転生貴族のスローライフ

マツユキ

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拠点を探すために進んだ僕達は、中心部の中腹まで行った所まで来ていた

これ以上進んでも、景色は変わらず状況も変わらないだろうと言う事になり、今いる場所を拠点にする事に

各々自分の出来る事に取り掛かり、散開して暫く経った時だった

「みんなー!ちょっとこっちに来てくれる!?」

みんな散開していたからか、大きな声でコリンが僕達を呼んだ。すぐにコリンの元に行くと

「いい?見てて」

そう言ってコリンが土魔法を発動する。発動した魔法を見るに、コリンはきっとお風呂を建てた時みたいに、家を作ろうとしているんだろうと分かった

コリンの意志に従い、大地が形成をとったまでは良かったんだけど、長くは続かなかった


「ね?魔法で土を形成しようとしても、上手く出来ない。水が枯れているからかなって思って、水魔法を使ってみたけど、結果は同じだよ。これじゃ、何かを建てるのは無理だね」

「うーむ…」

コリンはお手上げだよとでも言う様に、両手を上げる

「儂もコリンと同じような結果じゃった。大地が枯れているだけならば、問題ないのじゃが…どうやら、この大陸はただ枯れた大地となった訳ではないらしい」

「…それでは、大地が枯れてしまった原因が分かるまでは、この大陸に対しては手も足もでないと言う事ですね。仕方ありません。暫くはテントで生活するとしましょう」

「そうね。魔道具は全部持って来たから、建造物が建てられなくても、生活には困らないでしょう」

「カリナがおって良かったわい」

「ふふ。私だけじゃありませんよ?魔道具に関しては私の愛弟子もいますし、生活の面は安心して頂いて大丈夫です」

「だが、問題は食だな。持って来た食料がいつまでも持つ訳じゃない。この大陸の調査は、最重要事項だな」

「そうですね。手分けして調査を進めた方が良いでしょう」

まずは調査からか。しかし、魔法が使えないとは思ってもみなかったな……あ、そう言えば白虎はここが故郷だって言ってたよね?

「ねぇ、白虎は何か知ってる事ない?」

『…そうだな、こうなる以前はとても美しい大地が広がっていた。この大陸を守護していた方が、眠りにつかれる時、大地は色を失ってしまったのだ。平原に現れたアレも、以前は存在していなかったものだ。変わってしまった環境に適応出来なかった者達は消え、我の様に消える前に去った者達もいる。そして適応したものもな。あの方が眠りにつかれた事がこれら現象の要因ならば、この大陸にあの方の力がいまだに巡っていると言えよう』

「守護をしていたもの…つまり、その守護神を起こす事が出来れば」

『元の姿を取り戻す事が出来るだろう。だが、あの方は自ら眠りについた訳では無いのだ。原因は我にも分からぬが…』

「…まじか…」

ガックシと項垂れてしまうダノバス。つまり、やる事は多いと言う事か

「ふむ…コリン、索敵はしたか?」

「使える魔法は一通り。だけど、何もわかりませんでしたよ」

「そうか…魔力が巡っているのならば、何か分かるかもしれんと思ったのじゃが…お、そう言えばマリス様。マリス様は魔素が見えると言っていましたな?」

「え?う、うん。僕に見えていたのが魔素なら、ね」

「今は見えていますかな?」

「え、今?ううん。何も見えないよ」

「そうですか…」

そう答えると、バハトは少し考える様なそぶりを見せた

「魔素が見えるって言っても、瘴気の様な濃度の高い魔素に限定されているとかじゃないのか?」

「いや、それは無い。瘴気が具現化して見えると言う事は、大気中にある魔素も見る事が出来る筈じゃ」

ダノバスにハッキリとそう言ったバハトは、僕に視線を戻し話し始める

「今のマリス様は、まだ完全にご自身の力に目覚めてはいないのでしょう。ならば、力に目覚めればよいだけの事です」

「つまり?」

「特訓ですじゃ!」

ニッコリと良い笑顔でそう答えるバハト。特訓か…自分の力を理解し、行使する。よし!やってやろうじゃないか!

そう気合いを入れた時、ふとダノバスを見ると口元がかなり引きつっていた

よくよく周囲を見てみると、ダノバス同様に顔を引きつらせたマイノとカサド。タミヤとミーニャは俯いているし、バルトとカリナ、そしてコリンに至っては顔をそむけている

「え…」

なんだ、なんなんだ?僕は今、自分が間違った選択をしてしまったのではないのだろうかと、後悔してしまっている

唯一、僕同様に何も分かっていない白虎が、首をかしげている事だけが救いだった

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