れているし、身につけていけてるって実感できるんだ」
体力には少し自信があったけど、それが過信だと言う事も分かったし。まぁ、バハトを見ているとね。一番若いのにって思ってしまったよ
「それにね。僕とても楽しいって思えてるんだ。体は疲れてるし休みたいって思うけど、それさえも楽しいって言うか。皆で何かをするって、こんなに楽しい事だったんだって。だから、僕に出来る事なんてたかが知れているけど、それでも、ね」
僕がそう言うと、コリンはとても嬉しそうに笑った
「うん。今のマリス様、とても良い笑顔をしてる。良し!それじゃ、僕の手伝いをしてくれる?」
「コリンの?」
「うん。ここまで魔物と戦ったり解体したりで、みんな汚れてるし汗もかいてるだろう?泉で体の汚れを流せばいいんだけど、この泉は魔物や動物たちの水飲み場だからね。出来れば汚したくないんだ。だから、少し離れた場所に、簡易的な入浴できる場所を作ろうかなって」
「え!そんな事出来るの!?でも、大変なんじゃない?」
僕もコリンも魔法が得意ではない。力作業となると時間がかかってしまう
「ふふ、実はね。僕、魔法は得意なんだよ」
「……えっ!?」
一瞬、何を言われたのか理解するのに時間がかかってしまった
「ほら、うちの兄がああでしょ?僕が小さい頃からああだったからさ、下手に目立つとめんどくさい事になりそうだなって思ってね。目立たない様に、出来ない奴のふりしてたのさ。あっ!でも、だからってマリス様を陰では馬鹿にしてたって事はあり得ないからね!?」
すごみながら詰め寄って来るコリン。正直、一瞬暗い気持ちになったけど、今までのコリンの事を考えると、僕に対しての言葉とか、態度に偽りは無かったと直ぐに思い返したので、そんな心配は無いのだけど、コリンはとても必死だった
「いい?マリス様は僕よりも遥かに魔力量は多いし、使える魔法の属性も桁外れ。それってね、小さい子供の体では制御出来ない事って珍しくないんだ。それに、マリス様はまともに教えを受けて来た訳じゃない。それなのに魔力暴走を起こさずに入れる事に、もっと自信を持つべきなんだ。分かる?」
コリンは僕の事に関しては無し出すと、とにかく長くなる。それだけ思ってくれているって事だから、それはそれで嬉しいんだけど、何分長くなるからなぁ…
「わ、分かってるよ!そ、それよりも、早く作っちゃおう!皆を待たせちゃうし」
「…本当にわかってるのかなぁ…まぁ、良いか。良し!じゃぁ行こう。場所はもう決めてるんだ」
そう言って、野営地からほんの少し離れた場所へ向かって行った
血は繋がっていないけれど、何時も本当の兄の様に心配してくれるし、叱ってくれていたコリン。僕は、家族には恵まれなかったけれど、人には恵まれていると、つくづくそう思った
襲ってくる魔物だけを一撃で仕留めていくバハト。その後処理をみんなで手分けしていく内に、流れ作業の様になってしまっていた
初めは慣れていなくて、まごついていた手つきも、段々と慣れ始めプロフェッショナルの様な手さばきになる程まで成長していた
「ふぅ…おっ!もう泉じゃないか!」
ダノバスが嬉しそうに言った。泉をめざし進み始めてから到着まで、成長した事は確かにあるが、とても疲れてしまった。だから、ダノバスが喜ぶ気持ちが凄く分かってしまう
それはバハト以外のみんなも同じようで、疲れた表情の中に嬉しさが滲み出ていた
「なんだ、だらしない。たったこれしきの事でへばっていては、先が思いやられる」
やはり、一番年長者でありながら、一番元気なバハトがダノバスを見てそう言った。何処からあの元気が湧いてくるのか知りたいと思ってしまう
「まぁまぁ、泉についたのです。野営の準備をしましょう」
嗜める様にカリナが言った。それでもまだ納得していない様子のバハトを、強引に引っ張って行ってしまった
「たくっ…ジジイはジジイらしくしとけってんだよ…」
ガックシと項垂れて言うダノバスは、どことなく哀愁みたいな物が漂っている様に見えたのは、きっと気のせいではないだろう
暫く地面に座り込み休憩した後、野営の準備を手伝おうと腰を上げる
「もういいの?こんなに動き回ったのは、初めてでしょ?お屋敷の外に出てからは、かなりハードだったと思うし。野営の準備なら、人数いるから心配しなくても大丈夫だよ?」
コリンが心配そうにそう言ってくれた
「うん。正直まだ疲れてるんだけど、手伝いたいんだ。屋敷から出て、コリンの言う通りハードだった。だけど、その分、色んな事を知れているし、身につけていけてるって実感できるんだ」
体力には少し自信があったけど、それが過信だと言う事も分かったし。まぁ、バハトを見ているとね。一番若いのにって思ってしまったよ
「それにね。僕とても楽しいって思えてるんだ。体は疲れてるし休みたいって思うけど、それさえも楽しいって言うか。皆で何かをするって、こんなに楽しい事だったんだって。だから、僕に出来る事なんてたかが知れているけど、それでも、ね」
僕がそう言うと、コリンはとても嬉しそうに笑った
「うん。今のマリス様、とても良い笑顔をしてる。良し!それじゃ、僕の手伝いをしてくれる?」
「コリンの?」
「うん。ここまで魔物と戦ったり解体したりで、みんな汚れてるし汗もかいてるだろう?泉で体の汚れを流せばいいんだけど、この泉は魔物や動物たちの水飲み場だからね。出来れば汚したくないんだ。だから、少し離れた場所に、簡易的な入浴できる場所を作ろうかなって」
「え!そんな事出来るの!?でも、大変なんじゃない?」
僕もコリンも魔法が得意ではない。力作業となると時間がかかってしまう
「ふふ、実はね。僕、魔法は得意なんだよ」
「……えっ!?」
一瞬、何を言われたのか理解するのに時間がかかってしまった
「ほら、うちの兄がああでしょ?僕が小さい頃からああだったからさ、下手に目立つとめんどくさい事になりそうだなって思ってね。目立たない様に、出来ない奴のふりしてたのさ。あっ!でも、だからってマリス様を陰では馬鹿にしてたって事はあり得ないからね!?」
すごみながら詰め寄って来るコリン。正直、一瞬暗い気持ちになったけど、今までのコリンの事を考えると、僕に対しての言葉とか、態度に偽りは無かったと直ぐに思い返したので、そんな心配は無いのだけど、コリンはとても必死だった
「いい?マリス様は僕よりも遥かに魔力量は多いし、使える魔法の属性も桁外れ。それってね、小さい子供の体では制御出来ない事って珍しくないんだ。それに、マリス様はまともに教えを受けて来た訳じゃない。それなのに魔力暴走を起こさずに入れる事に、もっと自信を持つべきなんだ。分かる?」
コリンは僕の事に関しては無し出すと、とにかく長くなる。それだけ思ってくれているって事だから、それはそれで嬉しいんだけど、何分長くなるからなぁ…
「わ、分かってるよ!そ、それよりも、早く作っちゃおう!皆を待たせちゃうし」
「…本当にわかってるのかなぁ…まぁ、良いか。良し!じゃぁ行こう。場所はもう決めてるんだ」
そう言って、野営地からほんの少し離れた場所へ向かって行った
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