転生貴族のスローライフ

マツユキ

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「よし、始めよう。1人ずつ入るか、みんなで入るか。どっちがいいと思う?」

「うーん…規模を考えると1人用が良いのかもしれないけど、効率を考えるとみんなで入る方が良いと思う」

「うん。確かにそうだね。早く休むにこした事は無いし」

「あ、男女は勿論分けるんでしょ?」

「当然さ!母さんと一緒に何て…嫌だよ!」

ブルブルっと震えながら言うコリンに、少し笑ってしまう

「じゃぁ、まずは土魔法で土台を作ろう」

コリンが魔法を発動する。まるで水を得た魚の様に、嬉々として呼応する魔法に、思わずため息が出てしまった

あっという間に壁を含めた土台が出来上がった。即席だとは思えない程しっかりとした造りをしている

「よし。次は浴槽部分を作って材質変化。床も同時にやちゃおう」

そうして次々と出来上がって行き、あっという間に完成した

「これ、お湯はどうするの?」

「魔法で出した水を浴槽に入れたら、勝手に適温になる様にしてるよ」

「え!?いつの間にそんな事してたの?」

「僕ね、魔法も得意なんだけど、一番得意なのは魔道具を作る事なんだ。で、試作で作ってた魔道具を浴槽に設置したって訳さ」

胸張って言うコリンに、素直に凄いなと思った。魔道具を作るのって簡単では無く、むしろ難しいって聞いたことがある。コリンは天才肌なのだろう

「さ、完成した事だしみんなに教えに行こう」

「うん。でも、結局僕何もしてないや…」

「うん?アイデアくれただろう?魔法の事を言っているなら、こんなのは慣れみたいなものなんだから。焦ったってどうにもならないし、マリス様はこれからだろ?」

「…そうだね。確かに、出来ない事を悩んでも仕方ない。それに、これから出来る様になるんだ。その時は沢山役に立つように頑張るよ!」

「ふふ。楽しみにしてるよ。マリス様にはこれ以上ない教師が沢山いるしね」

そう言って、和気あいあいと野営の準備をしているみんなの方を見るコリン

そうだった。僕の周りには凄い人達が沢山いたんだった。でも、不思議だな

「屋敷にいた時は、皆がこんなに強いなんて知らなかったよ」

「それはね、みんな目立たない様に最小限の実力しか見せてなかったからさ。初めは力主義だから、思う存分戦えるって来たみたいなんだけど、辺境伯を見てこれは駄目だと思ったらしいんだ。だから、いつでも辞められるように大人しくしてたんだって。メイドになったり庭師になったりね。まぁ、ダノバスさんはそこらへん上手く出来なかったみたいで騎士団長になっちゃったけどね」

「あぁ…ダノバスはそこら辺の事は不器用そうだもんね」

「うん。で、お給料も安定してるし何だかんだで居続けて。マリス様が生まれて、今に至るって感じだよ。だから今の状況は、みんな望んでたことだし、何なら生き生きしてるしね」

「確かに…」

屋敷では見た事が無い程、自由を満喫しているって感じだ

「おーい!飯が出来たぞ!」

ダノバスが何処か嬉しそうに手を振っていた

「行こうか」

「うん」

コリンと一緒に皆の元へ歩き出す

こんなに暖かい気持ちになったのは初めてだ。これも、みんなのお陰だとそう思う

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