遥か闇なる世界 ~世界の絶望に立ち向かう黒神子の少女と、真の勇者になる事を夢見る心優しい青年の物語

藤田作磨

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第二章 黒神子・妖精喰いのヨーミコワ編

2-1.妖精喰いのヨーミコワ、襲来

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            2-1 妖精喰いのヨーミコワ、襲来




 一年前……。

「ルナ、逃げろ、逃げるんだ。ここはお父さんとお母さんとで何とかするから、お前は下の兄弟達を連れてお爺さんのいる隣の山にある隠れ里まで逃げるんだ。お爺さんならお前達を匿ってくれるはずだ!」

「ルナ、あなたはお姉さんなんだから妹や弟達の事は頼んだわよ。あの邪悪な黒神子の目を攪乱して何とかあなた達が逃げられるだけの時間を稼いで見せるから。だから一早くこの事を隣の山に住む他の仲間達にも知らせて。きっと何か対策を考えてくれるはずだから。ルナ……ああ、私の可愛い娘……こんな事になるだなんて。どうしてこんな事になってしまったのかしら。やはりあの古代の遺物の存在を探知されてしまったのかしら? やはりあれはちゃんと封印を強化して置くべき代物だったわ。ああ、ルナ、ルナ、兄弟達を連れて……何とかみんな無事に逃げ延びて頂戴。あなたに神のご加護があらん事を!」

「それに父さんからお前にこれを託す。これはわが家に代々伝わる物だ。この地に移り住む時にお爺さんから俺に渡された物だが……ルナこれはお前にやるよ。だがこれは決して人様に見せるんじゃないぞ。恐らくはろくな事にならないだろうからな。そしてこれはあの鶏の姿をした黒神子には絶対に渡してはならない代物だ。ルナ、今からお前がこれを死守するんだ。いいな、わかったな!」

「お、お父さん……お母さん……嫌だ……嫌だよ、一緒にいてよ。みんなでここから逃げようよ。でないと他の仲間達のようにみんなあの黒神子に食べられてしまうよ。なんで、なんであの鶏の姿をした黒神子は私達をまるで餌でも啄む用にして食べるんだろう。私達、何も悪い事をしてはいないのに?」


 薄暗い森の中で繰り広げられる、長い首と鳥の翼を持つ黒神子の貪食という名の悪癖が、逃げ惑う妖精達を徐々に追い詰めて行く。
 蛾の妖精達の中にはその侵略者に対し果敢にも立ち向かおうとする勇気ある者達もいたが皆なんの抵抗も出来ずに無残にもバリバリと食べられていく。
 仲間達が次々と食べられて行く中、絶望沸き立つ怒濤と悲鳴が回りに響き合い、悲嘆と恐怖が僅かに生き残った妖精達の心を諦めと言う名の死の慟哭へと向かわせる。

 そんな中どうにかこの絶望感漂う惨劇の森から子供達だけでも逃がそうと試みる蛾の妖精のまだ若い夫婦は、最後の望みと自分達の命を賭けて長女であるルナという蛾の妖精の少女に全ての希望を託す。

 その父親らしき男性は厳重に封印が施された小さな包み袋をそのルナという蛾の妖精に渡すと、決意を込めた眼差しを向けながら娘の頭を優しく撫でる。

 その間にも「ぎゃあああぁぁーー食べないでぇぇぇ!」「誰か助けてぇぇーーぇ!」「死にたくない、死にたくないよぉぉ!」という悲鳴が闇に閉ざされた森の中から嫌でも聞こえて来る。そんな鬼気迫る恐怖に涙ぐみ、心が押しつぶされそうになりながらもルナは震える声で父と母に懇願の言葉を掛ける。

「み、みんなで静かに……どこか遠くに逃げようよ、今ならまだ逃げられるから。あの鳥の姿をした黒神子の視線が……まだ他の仲間達に向いている隙に……」

「そういう訳にはいかないよ、私達も戻って食べられそうになっている仲間達を助けなくてはならない。わかるだろ、ルナ。この村の人達はみんな深い絆で結ばれた大事な仲間達なんだ」

「でもどうあがいてもあの黒神子には叶わないし今助けに入ったって一方的に食べられるだけだよ。嫌だよ、お父さんとお母さんがあいつに食べられちゃうのは」

「それでも助けに行かない訳にはいかないんだ。これまでもお互いに苦難と迫害を乗り越えて来た大切な仲間達を見捨てる訳にはいかないからな。だから父さんと母さんは行くよ」

「なあ~に心配はいらないわ。私達にだって妖精女王様のご加護が付いているんだから……またいつかどこかできっと会えるわ。だからルナ、妹や弟達の事はお願いね。あなた達の無事をいつも神に祈っているから」

 そう明るくいうと蛾の妖精の夫婦は、背中から生えている二枚のマダラ模様が目立つ茶色い羽根を物凄いスピードで動かしながら空中へと舞い上がる。

「お父さん……お母さん……行かないで、行かないで……戻って来て!」とルナは震える声で大木の根元にある瓦礫の間から叫ぶが、そんな涙と悲痛な顔を向けるルナを空の上から見つめていた蛾の妖精の夫婦は優しくも強い声で娘に行動を促す。

「ルナ、兄弟達を連れて早くこの場所から逃げなさい。私達が数分間だけ時間稼ぎをするから!」

「後は任せたぞ、ルナ。お前ならきっとできる!」

 力強くそう叫ぶと蛾の妖精の夫婦は、仲間達の悲鳴が響く闇が広がる森の中へと静かに消えて行く。

「「お父さん! お母さん!」」

 まだ幼い他の兄弟達も必死に父と母の名前を叫ぶが、長女のルナはまだ見ぬ恐怖と不安とで心が押しつぶされそうになりながらも凛とした声で弟・妹達に優しく叫ぶ。

「行くわよみんな、私に付いてきて。隣の山に住むお爺さんの所まで低空飛行で静かに飛ぶわよ。だ、大丈夫よ、お父さんと……お母さんは……あの邪悪な黒神子を巻いて……きっとまた私達の所に無事に戻ってくるから。だから今は言いつけを守って私達だけで行こう。大丈夫……私がみんなの事を絶対に守るから!」

「恐怖に震える弟・妹達を励ましながら長女のルナはまるで自分に言い聞かせるかのように希望的な言葉を言って聞かせる。勿論その言葉にはなんの根拠も・確信も・ましてや信憑性もないのだが、それでもルナは弟・妹達を落ち着かせる為に敢えて今は嘘を突き通す。
 そうでも言わないとルナ自身の心その物が悲しみと不安と恐怖とで崩壊してしまう恐れがあるからだ。

「じゃ、行くわよ。私に付いてきて!」

 ルナは泣きじゃくる兄弟達を急かしながらも、静かに……そしてゆっくりと超低空飛行で飛ぶ。

(大丈夫、大丈夫だよね。お父さんとお母さんはきっと無事に帰ってくるはず。まだ逃げられないでいる仲間達を助け出す事ができたらその分、妖精達の数は確実に分散するはずだからお父さんとお母さんが逃げられる確率もグーンと伸びるはず。黒神子からして見てもこんな薄暗い森で物凄く小さくて素早い蛾の妖精を全て捕まえる事なんて絶対にできないはず。だから絶対にお父さんとお母さんは生きて帰ってくるはずよ。そうだよね、きっとそうよ!)

 地面すれすれに低空飛行で飛ぶ蛾の妖精のルナは兄妹達を連れて急いで逃げるが、山を降りた所で上空から飛んできた大きな何かに視界を奪われてしまう。

 バサバサバサーーバサバサバサーーバサバサシュッドォォォォーーン!

「コケェェェコッコォォォーーゥゥ、コケェェェコッコォォォ!」

 空気を切りながら大きな翼を羽ばたかせる音に思わず目を開けたルナの眼前にいたのは頭には赤いトサカと両腕には大きな翼を生やした異形の姿をした一人の女性である。

 その赤く鋭い眼光を放つ女性は邪悪な笑みを浮かべるとルナとその弟・妹達の目の前に立つ。

「しまった、奴に見つかってしまったわ。あれが私達妖精族全ての天敵にして最悪の存在。邪悪な鶏の姿をした黒神子……妖精食いのヨーミコワ!」

 そう思わず呟いた蛾の妖精のルナは余りの恐怖に体を硬直させていたが、この絶望的な状況から弟・妹達を逃がす手段を必死に考える。

(でも変だわ。奴は仲間達を助けに行ったお父さんやお母さんと遭遇する事無く、行き違いになったのかしら? だとしたら嬉しいけど、この状況は非常に不味いわ。まさかこんなにも早く奴に見つかってしまうだなんて……思わなかったから。それにこのままじゃ私達も他の仲間達のようにあいつに食べられてしまうわ。ここは私が囮になってどうにかして弟・妹達だけでも逃がさないと……)

 怯えながらも弟・妹達を自分の後ろに必死に隠すルナの健気な行動に、鶏の姿をした黒神子ヨーミコワは大きな声を上げながらけたたましく笑う。

「コケェーーェェ、コッケコッコォォォォーーォォ! なんだこんな所にもまだ生き残りがいたのか。でもさっき食べたのより更に小さいから食べ応えがなさそうだけどな。でもまあいいか、妖精は妖精だからな。でもこの山に住みついている害虫のような妖精はなんだか苦いな。確か……蛾の妖精とか言っていたが、羽根に毒でもあるようだな。さっきから舌がヒリヒリするわ」

「よ、妖精食いの黒神子、お願いします。私は食べられてもいいから、ここにいる弟・妹達は見逃して下さい。もう充分に妖精は食べたでしょ!」

「ああ、この山に住む蛾の妖精は……大概は食い尽くしたがまだ足りないな」

 非常な黒神子の言葉に蛾の妖精のルナの体は震えだし、その顔は硬く強張る。

「大概って……た、食べ尽くしたの……この山に住み着いている蛾の妖精達をまさか全て……うそ、嘘よ、いくら何でも早すぎるわ。嘘はやめて頂戴!」

「嘘じゃないさ、確実に食べたよ。全部で192匹ほどをな」

「それって200人ほどいる蛾の妖精の殆どがあなたに食べ尽くされたって事じゃない。なんで……なんでそんな酷いことをするの、私達が一体何をしたと言うの!」

「ゴッケェェーー、たまたまこの辺りに用ができたから来てみたら、ちょっとお腹が空いちゃって、摘まみ食い程度に軽く腹ごなしをしただけの事だよ」

「腹ごなしって……そんな理由で妖精達を食べたと言うの……酷い、酷すぎるわ!」

「フン、私の目の前をブンブンとうるさく飛び回っているのが悪い。食べられて当然だよね。まあ一応は妖精だから食べてはみたが、かなり苦いし、たいして美味くはなかったがな」

「そんな、そんな理由でこの山に住む蛾の妖精達は貴方に食べられたと言うの、ひどい、酷いわ、そんなの理不尽過ぎる。一体私達をなんだと思っているの!」

「羽が神々しくも美しいとされる他の妖精族達とは違い、蛾の妖精はもっとも忌み嫌われている害虫の中の害虫だろ。それが蛾の妖精族だと、そう私は認識している。そしてそう人間達も言っていたからな。あれは全く役に立たない薄汚れたただの害虫だとな」

「そ、そんな……」

 その心無い黒神子の言葉に蛾の妖精のルナは顔を引きつらせながら思わず絶句する。
 強いショックを受け、言い返せないでいる蛾の妖精のルナを見ていた黒神子は、鳥の羽を小刻みにばたつかせながら更に言葉を掛ける。

「そうだ、それにお前達に一つ聞きたいことがあるんだったわ。大概食べ尽くしてから一番大事な事を思い出すだなんてちょっとうっかりしていて気付くのが遅かったけど、生き残りがまだいてくれて本当に助かったわ。私が先程捕まえた蛾の妖精はなにも知らなかったみたいだったからな。だからお前に聞く事にするわ。その返答次第によっては、お前の願いを叶えてやってもいいぞ」

「私の返答次第で、本当に弟や妹達を助けてくれると言うの?」

「ええ、本当よ、私が探しているある大事な代物の在処を素直に話してくれたら、そこにいる弟・妹達は助けてあげてもいいわ。私としてもそんな小さな蛾の妖精達を食べたって腹の足しにもならないからね」

「それで……一体なにが知りたいのよ?」

「この山の周辺の辺りからわずかにだが古代の遺物の反応が感じられたのだが、その遺物について……お前、なにか知らないか」

「古代の遺物……ですって」

 そう呟きながら蛾の妖精のルナは父親から託された封印が施されてある小さな小包を思い出す。その小包はルナが腰に下げている布袋の中に入っているのだが、ルナは平静を装いながらも真っ直ぐに黒神子の顔を見る。

「ああ、あれね、勿論隠し場所は知っているわ。でも先に弟・妹達の身の安全が先よ。その古代の遺物が見つかり次第、あなたは私との約束を破るかも知れないからね。だから弟・妹達が遠くに逃げ切るのを確認するまでは、あなたには私と共にここに残って貰うわ。それでいいでしょ。その後に、この山に封印されているその古代の遺物とやらをあなたに渡すから」

 そのルナの言葉に話を聞いていた妖精食いの黒神子は邪悪にニヤリと笑う。

「コッケコッコォォォォーーォォ、大きく出たな小さな蛾の妖精の少女よ。この我と対等に取引をしようというのか。どうやらかなり頭が回る少女のようだな。お前が古代の遺物の在処を知っていようが知っていまいが、私が探している物に便乗して話を合わせて調子良くそう言っておけば少なくとも弟・妹達は助かる道が開けるかも知れないと……そう考えているんだろ。面白い、面白いぞ、お前! だが私がそれらを無視してお前の弟・妹達を人質にしたらお前はどうするつもりだ?」

「もしもあなたが、私の弟や妹達を人質に取るつもりなら、その時はその古代の遺物とやらはもう諦めて頂戴。例えこの山のどこかにあることがわかったとしても、蛾の妖精達が施した厳重な結界は絶対に見つけ出す事はできないから、探し出すのはかなり困難なはずよ。それにもしも仮にあなたの脅しに屈して素直にその古代の遺物とやらを渡したとしても、遅かれ早かれ、あなたに食い殺されることに変わりは無いのですから、その時は私達も覚悟を決めるつもりよ!」

「ほう、脅しに屈するくらいなら、弟・妹達共々死を選ぶとはいい度胸と覚悟だ。まあ、いいだろう。私もなんの当てもないまま古代の遺物をこの山から探し出すのは中々に骨が折れる作業だからな、別に逃がしてやってもよいが、一体どうした物だろうな」

 目を細めながら妖精喰いの黒神子がそんな事を言っていると、黒神子の鳥のような足下から「ルナ……ダメ……ダメよ……」と何処かで聞いたかのような弱々しい声が聞こえて来る。
 一体なんの声かとよ~く目を見開きながら耳を澄ましていると、黒神子の鳥のような足の指爪に捕まっていたのはついさっきまで他の仲間達を助け出すために森の中へと飛び立ったはずの蛾の妖精のルナの母親だった。

 その息絶え絶えの母親は余程苦しいのか荒い息を吐きながらもルナを見ると、既にボロボロに引きちぎられている破壊された羽の付け根をばたつかせる。

「だ、駄目……駄目よ、ルナ……ルナ……逃げなさい。まだ希望を捨ててはいけないわ。あなた達、みんなで逃げなさい。後少しだけ生き延びる事が出来れば……きっとあの人達も来てくれるから。もうあの人達を呼ぶ餌はこの山にばらまいてありますから」

「え、餌って、一体どう言うこと?」

 蛾の妖精のルナがそう叫んだのと同時にその場に現れたのは物々しいきらびやかな鎧に固めた数十人の男達だった。

「こ、これは……?」

「なんか、変な転回に出くわしたな!」

 今起きている周りの状況を瞬時に把握したその数人の男達は、憮然とした厳しい顔を黒神子に向けると激しくにらみ付ける。

「報告にあった通りだな。お前が遙か闇なる世界の黒神子・妖精喰いのヨーミコワだな。そのお前がここにいると言う事は……妖精達が使う術のネットワークで知らされた情報は確かなようだな。この山のどこかに古代の遺物の一つが本当にあると言う事か。そうなんだろ、だからお前はこの地に来たのだな。黒神子・妖精喰いのヨーミコワよ!」

 鬼気迫るその男達の声に、黒神子ヨーミコワは激しく警戒しながらも態とらしく余裕を噛まして見せる。

「あら、これはこれは、緑の星の冒険者組合に所属をしている人間族の冒険者達ですね。そしてそのレベルもかなり高いようだ。一級冒険者が三人に……二級冒険者が五人に三級冒険者が十人ですか。全部で十八人の高レベル冒険者の集まりのようですわね。しかもその三人の内の一級冒険者の一人は……まさか」

「そうだ、緑の星の一級冒険者にして……聖騎団のギルドに所属をしている最強の十人の中の一人だ。この俺が来たからには、黒神子・ヨーミコワ、もうお前の好きにはさせないぞ。この衝撃波動の勇者・鉄槌のイレイダルが来たからにはな!」

「衝撃波動の勇者……鉄槌のイレイダルか……噂だけは聞いているよ。中々にダイナミックな戦いをするという噂ではないか。だがその如何にも重そうな重装備の鎧と大きな鉄槌を武器に、空を自由自在に飛ぶ事の出来るこの私のスピードについて来る事が果たして出来るかな。重武装に身を固めた動きの鈍そうな亀勇者よ!」

「ふふふふ、それは入らぬ心配だな。なら本当に俺の動きが遅いかどうか、試して見るか!」

「コケェーーコッケコッコォォォォーーォォ、いいだろう、ちょっとした余興だ。お前で試してやる!」

 殺意を込めた黒神子ヨーミコワの眼光が蛾の妖精のルナから冒険者に標的が移った時、ルナの絶望的な思いは僅かな希望へと変わる。

 このまま黒神子ヨーミコワと一級冒険者の鉄槌の勇者様の二人が戦えば、このどさくさに紛れて今も黒神子ヨーミコワの足下に捕らわれている母親の命がもしかしたら助かるかも知れない。だがそんな事よりも今は更に気がかりな事がある。
 蛾の妖精のルナは神に祈りながら恐る恐る黒神子ヨーミコワに聞く。

「父は……私のお父さんが見当たらないようだけど……お父さんは一体どうなったの?」

 その蛾の妖精のルナの質問に黒神子ヨーミコワは邪悪にニヤリと口元をゆがませる。

「勿論食べたよ。不用心にも、つがい共々私の目の前に飛んできたからな。直ぐに叩き落として、雄の方は口の中に放り込んでやったよ!」

 さも当然のように冷徹に言い放つ黒神子ヨーミコワの言葉に蛾の妖精のルナはまるで信じられないとばかりに体を小刻みに震わせると大きな声で泣きじゃくる。

「嘘、嘘よ、そんな事はありっこないよ。だってついさっきまで元気にしていたんだから。そんなの嘘に決まっているわ……」

「いいや本当だよ、私は噓は言わない。私の足の下に転がっているこの蛾の妖精の片割れのメスが無様にも捕まっているのが何よりの証拠だ。その反応からしてこのメスの蛾の妖精の子供達のようだが、残念だったな。お前達の父親のオスはもう既に私の腹の中だ!」

「嘘だ、嘘だよ。うわぁぁぁぁぁーーぁぁ、お父さん、お父さん!」

 ルナが大声で泣いているとその後ろの方からいつの間にか三人の男達が現れる。その接近に全く気付かなかったルナはハッと後ろを振り返る。

「邪魔だな、この害虫達。異世界勇者様達一行の道を塞いでるんじゃねえよ、この羽虫どもが!」

 その荒々しくも蔑む言葉と共に一人の男の右腕が物凄いスピードで蛾の妖精のルナやその後ろにいる弟・妹達に迫る。

「危ない、みんな避けて!」と言いながら弟妹達に覆い被さる蛾の妖精のルナだったが、そのなぎ払われた男の右腕をその場にいた一人の男が寸前の所で素早く止める。

 ガッシン!

「勇者田中、虫なんかにかまっている暇があるんなら、目の前にいる黒神子やこの星に住む冒険者達に注意を払った方がいいんじゃないのか。それに蛾の妖精にもしも素手で触ったりなんかしたら服も汚れるし、その羽根から出ている鱗粉にはしびれ粉のような毒性があると言う話だぞ」

「ま、マジッスか。それは汚くてさわれないな。斉藤さん、この虫ケラに触れるのを止めてくれてありがとう御座います。さすがはなんでも知っている、異世界召喚者最高齢にして最強の異世界勇者様だぜ!」

「いや、お前が何も知らないだけだろ。蛾の妖精は他のきらびやかで綺麗な妖精達と違って害虫その物だと言われているらしいからな。つまりこいつらは他の妖精達からも迫害をされていると言う事だ」

「そうか、だからこの世界の冒険者達は皆、他のきらびやかで美しい妖精達を好んでお供に付けてはいるが、蛾の妖精だけは誰もが毛嫌いをしているんですね。蛾の妖精を連れて歩いている冒険者は今まで見たことがないですからね」

「まあ、そういうことだ。だからここにいる蛾の妖精達は無視するんだ。下手に関わって変な毒や呪いを貰ったら正直叶わんからな」

 勇者斉藤と呼ばれているその男の年齢は恐らくは六十代くらいの人物のようだ。その如何にも真面目そうな中年の男は凄みのあるニヒルな顔を向けると目の前にいる黒神子ヨーミコワと、第一級冒険者でもある鉄槌のイレイダルの二人を静かに威嚇する。

 その勇者斉藤の両隣には爆炎の勇者不知火と狂雷の勇者田中が脇を固める。

「勇者斉藤さん、あなたに加勢は必要ないとは思いますが、及ばせながら俺達も戦いますよ」

「そうだぜ、斉藤さんにだけ美味しい思いはさせられませんよ。俺達にも見せ場を残して貰わないとね」

「フ、この異世界に召喚されてまだ一ヶ月しか経ってはいないひよっこのお前達を戦わせる訳には行かないな。しかも今……目の前にいる相手は、あの遙か闇なる世界に連なる呪われた闇の魔女たる代行者にして、その不死の力を持つ十二人の黒神子達の中でもかなりの残虐性を持つとされる黒神子、妖精喰いのヨーミコワが相手だからな。流石にお前達にこの魔女はまだ荷が重すぎるだろうぜ。それに加えて、目の前に数人いる第一級冒険者達の中に一人の武骨そうな男が見えるが、確か奴は、最強の十人の中の一人と呼ばれている勇者・鉄槌のイレイダルのようだ。そうあの豪胆な勇者がこの場に来ている事もお前達を前線には絶対に出せない理由の一つだ。恐らくは能力レベルは同じ100レベルで互角だが、長年の戦闘技術と数々の修羅場をくぐり抜けて来た経験の差がお前達とは段違いだからな。だから仮に奴とお前達が戦えば、間違いなくお前達は奴に敗北する事だろう!」

「それほどに強いんですか、緑の星に住む最強の十人と呼ばれている冒険者達は!」

「ああ、別格だよ。ただのチートを貰っていい気になっているだけのクソガキ共にはどう逆立ちしたって勝てる奴らじゃない。それなりに戦闘技術の取得と幾多の実戦を経験しないとな」

「マジッスか、ちくしょう、せっかくここでも弱いモブキャラ達を相手に気持ち良く無双できると思ったのに、なんだか悔しいですよ!」

「まあ、そんなに焦ることはないだろ。この星でのお前達の冒険はまだ始まったばかりなのだからな」

 そう勇者不知火と勇者田中のやる気をなだめると歴戦の異世界勇者でもある勇者斉藤は回りに凄みを効かせると、悠然と目の前にいる黒神子ヨーミコワに話しかける。

「あんたが妖精喰いの黒神子・ヨーミコワか。その姿はまるでニワトリ人間だな。変ちくりんな格好だぜ。栄養価の低い小さな妖精ばかりを喰っているから背丈ばかりがでかいだけの、そんな貧弱な姿になったんじゃないのか!」

「コケェーーコッケコッコォォォォーーォォ、どうやら異世界召喚者の勇者のようだな。お前達もここにいる冒険者達と同じように古代の遺物を取りに来たのか」

「まあ、そんな所だ。この辺りでわずかだがちょっとした古代の魔力の反応があったからな、こいつらの研修がてら試しにこの地に来てみたんだが、黒神子ヨーミコワ、お前がここにいると言う事は、やはりこの山のどこかに、あの古代の遺物が隠されていると言う事か。そうなんだな!」

「さあな、どうだかな。いいから大人しくその蛾の妖精をこちらに渡して貰おうか。私はその蛾の妖精の少女に用があるのだ」

「こんな蛾の妖精の害虫なんかはどうだっていいだろ。そんな事よりも古代の遺物はどこだ。もしかしたらもう既にお前が持っているんじゃないのか。もし持っているのなら直に出せよ。そうすれば今回は見逃してやらなくもないがな」

 異世界召喚者でもある勇者斉藤の威嚇めいた言葉に、黒神子ヨーミコワは豪快に笑う。

「ハハハハハハ、異世界から来た、灰色の女神に従順にも付き従う犬無勢が粋がるなよ。どうやらこの世界に来るにあたり灰色の女神からチート能力を授かり得てここに来ているらしいが、お前達の力など、不死の力を持つ我には一切通じはしないぞ。それにどうやらこの地に来るにあたり、お前達は誰一人として高ランクの聖女達を連れて来てはいないみたいだから、この私を封印術で封じる事も出来はしない!」

「ふふふふ、英雄殺しの黒神子・レスフィナが相手ならいざ知らず警戒もするが、オマエ程度のオツムの弱い黒神子が相手なら、特に問題はないさ。俺が持つ古代の遺物の一つ『賢者の魔石』で、お前を未来永劫この魔石に封じてやるよ。この古代の遺物を使用すれば例え高レベルの聖女が傍にいなくてもお前を封印する事は可能だからな!」

 その勇者斉藤の言葉に黒神子ヨーミコワはかなり狼狽し、そして距離を置き警戒する。

「コケェーーコッケコッコォォォォーーォォ、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょうおおぉぉぉう。封印に特化した古代の遺物か。そうか、だから不死である私に臆すること無くお前達は果敢にも挑もうとしているのか。なら逆にお前を倒して(その賢者の魔石とか言う)古代の遺物をわれが確実に奪い取ってくれるわ!」

「ちょっと待てや二人とも、大変盛り上がっている所悪いが、俺達冒険者もこの場にはいるって事を忘れて貰っては困るぜ。この地に眠る古代の遺物だけでは無く、まさか異世界召喚者の勇者斉藤が持っている……賢者の魔石も同時に拝む事ができるとはな。これはかなり幸運な展開だぜ。なにせこの地に同時に二つの古代の遺物が集まったのだからな。このチャンスは絶対に生かさないとな。そうさ、その二つの古代の遺物は俺達冒険者組合側がなんとしてでも頂くぜ。それらの古代の遺物をお前達に悪用させる訳には行かないからな。そんな訳で、いくぞ、異世界召喚者の勇者達に、遙か闇なる世界の黒神子・妖精喰いのヨーミコワよ!」

 そう意気込みながら手に持つ大きな鉄槌を構える勇者イレイダルや異世界召喚者の勇者斉藤に向けて、話を後ろで聞いていた蛾の妖精のルナがかなり慌てた様子で、睨み合う二人の勇者に声を掛ける。

「ちょ、ちょっと待って下さい。私のお母さんがまだ黒神子ヨーミコワの足の下に捕らわれているんです。お願いです、勇者様、どうかウチのお母さんを助けて下さい。お願いします。私に出来うる事ならどんな事でもしますから、どうか……どうか!」

 急いで地面へと下り、二人の勇者に深々と涙ながらに土下座をする蛾の妖精のルナに、二人の勇者は現実とも言うべき冷酷な言葉を突きつける。

 最初に言い出したのは鉄槌の勇者、イレイダルである。

「すまんが蛾の妖精の安否に構っている余裕はないな。残酷な事だが人間族とお前達蛾の妖精との間には人権を保障する誓約を結んではいないからな。そもそも俺達はお前ら蛾の妖精族を守る義務すらないと言う事だ。すまんな、悪く思わないでくれ。こちらも仕事で戦っているだけだからな。だから俺達冒険者はただでは絶対に人助けはしないんだよ。まあ、妖精女王との契約にあるように他の妖精達を守る義務が生じたら守らざる終えないだろうが、残念ながら蛾の妖精族を守る条約はないからな。つまりお前達は妖精界からも見捨てられていると言う事だ。非常に残念な事だがな!」

「そ、そんな……そんなのってないよ。ゆ、勇者って……弱い者達を……救いを求める者達を無償で助けてくれる……愛と正義を掲げている、そんな存在じゃなかったの?」

「子供の絵本に出て来る優しい勇者じゃあるまいし、そんな都合のいい勇者が現実にいる訳がないだろ。所詮夢見る子供の発想だな」

 続いて異世界召喚者の勇者不知火が、勇者斉藤の代わりに話し出す。

「ふふふふ、どの勇者側にも守るべき者と倒すべき敵が常に存在している。ならばその環境や周りの人達とのしがらみで守るべき対象も違うのは当然のことだ。だがまあ当然の事だが俺達異世界勇者側やこの地にいる冒険者側の勇者達も蛾の妖精族を守ることは一切しないと思うがな。それだけは互いに意識をしている共通認識だ。なにしろ守る義理も義務も人情も一切無いし、お前らは何のお役にも立たないただの薄汚れた害虫であることは妖精族界わいだけでは無く人間界でも常識だからな。そんな事も知らなかったのか、蛾の妖精の少女よ!」

「そんな、そんな、それじゃウチのお母さんは一体どうなるの?」

「当然あの黒神子・ヨーミコワに喰われるだろうな」

「そんな、そんな、お願いです、そこを曲げてどうかお母さんを助けて下さい。どうか私達にお慈悲を!」

 そのルナの涙ながらの訴えに今度は話を黙って聞いていた狂雷の勇者田中が荒々しく大きな声を上げる。

「うるせえーー害虫、戦いの邪魔をしてんじゃねえよ。もう面倒くさいからよ、黒神子ヨーミコワだっけ、その足下に押さえ付けてある蛾の妖精を早く食べてしまえよ。そうしてくれないとこの戦いも始まらないっしょ!」

 勇者田中のその心無い冷酷非常な言葉に黒神子ヨーミコワもプププと笑う。

「自分のことを棚に上げて置いてなんだが、黄色い鎧を着ている異世界勇者よ、お前もかなりの冷酷な悪党のようだな。これは将来が楽しみだな。どうかな、もしも異世界勇者に飽きたら私と組まないか。お前を特別に我が眷属となる試練に挑ませてやろうではないか。もしも上手く行ったらその時は新たな強大な力が手に入るだけでは無く、限りなく不死に近い力を得ることができるぞ」

「ほほう、強大かつ不死の力か、それはいいな」

 そう願望を口にした勇者田中に対し勇者斉藤が真剣な顔をしながらそれを嗜める。

「黒い魔女の言葉に惑わされるな、勇者田中よ。そんな上手い話がある訳がないだろう。大体ただの人間の身でその黒神子の試練を受けて見事に乗り切った者は未だかつてまだ一人もいないとの話だ。まあエルフやドワーフと言った他の種族の中には過去に黒神子の眷属になったと言う話もどこかで聞いた事はあるが、大体はその後は廃人になるか、黒神子が操る悪の傀儡に成り下がるとの話だ。だから絶対にその契約を交わすんじゃないぞ。俺達がその闇の契約を受けたら間違いなくあの世行きだからな!」

「マジッスか。あぶねえ、あぶねえ、聞いといて良かったぜ。さすがは勇者斉藤さんだ。物知りだぜ!」

「まあ、そういう訳だ。悪いが蛾の妖精のお嬢ちゃん、お前の母親の命は諦めるんだな。さすがの俺達もあの黒神子・ヨーミコワが相手じゃお前の母親を助けている余裕はないからな」

「そんな……そんな……」

 絶望に震え、涙を流す蛾の妖精のルナに、黒神子ヨーミコワの足の指に捕まっている母親がハッキリとした口調で話しかける。

「ルナ……何をしているの、私の事はいいからあなた達だけでも早く逃げなさい。お父さんの言いつけを忘れたの。あなたには守らないといけない物がまだ沢山あるはずよ。だから逃げて……逃げて頂戴。ルナ……あなた達の幸せを……天国で祈っているわ」

  その言葉は最後の力を振り絞った声である事はルナにも痛いくらいに分かったようだ。

「お母さん、お母さん!」

 だがその悲しみに暮れる悲劇的な光景に流石に嫌気が差したのか、黒神子ヨーミコワは如何にも面倒くさそうに顔をしかめながら口を開く。

「こいつらウザいし、さっきからうるさいな。おやつ代わりに生かしておいていたんだけど、もういいや。異世界勇者や高レベルな冒険者達も集結しちゃったし、面倒くさいからもう食べちゃおうと」

 黒神子ヨーミコワは足の指と爪を上手く使い、行き絶え絶えの蛾の妖精の母親を勢いよく頭上へ放り投げると、その落下地点で大きな口を空け待ち構える。

「お、お母さん、いや、いやぁぁぁ! 食べないで、お願い、お願いです。誰か、誰か、お母さんを助けてぇぇ!」

 だがそんな蛾の妖精のルナの悲痛な叫びは当然誰にも届かず、蛾の妖精の母親はそのままヨーミコワに大きな口でキャッチされると、まるで蛇の捕食のように、噛まずにそのまま丸呑みにされていく。
 その大きな口で飲み込まれていく中で蛾の妖精の母親は悲しい笑顔を向けると「ルナ……ありがとう」という最後の言葉を残し、そのまま黒神子ヨーミコワの口の中へと消えて行く。

 その後は喉越しを楽しむかのように黒神子ヨーミコワの喉の皮膚が盛り上がり、そのまま胃の下の方へと落ちていく。

 ゴックン。

「ああ、苦くて不味かったわ。でも何も食べないよりはマシか」

 残酷なまでに恐ろしい母親の死の瞬間を見てしまった娘のルナは狂わんばかりに大きな声を上げると、お腹が満たされた事に満足げな顔をする黒神子ヨーミコワに恨みと怒りを叩き付ける為に空中へと飛び立つ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーぁぁ、お母さぁぁぁーーん。お母さぁぁぁーーん!」

 物凄いスピードで飛びかかろうとした蛾の妖精のルナの動きよりも早く、異世界召喚者でもある最強勇者の斉藤がルナを勢いよく後方へと払い落とす。

「うるさい、戦いの邪魔をするな。うっとうしくって叶わんわ!」

 バキッ!

「ぐはぁーーっ、お、かあ……さ……ん!」

 勢いよく地面へと叩き落とされた蛾の妖精のルナの元にまだ幼い弟妹達がわらわらと集まって来る。その無様にも地面へと倒れるルナの姿を見ていた弟・妹達はしくしくと涙と鼻水を垂らしながら追いすがり、怯え泣く。

「「お姉ちゃん、お姉ちゃん大丈夫。死なないで、怖いよ、悲しいよ、お母さん、お父さん、うわぁぁぁぁぁーーぁぁ!」」

(そうだ、私にはお父さんやお母さんから託された、絶対に守らないといけない大事な弟妹達や……約束事があったんだった)

 弟・妹達の泣き声を聞いて冷静さを取り戻したルナは今置かれている状況を静かに把握すると、行き成り三つ巴で戦いだした黒神子ヨーミコワ・異世界召喚者達・そして冒険者達を憎しみの隠った目で睨みつける。

 両翼の翼を広げながら妖精喰いの黒神子・ヨーミコワが天高く上空へと舞い、異世界召喚者にして最強と歌われている最強勇者斉藤が腰に下げている細身のレイピアを瞬時に抜き放ちながら華麗に構える。

 その隣では仕方なく勇者斉藤と共闘をする事にした第一級冒険者の鉄槌のイレイダルが豪快に両手に持つ大きな鉄槌を構えながら威嚇をし、その回りを他の冒険者の仲間達がまるでイレイダルを守るかのように様々な攻撃魔法や防御魔法、更には支援魔法を駆使して黒神子ことヨーミコワを迎え撃つ。

 そんな爆煙と地響きが鳴る中で、蛾の妖精のルナは傷だらけの体を弟・妹達に抱えて貰いながらもこの光景を目に焼き付ける。
 そして思う。

(この世には理不尽にも虐げられている弱き人達を守る、お伽話に出て来るような正義の心を持った優しい勇者は……本当は存在してはいない。いつも守られるのは特別に優遇された優れた種族達だけであり、私達のような汚れた種族は対象外だ。そうだ、そもそも迫害を受けている劣等種族のレッテルを貼られた種族は妖精族の女王にも見限られ……当然勇者達にも助けてすら貰えない。そうこの世の中は限りなく不当に、そして理不尽に出来ているのだ!)

 そう結論づけた蛾の妖精のルナは、黒神子ヨーミコワに果敢にも立ち向かおうとする人間達を見つめながら冷ややかな感情を抱くのだった。

 蛾の妖精のルナです。
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