転生貴族のスローライフ

マツユキ

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「商人…商人、だと…?」

タミヤの一言で、皆がそれぞれブツブツと何かを言い始めた。僕には状況が良く分からず、いったい何が始まったのかと思っていると

『ふむ…では、いっその事この大陸で、街なり国なり作るとよかろうて』

ゲルドラ様の言葉にハッとなる面々。そして

「いい…いいじゃないか!それだよ、それ!」

ダノバスが興奮したように言う

「では、そうする事としましょう!きちんとした形があれば、人も集めやすいと言うものです!」

「そうじゃな!街、いや街と言わずに国を作るとしようじゃないか!」

なぜかバルトとバハトもやる気満々で、他のみんなも例外なくやる気は満々だ。このまま放っておくと、とんでもない事になりそうで怖かった僕は、意を決して言う事にした

「ま、まってみんな!く、国だなんてそんな事無理だよ!?」

「どうしてですか?」

「そ、それは、いろいろ問題があるでしょ?国を名乗るともなれば、他国の承認が必要でしょう?そもそも、承認なんて貰えないのは目に見えてるしね」

「…興奮しすぎてうっかりしとったわい。マリス様の言う通り、国を興すには、少なくとも3つの国の承認が必要になる。だが、そもそもこの大陸で国を興す事が出来るとなれば、承認なんかしない筈じゃな。どの国も、喉から手が出る程、この大陸を欲する事は目に見えているからの」

「そうでした。では、国の承認など、煩わしいものが必要ないと言えば、集落くらいですかね?」

「集落だって!?そんな小さな規模で、複数の国とやり合う何てできっこないぜ!?せめて村、いや本音を言うなら街位にはしておかないと…」

国は却下となり、今度は集落か村か、はたまた街か。どうすればいいのかを、皆が考え込み始めた

これが何のしがらみも無ければ、悩む事なんて無いんだろうけれど、国のお偉いさんや貴族たちって言うのは、少しでも隙があれば、突いてくるのだ

実に欲望に忠実な人たちの宝庫なんだよね…

『人とは実に面倒くさいものだのぉ』

『まったくですな…』

『あれこれ考えず、もっと自由に生きればよいものを…はぁ、やはり人は生き物の中でも、欲深い故に争いも起こりやすい。それゆえ、様々なしがらみがあるのだろうなぁ…』

『…そうですね。そう言った人間ばかりではないのも確かですが、そう言った人間が多い事もまた確かです。人の欲は止まる事を知らない。力を持っていればいる程に』

『今も昔も、変わらぬと言う事なのだなぁ…しかし、どうしたものか。何か解決策は思いつかぬか?』

『我がですか?そうですね…いっその事、強引に行ってはどうでしょうか』

『強引とな?』

『えぇ。もともとこの大陸は、ゲルドラ様がおられた時より、人に所有者などいなかったのです。ならば、古よりこの大陸を守護しておられたゲルドラ様が認め、住み着く事を許され、そして人が増えて行き街になったのだ、と言ってしまえば、何も言えますまい』

「「「それだ!!」」」

ゲルドラさまと白虎の話を、いつの間にか聞き入っていた皆が、同時に叫んだ。なんか嫌な予感がするのは僕だけだろうか

「そうだよ!もともと人に所有権を主張出来る物なんて何もないんだ!」

「ダノバスの言う通りじゃな。所有権の無い者に、主張出来る事など何もありはせん」

「そうですね。この地に赴き、この地の守護神であるゲルドラ様に、住み着き開拓する事を許されたマリス様とでは、まったく違います。いささか強引であっても、それを押し通せるだけの戦力を集めれば良いだけの事ですしな」

「いいじゃない!それで行きましょう!」

カリナが嬉しそうに、バルトの意見に同意した

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