26 / 80
26
しおりを挟む
「商人…商人、だと…?」
タミヤの一言で、皆がそれぞれブツブツと何かを言い始めた。僕には状況が良く分からず、いったい何が始まったのかと思っていると
『ふむ…では、いっその事この大陸で、街なり国なり作るとよかろうて』
ゲルドラ様の言葉にハッとなる面々。そして
「いい…いいじゃないか!それだよ、それ!」
ダノバスが興奮したように言う
「では、そうする事としましょう!きちんとした形があれば、人も集めやすいと言うものです!」
「そうじゃな!街、いや街と言わずに国を作るとしようじゃないか!」
なぜかバルトとバハトもやる気満々で、他のみんなも例外なくやる気は満々だ。このまま放っておくと、とんでもない事になりそうで怖かった僕は、意を決して言う事にした
「ま、まってみんな!く、国だなんてそんな事無理だよ!?」
「どうしてですか?」
「そ、それは、いろいろ問題があるでしょ?国を名乗るともなれば、他国の承認が必要でしょう?そもそも、承認なんて貰えないのは目に見えてるしね」
「…興奮しすぎてうっかりしとったわい。マリス様の言う通り、国を興すには、少なくとも3つの国の承認が必要になる。だが、そもそもこの大陸で国を興す事が出来るとなれば、承認なんかしない筈じゃな。どの国も、喉から手が出る程、この大陸を欲する事は目に見えているからの」
「そうでした。では、国の承認など、煩わしいものが必要ないと言えば、集落くらいですかね?」
「集落だって!?そんな小さな規模で、複数の国とやり合う何てできっこないぜ!?せめて村、いや本音を言うなら街位にはしておかないと…」
国は却下となり、今度は集落か村か、はたまた街か。どうすればいいのかを、皆が考え込み始めた
これが何のしがらみも無ければ、悩む事なんて無いんだろうけれど、国のお偉いさんや貴族たちって言うのは、少しでも隙があれば、突いてくるのだ
実に欲望に忠実な人たちの宝庫なんだよね…
『人とは実に面倒くさいものだのぉ』
『まったくですな…』
『あれこれ考えず、もっと自由に生きればよいものを…はぁ、やはり人は生き物の中でも、欲深い故に争いも起こりやすい。それゆえ、様々なしがらみがあるのだろうなぁ…』
『…そうですね。そう言った人間ばかりではないのも確かですが、そう言った人間が多い事もまた確かです。人の欲は止まる事を知らない。力を持っていればいる程に』
『今も昔も、変わらぬと言う事なのだなぁ…しかし、どうしたものか。何か解決策は思いつかぬか?』
『我がですか?そうですね…いっその事、強引に行ってはどうでしょうか』
『強引とな?』
『えぇ。もともとこの大陸は、ゲルドラ様がおられた時より、人に所有者などいなかったのです。ならば、古よりこの大陸を守護しておられたゲルドラ様が認め、住み着く事を許され、そして人が増えて行き街になったのだ、と言ってしまえば、何も言えますまい』
「「「それだ!!」」」
ゲルドラさまと白虎の話を、いつの間にか聞き入っていた皆が、同時に叫んだ。なんか嫌な予感がするのは僕だけだろうか
「そうだよ!もともと人に所有権を主張出来る物なんて何もないんだ!」
「ダノバスの言う通りじゃな。所有権の無い者に、主張出来る事など何もありはせん」
「そうですね。この地に赴き、この地の守護神であるゲルドラ様に、住み着き開拓する事を許されたマリス様とでは、まったく違います。いささか強引であっても、それを押し通せるだけの戦力を集めれば良いだけの事ですしな」
「いいじゃない!それで行きましょう!」
カリナが嬉しそうに、バルトの意見に同意した
タミヤの一言で、皆がそれぞれブツブツと何かを言い始めた。僕には状況が良く分からず、いったい何が始まったのかと思っていると
『ふむ…では、いっその事この大陸で、街なり国なり作るとよかろうて』
ゲルドラ様の言葉にハッとなる面々。そして
「いい…いいじゃないか!それだよ、それ!」
ダノバスが興奮したように言う
「では、そうする事としましょう!きちんとした形があれば、人も集めやすいと言うものです!」
「そうじゃな!街、いや街と言わずに国を作るとしようじゃないか!」
なぜかバルトとバハトもやる気満々で、他のみんなも例外なくやる気は満々だ。このまま放っておくと、とんでもない事になりそうで怖かった僕は、意を決して言う事にした
「ま、まってみんな!く、国だなんてそんな事無理だよ!?」
「どうしてですか?」
「そ、それは、いろいろ問題があるでしょ?国を名乗るともなれば、他国の承認が必要でしょう?そもそも、承認なんて貰えないのは目に見えてるしね」
「…興奮しすぎてうっかりしとったわい。マリス様の言う通り、国を興すには、少なくとも3つの国の承認が必要になる。だが、そもそもこの大陸で国を興す事が出来るとなれば、承認なんかしない筈じゃな。どの国も、喉から手が出る程、この大陸を欲する事は目に見えているからの」
「そうでした。では、国の承認など、煩わしいものが必要ないと言えば、集落くらいですかね?」
「集落だって!?そんな小さな規模で、複数の国とやり合う何てできっこないぜ!?せめて村、いや本音を言うなら街位にはしておかないと…」
国は却下となり、今度は集落か村か、はたまた街か。どうすればいいのかを、皆が考え込み始めた
これが何のしがらみも無ければ、悩む事なんて無いんだろうけれど、国のお偉いさんや貴族たちって言うのは、少しでも隙があれば、突いてくるのだ
実に欲望に忠実な人たちの宝庫なんだよね…
『人とは実に面倒くさいものだのぉ』
『まったくですな…』
『あれこれ考えず、もっと自由に生きればよいものを…はぁ、やはり人は生き物の中でも、欲深い故に争いも起こりやすい。それゆえ、様々なしがらみがあるのだろうなぁ…』
『…そうですね。そう言った人間ばかりではないのも確かですが、そう言った人間が多い事もまた確かです。人の欲は止まる事を知らない。力を持っていればいる程に』
『今も昔も、変わらぬと言う事なのだなぁ…しかし、どうしたものか。何か解決策は思いつかぬか?』
『我がですか?そうですね…いっその事、強引に行ってはどうでしょうか』
『強引とな?』
『えぇ。もともとこの大陸は、ゲルドラ様がおられた時より、人に所有者などいなかったのです。ならば、古よりこの大陸を守護しておられたゲルドラ様が認め、住み着く事を許され、そして人が増えて行き街になったのだ、と言ってしまえば、何も言えますまい』
「「「それだ!!」」」
ゲルドラさまと白虎の話を、いつの間にか聞き入っていた皆が、同時に叫んだ。なんか嫌な予感がするのは僕だけだろうか
「そうだよ!もともと人に所有権を主張出来る物なんて何もないんだ!」
「ダノバスの言う通りじゃな。所有権の無い者に、主張出来る事など何もありはせん」
「そうですね。この地に赴き、この地の守護神であるゲルドラ様に、住み着き開拓する事を許されたマリス様とでは、まったく違います。いささか強引であっても、それを押し通せるだけの戦力を集めれば良いだけの事ですしな」
「いいじゃない!それで行きましょう!」
カリナが嬉しそうに、バルトの意見に同意した
256
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生してしまった。どうせ死ぬのに。
あんど もあ
ファンタジー
好きな人と結婚して初めてのクリスマスに事故で亡くなった私。異世界に転生したけど、どうせ死ぬなら幸せになんてなりたくない。そう思って生きてきたのだけど……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる