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第四章 『罪深い水瓶の底から』 大木槌を持った異形の殺人鬼が封鎖されたデパート内で勘太郎達に迫る。狂人・悪魔の水瓶との推理対決です!
4-9.水瓶人間と対峙する甕島佳子の謎
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「佳子さん、足下に気をつけて俺に付いてきて下さい。木戸警備員は彼女の後ろをお願いします」
「ええ、分かりました。後ろは任せて下さい!」
「すいません。何だか私のわがままでお二人に無茶な負担を掛けさせる形になってしまって。でも、どうしても自分の足で、友人や水瓶人間に捉えられている子供を助けたいんです」
時刻は十六時十五分。
勘太郎・甕島佳子・木戸警備員の三人は社員専用の階段の鍵を使い、ベットや椅子と言った生活家具の製品が並ぶ四階フロアーを警戒しながら歩く。
各スペースには自転車を売る為の自転車屋や日用大工に使う道具を売る日用雑貨の店が転々と並び。百均の様に日用雑貨を売る店がかなりの面積を支配する。そんな誰一人として人の気配がしない四階のフロアー内を見て回りながら勘太郎は今現在四階フロアーにいる人員についてを考える。
甕島佳子を連れながら四階に上がる事を決断した勘太郎に対し、もうあんな殺人鬼とは会いたくは無いと言い出した梅塚幸子が三階の機材倉庫に閉じ込められている緑川章子を見張ると言いだし。その提案に乗るかのように関根孝が、自分も西条貴文社長を見つけることが出来たのでこれ以上は上には行けないと三階フロアーに残る事を決断する。そして最後に残った長瀬警備員はそんな三人を守る為にボディーガードとして共に残ると言い出したのだ。
まあ、こうなることは大体は分かってはいたが一番の意外な事は、あの羊野が突然四階ではなく緑川章子が襲われたという一階でいろいろと調べ物をして来ると言い出した事だ。つまりは別行動をすると言い出したのである。
勘太郎はそんな羊野の考えに文句を言いながらも彼女の一時的な離脱を許す事にした。毎度の事ながら羊野が別行動をする時はきっと何か考えがあるからだと想像ができるからだ。
勘太郎は一人だけ付いてきてくれた木戸警備員に感謝をしながら、後ろを歩く甕島佳子にあることを話し掛ける。
「それで、佳子さんのそのご友人は一体どんな人なのですか。名前や性別、職業やあなたとの関係性を教えて下さい」
「彼女の名は水谷里子。五階フロアーにある竹内書房という本屋さんで働いているバイトの従業員です。以前このデパート内の大きさと構造が知りたくて杖で確認しながらデパート内を隈無く歩き回っていた時があったんですが、その時にその水谷里子さんが色々とこのデパート内の事を手取り足取り教えてくれたのでそれ以来の仲です。そんな親切で優しい彼女からの助けの電話と子供の命の危機の話が私の携帯電話に掛かって来ましたから、私はいても立ってもいられずこうして出て来たと言う訳です。恐らくは警察にも当然電話は掛けたと思いますが、直ぐには救出にこれないことを知った彼女が、独断で私に助けを求めて来たのでしょうね。私なら何とか出来るとそう彼女は思ったのかも知れませんね」
「佳子さんなら何とか出来る……ですか。いや言っている意味がよく分からないのですが。失礼ながら佳子さんは目が不自由ですし、このデパート内の中では自由に動けないでしょうから、もしもあの水瓶人間と遭遇したら生きては戻れないでしょう」
「フフフ、そうでも有りませんよ。このデパート内の構造は今まで散々歩き回りましたから頭の中に全て入っていますし、その水瓶人間とかいう殺人鬼が現れても私、負けませんから」
「いや、負けませんって言っても、精神論で何とかなる事でもありませんので、ここは俺に従って下さい」
「はい、勿論頼りにしていますよ。黒鉄の探偵さん。もしもその水瓶人間が現れた時は私を守って下さいね」
そう言うと甕島佳子は勘太郎に向けて可愛らしく頭を下げる。そんな彼女の大人の魅力に翻弄されながらも勘太郎は再度聞き返す。
「それで、その水谷里子さんは本当にこの四階に逃げてきていると言っていたのですか?」
「はい、五階は流石に危険だと感じた水谷さんは五階を徘徊している水瓶人間の隙を突いて、どうにかして四階に逃げ込むと言っていましたわ」
「四階にですか。でも彼女もアルバイトとはいえ従業員なら、社員専用の階段の鍵を持っているのではありませんか。ならなぜ隙を突いて一気に貴方がいる地下一階まで逃げてこなかったのでしょうね。その方が絶対に安全かも知れないのに」
「つい先ほどまで、地下一階の扉は内側から何かで固定されていてびくともしませんでしたから、もしも階段を下っている途中で水瓶人間に見つかって地下一階の扉を開けることが出来なかったら一巻の終わりですからね。なら無理なく一段一段隠れながら下って、助けを待っていた方がむしろ安全かも知れないと思いましたので、彼女には四階で待機しておくようにと私がそう言ってあります」
「そうですか。ならこの四階フロアーの何処かにその水谷里子さんと言うバイトの女性が隠れているかも知れませんね。向こうから我々の存在に気付いてくれるといいのですが、何処かに隠れているのならこちらから見つける以外に道はありませんね。因みにあれ以来その水谷さんには電話は繋がってはいないのですか?」
「はい、繋がってはいません。恐らくは私からの折返しの電話の着信音で水瓶人間に居場所を知られたくはないと思った彼女が行為にスマホの電源を切っているのかも知れませんね」
「ならメールやラインのの方はどうですか。勿論あなたもやっているのですよね」
「私……目が見えませんから」
「あ、すいません。なんだか意外と普通に廊下を歩いている見たいですから、つい忘れてしまいました」
そう言いながら勘太郎は、思わず苦笑いをする甕島佳子に素直に頭を下げる。
そんな二人の会話を聞きながら、一番後ろを歩く背の高い男が勘太郎に話しかける。
「それで、この後はどうするんだ? この四階フロアーに来ているかどうかもよく分からないその女性を探すのかい。もし大きな声を上げて呼びかけながらこの四階のフロアー内を移動すれば、あの水瓶人間に見つかるかも知れない。しかもこちらにはあの恐ろしい程に強い、あの羊の姉ちゃんがいないんだから、もし今度もあの水瓶人間と再び対峙する事になったら俺達も生きては帰れないかも知れない。そうなる前に四階のフロアー内を少し探してもしその女性が見つからなかったら、直ぐに五階フロアーへと移動する事にしましょう。俺はその捕らわれているという男のお子さんを何としてでも助けたいので……」
そう言い出したのは一番後ろを歩いていた木戸警備員である。そんな複雑な心境を告げる木戸警備員に勘太郎が彼への疑問を聞く。
「木戸さん、どうしてあなたは俺達に付いて来てくれたのですか。あのままみんなと一緒に三階フロアで待っていてもよかったのに」
「あんたらを二人だけで上に行かせる訳には流石に行かないだろう。長瀬警備員があの緑川章子さんを見張ると言い出したんだから、俺はあんたらについて行く以外はないだろう。あんたらについて行かないと、後でここの警備員はお客さんを見捨てたとか言いがかりを付けられるかも知れないからな」
そこまで木戸警備員が話した時、五階に繋がる金網式のシャッターが開閉され上へと上がり。そのエスカレーターの下りの流れに乗るかのように、大きな水瓶を頭から被った悪魔の水瓶がゆっくりと勘太郎達の目の前に下って来る。
堂々とその姿を現した悪魔の水瓶は両手に持った大木槌を上段に振り上げながらその人数を確認する素振りを見せる。
「な、なに……水瓶人間だと。堂々と俺達の元に出てきやがった。もしかしたら俺達の不意を突いてどこからか行き成り現れるかもと思っていたんだが、まさか正面から現れるとはな。まさか俺達が三人しかいない事を知っていて、敢えて出て来たのか……?」
そんな木戸警備員の素朴な疑問に勘太郎が緊張をした面持ちで答える。
「いいや違うな。もしかしたら誰かから彼らは三人しかいない……と言う情報が水瓶人間に流れていたのかも知れない。出なければもっと回りを警戒していてもおかしくはないからな。うちの羊人間にあれだけ追い詰められた後に羊野を特に警戒もせずに堂々と現れたのが何よりの証拠だぜ。あいつは事前に羊野がこの四階フロアーに来てはいないことを知っていたんだ」
そう説明した勘太郎は右腕に切り傷を負っているはずの悪魔の水瓶の右腕を目測で確認する。
目の前にゆっくりと迫る悪魔の水瓶の右腕のレインコートの袖の部分はパックリと切れ、その傷口は貼り薬か何かで傷口から血が出ないようにと即席の応急処置を施している様だ。その証拠にその悪魔の水瓶の右腕からは血は一滴も地面にたれ落ちてはいない様だ。つまりこの水瓶人間が勘太郎の目の前に現れた事によって、緑川章子が水瓶人間に襲われたと言っていた証言が成立したと言う事になる。勘太郎は後ろにいる二人に下がれと合図を送りながら、悪魔の水瓶の注意を自分へと向けさせる。
「ついさっき俺達と抗戦して自分から敗走したばかりだと言うのに、まさか自分から俺達の前に現れるとはな。中々にやる気満々と言った感じかな。それとも羊野がこのフロアーにいないことをどこからか聞いたから、今なら俺達を殺せると思ってわざわざ四階まで降りて来たのかな。だとしたら随分と俺も舐められた物だぜ。円卓の星座の狂人・悪魔の水瓶。上へと連れ去った軋《きしみ》おさむ部長やまだ小さな男の子の子供は返して貰うぞ。一体どこに人質達を隠したんだ。お前を雇った闇の依頼人は一体誰だ! お前にはその全てを吐いて貰うぞ!」
その勘太郎の緊縛した威嚇に悪魔の水瓶は「ポポポポーッ、ポポポポーッ」と言いながら攻撃するタイミングを頻りに計っている様だったが、覚悟を決めると行き成りもう突進で走り出し、その手に持つ大木槌の一撃を勘太郎の頭部に目がけて振り下ろす。
く、来る。見極めて避けなけねば!
その大振りのモーションから繰り出される渾身の一撃を寸前の所で何とか交わした勘太郎は、空を切りながら床へと叩きつけられる大木槌の音を聞くのと同時にすかさず悪魔の水瓶の背中にタックルをかまそうと飛び掛かるが、大木槌の長い柄の先端部分で強烈な突きの一撃を腹部に受けてしまう。
強力な一撃をまともに貰ってしまった勘太郎は後ろへと豪快に吹き飛ばされ、後ろの棚に陳列してある二リットル入りの木工製品のペンキ缶が床へと豪快に散らばる。
バキン! ガラガラ……ゴロン! カラン、ガラン、コロン!
「黒鉄の探偵さん、大丈夫ですか。無事なら返事をして下さい!」
まともに攻撃をくらい吹き飛ばされた勘太郎の姿を見てしまった木戸警備員は声かけで勘太郎の無事を確認しようとしたが、床へと倒れている勘太郎からは何の反応もない様だ。どうやら気絶をしているか、或いはそのまま絶命してしまったのかも知れない。あまりの出来事にそう考えてしまった木戸警備員は、大木槌を構えながら迫り来る悪魔の水瓶の恐怖に思わず尻餅をつき、錯乱状態になる。
「やめろ、やめてくれ! 来るな。こっちに来るんじゃねえ! この化け物が!」
闇雲に持っている警棒を振り回す木戸警備員だったが、その警棒も悪魔の水瓶の一撃でどこか遠くへと吹き飛ばされる。
「ああぁぁ、俺の警棒が!」
丸腰となり警棒を失った事で絶望した木戸警備員は両手を前に突き出しながら悪魔の水瓶に命乞いをする。その情けない行為に悪魔の水瓶は一瞬攻撃を躊躇しているようにも感じられたが、直ぐに大木槌の柄の部分を強く握り締めると頭上に構えながらその大木槌を豪快に振り下ろそうと力を込める。
「わああああぁぁーやめろぉぉぉ! やめてくれぇぇ!」
木戸警備員の頭部に目がけて振り下ろそうとした悪魔の水瓶の背中に何か硬い物がぶつかり、悪魔の水瓶は思わずその何かが降ってきたその先をまるで食い入るように見つめる。その先にいたのは片手に収まるほどのペンキの缶を持った黒鉄勘太郎だった。勘太郎は周りの床に落ちている便器用の缶を足で集めながら、手に持ったペンキの缶を悪魔の水瓶に向けて投げ付ける。
「これでもくらえ!」
その投げつけたペンキの缶はそれなりに重い為まともに当たったら打ち身の怪我くらいはすると思われるが、そんな勘太郎が投げるペンキ缶を悪魔の水瓶がまるで迎え撃つかのように悉く叩き落とす。
ガシャン! バキン! ガラン! ゴロン! ガタン!
「あ、もう手元に投げつけるペンキ缶がない!」
自分の周りにある全てのペンキ缶を投げきってしまった勘太郎は、勝ち誇りながら歩いてこようとする悪魔の水瓶の殺意に怖じけづき、つい後ろへと下がってしまうが、そんな悪魔の水瓶の背後に音も無く近づくある人物に後ろを取られる。
「すいません、水瓶人間さん……ちょっと失礼しますね」
そう和やかに挨拶をすると甕島佳子は、悪魔の水瓶が背負う大きなリュックサックに手を掛けながら勢いよくそのリュックサックを後ろへと引っ張って見せる。
その勢いは凄まじく、あの重そうな武装をした悪魔の水瓶の体はまるで人形のように大きく後ろへと豪快に吹き飛ぶ。
な、なんだ、一体どうなっているんだ。あの悪魔の水瓶が豪快に吹っ飛んだぞ。一体彼女は何をしたんだ? あの悪魔の水瓶が何の抵抗も示すこと無く簡単になぎ倒されたのか。つまり……あの甕島佳子の踏ん張る脚力とそれに耐えうる強靱な腕力があの悪魔の水瓶を軽々と投げ飛ばせるくらいに極端に強いと言う事なのか。彼女はただのか弱い盲目の女性では無いと言う事か。
甕島佳子の思わぬ強さに呆気に取られる勘太郎と木戸警備員の眼差しを受けながら、甕島佳子は杖を突きながら静かに悪魔の水瓶に近づく。そんな甕島佳子に悪魔の水瓶は苦し紛れに手に持つ大木槌を再び振り上げようとするが、その大木槌の動きをその片足で完全に止めた甕島佳子は大木槌の長い柄の部分を足で踏んづけながら悪魔の水瓶にその冷徹な顔を向ける。
目が見えない分だけその微かな微妙な音には敏感なのだろう。甕島佳子は悪魔の水瓶が鳴らす微かな体の動きの音を聞き分けながら、殺人鬼の動きを完全に封じる。だがそんな甕島佳子に悪魔の水瓶は奥の手とばかりに腰の部分に設置してあるノズルから汚染水の混じった液体ガスを噴射させると、その悪臭を放つガスに怯んだ甕島佳子に悪魔の水瓶はその手に持つ大木槌を勢いよくその頭に叩き付け様とする。
「あ、佳子さん、危ない! 上です、上から攻撃が来ます。逃げろ、逃げるんだ!」
甕島佳子の身を案じ思わず叫んだ勘太郎だったが、そんな危機的な状況を理解しているのか、甕島佳子は目の前で大木槌を振り上げる悪魔の水瓶の眼前に顔を近づけると何かを悪魔の水瓶に向けてひそひそと話しかける。
な、なんだ。彼女は一体、あの悪魔の水瓶に向けて何を話しているんだ?
そんな疑問を少し離れた所で見ていた勘太郎が抱いていると、甕島佳子を叩き殺そうとしていた悪魔の水瓶の体が動揺のせいか大きく揺れ、その体はガタガタと小刻みに震え出す。
な、なんだ……悪魔の水瓶の体が突然大きく震えだしたぞ。あの甕島佳子の謎のひそひそ話の言葉を聞いてから明らかに様子が可笑しくなったぞ。物凄く取り乱し動揺している。一体甕島佳子はあの悪魔の水瓶に何を言ったんだ?
その疑問に答えるかの様に悪魔の水瓶は「ひゅぅぅー、ひゅぅぅー」とマスク越しに荒い息を吐きながら上の階の五階へと逃げ戻って行く。
「あ、悪魔の水瓶が逃げるぞ。くそー逃がして溜まるかぁぁ! 」
勇ましく叫びながら走り出そうとする勘太郎の足を甕島佳子が声で制止する。
「待って下さい。今は逃げ去った水瓶人間よりも、今現在どこかに隠れていると思われる私の友人を見つける方が先です!」
「あの水瓶人間を直に捕まえた方が早いだろう!」
甕島佳子が発した制止の言葉も聞かずに五階に通ずるエスカレーターを駆け上った勘太郎だったが、勘太郎が近づくが否や目の前で大きな金網式のシャッターがまた突如絞められ、更にはトドメとばかりにすかさず鍵まで掛けられる。
「くそー金網式のシャッターが開かない。また五階へと続くエスカレーターの通路が封鎖されたのか」
金網にしがみつきながら残念がる勘太郎に、後ろから追ってきた木戸警備員が何やら不思議そうに勘太郎に聞く。
「探偵さん、あの時あんた、悪魔の水瓶の持つ大木槌の長い柄の先端を腹部に受けてかなり吹っ飛んだ様に見えたんだが、お腹は大丈夫なんですか?」
その木戸警備員の疑問に勘太郎は着ている黒いワイシャツのボタンを全部はずしながら堂々と見せる。
「ああ、大丈夫だ。答えはこれだ!」
ワイシャツのボタンを全て外した勘太郎の腹部には、ガムテープでぐるぐる巻きに巻かれたそれなりに厚みのある週間少年誌の雑誌がズッシリとくくりつけられていた。
この少年誌の雑誌をお腹にくくりつけていた事によって勘太郎は最悪の大怪我を免れたのだ。
「佳子さん、足下に気をつけて俺に付いてきて下さい。木戸警備員は彼女の後ろをお願いします」
「ええ、分かりました。後ろは任せて下さい!」
「すいません。何だか私のわがままでお二人に無茶な負担を掛けさせる形になってしまって。でも、どうしても自分の足で、友人や水瓶人間に捉えられている子供を助けたいんです」
時刻は十六時十五分。
勘太郎・甕島佳子・木戸警備員の三人は社員専用の階段の鍵を使い、ベットや椅子と言った生活家具の製品が並ぶ四階フロアーを警戒しながら歩く。
各スペースには自転車を売る為の自転車屋や日用大工に使う道具を売る日用雑貨の店が転々と並び。百均の様に日用雑貨を売る店がかなりの面積を支配する。そんな誰一人として人の気配がしない四階のフロアー内を見て回りながら勘太郎は今現在四階フロアーにいる人員についてを考える。
甕島佳子を連れながら四階に上がる事を決断した勘太郎に対し、もうあんな殺人鬼とは会いたくは無いと言い出した梅塚幸子が三階の機材倉庫に閉じ込められている緑川章子を見張ると言いだし。その提案に乗るかのように関根孝が、自分も西条貴文社長を見つけることが出来たのでこれ以上は上には行けないと三階フロアーに残る事を決断する。そして最後に残った長瀬警備員はそんな三人を守る為にボディーガードとして共に残ると言い出したのだ。
まあ、こうなることは大体は分かってはいたが一番の意外な事は、あの羊野が突然四階ではなく緑川章子が襲われたという一階でいろいろと調べ物をして来ると言い出した事だ。つまりは別行動をすると言い出したのである。
勘太郎はそんな羊野の考えに文句を言いながらも彼女の一時的な離脱を許す事にした。毎度の事ながら羊野が別行動をする時はきっと何か考えがあるからだと想像ができるからだ。
勘太郎は一人だけ付いてきてくれた木戸警備員に感謝をしながら、後ろを歩く甕島佳子にあることを話し掛ける。
「それで、佳子さんのそのご友人は一体どんな人なのですか。名前や性別、職業やあなたとの関係性を教えて下さい」
「彼女の名は水谷里子。五階フロアーにある竹内書房という本屋さんで働いているバイトの従業員です。以前このデパート内の大きさと構造が知りたくて杖で確認しながらデパート内を隈無く歩き回っていた時があったんですが、その時にその水谷里子さんが色々とこのデパート内の事を手取り足取り教えてくれたのでそれ以来の仲です。そんな親切で優しい彼女からの助けの電話と子供の命の危機の話が私の携帯電話に掛かって来ましたから、私はいても立ってもいられずこうして出て来たと言う訳です。恐らくは警察にも当然電話は掛けたと思いますが、直ぐには救出にこれないことを知った彼女が、独断で私に助けを求めて来たのでしょうね。私なら何とか出来るとそう彼女は思ったのかも知れませんね」
「佳子さんなら何とか出来る……ですか。いや言っている意味がよく分からないのですが。失礼ながら佳子さんは目が不自由ですし、このデパート内の中では自由に動けないでしょうから、もしもあの水瓶人間と遭遇したら生きては戻れないでしょう」
「フフフ、そうでも有りませんよ。このデパート内の構造は今まで散々歩き回りましたから頭の中に全て入っていますし、その水瓶人間とかいう殺人鬼が現れても私、負けませんから」
「いや、負けませんって言っても、精神論で何とかなる事でもありませんので、ここは俺に従って下さい」
「はい、勿論頼りにしていますよ。黒鉄の探偵さん。もしもその水瓶人間が現れた時は私を守って下さいね」
そう言うと甕島佳子は勘太郎に向けて可愛らしく頭を下げる。そんな彼女の大人の魅力に翻弄されながらも勘太郎は再度聞き返す。
「それで、その水谷里子さんは本当にこの四階に逃げてきていると言っていたのですか?」
「はい、五階は流石に危険だと感じた水谷さんは五階を徘徊している水瓶人間の隙を突いて、どうにかして四階に逃げ込むと言っていましたわ」
「四階にですか。でも彼女もアルバイトとはいえ従業員なら、社員専用の階段の鍵を持っているのではありませんか。ならなぜ隙を突いて一気に貴方がいる地下一階まで逃げてこなかったのでしょうね。その方が絶対に安全かも知れないのに」
「つい先ほどまで、地下一階の扉は内側から何かで固定されていてびくともしませんでしたから、もしも階段を下っている途中で水瓶人間に見つかって地下一階の扉を開けることが出来なかったら一巻の終わりですからね。なら無理なく一段一段隠れながら下って、助けを待っていた方がむしろ安全かも知れないと思いましたので、彼女には四階で待機しておくようにと私がそう言ってあります」
「そうですか。ならこの四階フロアーの何処かにその水谷里子さんと言うバイトの女性が隠れているかも知れませんね。向こうから我々の存在に気付いてくれるといいのですが、何処かに隠れているのならこちらから見つける以外に道はありませんね。因みにあれ以来その水谷さんには電話は繋がってはいないのですか?」
「はい、繋がってはいません。恐らくは私からの折返しの電話の着信音で水瓶人間に居場所を知られたくはないと思った彼女が行為にスマホの電源を切っているのかも知れませんね」
「ならメールやラインのの方はどうですか。勿論あなたもやっているのですよね」
「私……目が見えませんから」
「あ、すいません。なんだか意外と普通に廊下を歩いている見たいですから、つい忘れてしまいました」
そう言いながら勘太郎は、思わず苦笑いをする甕島佳子に素直に頭を下げる。
そんな二人の会話を聞きながら、一番後ろを歩く背の高い男が勘太郎に話しかける。
「それで、この後はどうするんだ? この四階フロアーに来ているかどうかもよく分からないその女性を探すのかい。もし大きな声を上げて呼びかけながらこの四階のフロアー内を移動すれば、あの水瓶人間に見つかるかも知れない。しかもこちらにはあの恐ろしい程に強い、あの羊の姉ちゃんがいないんだから、もし今度もあの水瓶人間と再び対峙する事になったら俺達も生きては帰れないかも知れない。そうなる前に四階のフロアー内を少し探してもしその女性が見つからなかったら、直ぐに五階フロアーへと移動する事にしましょう。俺はその捕らわれているという男のお子さんを何としてでも助けたいので……」
そう言い出したのは一番後ろを歩いていた木戸警備員である。そんな複雑な心境を告げる木戸警備員に勘太郎が彼への疑問を聞く。
「木戸さん、どうしてあなたは俺達に付いて来てくれたのですか。あのままみんなと一緒に三階フロアで待っていてもよかったのに」
「あんたらを二人だけで上に行かせる訳には流石に行かないだろう。長瀬警備員があの緑川章子さんを見張ると言い出したんだから、俺はあんたらについて行く以外はないだろう。あんたらについて行かないと、後でここの警備員はお客さんを見捨てたとか言いがかりを付けられるかも知れないからな」
そこまで木戸警備員が話した時、五階に繋がる金網式のシャッターが開閉され上へと上がり。そのエスカレーターの下りの流れに乗るかのように、大きな水瓶を頭から被った悪魔の水瓶がゆっくりと勘太郎達の目の前に下って来る。
堂々とその姿を現した悪魔の水瓶は両手に持った大木槌を上段に振り上げながらその人数を確認する素振りを見せる。
「な、なに……水瓶人間だと。堂々と俺達の元に出てきやがった。もしかしたら俺達の不意を突いてどこからか行き成り現れるかもと思っていたんだが、まさか正面から現れるとはな。まさか俺達が三人しかいない事を知っていて、敢えて出て来たのか……?」
そんな木戸警備員の素朴な疑問に勘太郎が緊張をした面持ちで答える。
「いいや違うな。もしかしたら誰かから彼らは三人しかいない……と言う情報が水瓶人間に流れていたのかも知れない。出なければもっと回りを警戒していてもおかしくはないからな。うちの羊人間にあれだけ追い詰められた後に羊野を特に警戒もせずに堂々と現れたのが何よりの証拠だぜ。あいつは事前に羊野がこの四階フロアーに来てはいないことを知っていたんだ」
そう説明した勘太郎は右腕に切り傷を負っているはずの悪魔の水瓶の右腕を目測で確認する。
目の前にゆっくりと迫る悪魔の水瓶の右腕のレインコートの袖の部分はパックリと切れ、その傷口は貼り薬か何かで傷口から血が出ないようにと即席の応急処置を施している様だ。その証拠にその悪魔の水瓶の右腕からは血は一滴も地面にたれ落ちてはいない様だ。つまりこの水瓶人間が勘太郎の目の前に現れた事によって、緑川章子が水瓶人間に襲われたと言っていた証言が成立したと言う事になる。勘太郎は後ろにいる二人に下がれと合図を送りながら、悪魔の水瓶の注意を自分へと向けさせる。
「ついさっき俺達と抗戦して自分から敗走したばかりだと言うのに、まさか自分から俺達の前に現れるとはな。中々にやる気満々と言った感じかな。それとも羊野がこのフロアーにいないことをどこからか聞いたから、今なら俺達を殺せると思ってわざわざ四階まで降りて来たのかな。だとしたら随分と俺も舐められた物だぜ。円卓の星座の狂人・悪魔の水瓶。上へと連れ去った軋《きしみ》おさむ部長やまだ小さな男の子の子供は返して貰うぞ。一体どこに人質達を隠したんだ。お前を雇った闇の依頼人は一体誰だ! お前にはその全てを吐いて貰うぞ!」
その勘太郎の緊縛した威嚇に悪魔の水瓶は「ポポポポーッ、ポポポポーッ」と言いながら攻撃するタイミングを頻りに計っている様だったが、覚悟を決めると行き成りもう突進で走り出し、その手に持つ大木槌の一撃を勘太郎の頭部に目がけて振り下ろす。
く、来る。見極めて避けなけねば!
その大振りのモーションから繰り出される渾身の一撃を寸前の所で何とか交わした勘太郎は、空を切りながら床へと叩きつけられる大木槌の音を聞くのと同時にすかさず悪魔の水瓶の背中にタックルをかまそうと飛び掛かるが、大木槌の長い柄の先端部分で強烈な突きの一撃を腹部に受けてしまう。
強力な一撃をまともに貰ってしまった勘太郎は後ろへと豪快に吹き飛ばされ、後ろの棚に陳列してある二リットル入りの木工製品のペンキ缶が床へと豪快に散らばる。
バキン! ガラガラ……ゴロン! カラン、ガラン、コロン!
「黒鉄の探偵さん、大丈夫ですか。無事なら返事をして下さい!」
まともに攻撃をくらい吹き飛ばされた勘太郎の姿を見てしまった木戸警備員は声かけで勘太郎の無事を確認しようとしたが、床へと倒れている勘太郎からは何の反応もない様だ。どうやら気絶をしているか、或いはそのまま絶命してしまったのかも知れない。あまりの出来事にそう考えてしまった木戸警備員は、大木槌を構えながら迫り来る悪魔の水瓶の恐怖に思わず尻餅をつき、錯乱状態になる。
「やめろ、やめてくれ! 来るな。こっちに来るんじゃねえ! この化け物が!」
闇雲に持っている警棒を振り回す木戸警備員だったが、その警棒も悪魔の水瓶の一撃でどこか遠くへと吹き飛ばされる。
「ああぁぁ、俺の警棒が!」
丸腰となり警棒を失った事で絶望した木戸警備員は両手を前に突き出しながら悪魔の水瓶に命乞いをする。その情けない行為に悪魔の水瓶は一瞬攻撃を躊躇しているようにも感じられたが、直ぐに大木槌の柄の部分を強く握り締めると頭上に構えながらその大木槌を豪快に振り下ろそうと力を込める。
「わああああぁぁーやめろぉぉぉ! やめてくれぇぇ!」
木戸警備員の頭部に目がけて振り下ろそうとした悪魔の水瓶の背中に何か硬い物がぶつかり、悪魔の水瓶は思わずその何かが降ってきたその先をまるで食い入るように見つめる。その先にいたのは片手に収まるほどのペンキの缶を持った黒鉄勘太郎だった。勘太郎は周りの床に落ちている便器用の缶を足で集めながら、手に持ったペンキの缶を悪魔の水瓶に向けて投げ付ける。
「これでもくらえ!」
その投げつけたペンキの缶はそれなりに重い為まともに当たったら打ち身の怪我くらいはすると思われるが、そんな勘太郎が投げるペンキ缶を悪魔の水瓶がまるで迎え撃つかのように悉く叩き落とす。
ガシャン! バキン! ガラン! ゴロン! ガタン!
「あ、もう手元に投げつけるペンキ缶がない!」
自分の周りにある全てのペンキ缶を投げきってしまった勘太郎は、勝ち誇りながら歩いてこようとする悪魔の水瓶の殺意に怖じけづき、つい後ろへと下がってしまうが、そんな悪魔の水瓶の背後に音も無く近づくある人物に後ろを取られる。
「すいません、水瓶人間さん……ちょっと失礼しますね」
そう和やかに挨拶をすると甕島佳子は、悪魔の水瓶が背負う大きなリュックサックに手を掛けながら勢いよくそのリュックサックを後ろへと引っ張って見せる。
その勢いは凄まじく、あの重そうな武装をした悪魔の水瓶の体はまるで人形のように大きく後ろへと豪快に吹き飛ぶ。
な、なんだ、一体どうなっているんだ。あの悪魔の水瓶が豪快に吹っ飛んだぞ。一体彼女は何をしたんだ? あの悪魔の水瓶が何の抵抗も示すこと無く簡単になぎ倒されたのか。つまり……あの甕島佳子の踏ん張る脚力とそれに耐えうる強靱な腕力があの悪魔の水瓶を軽々と投げ飛ばせるくらいに極端に強いと言う事なのか。彼女はただのか弱い盲目の女性では無いと言う事か。
甕島佳子の思わぬ強さに呆気に取られる勘太郎と木戸警備員の眼差しを受けながら、甕島佳子は杖を突きながら静かに悪魔の水瓶に近づく。そんな甕島佳子に悪魔の水瓶は苦し紛れに手に持つ大木槌を再び振り上げようとするが、その大木槌の動きをその片足で完全に止めた甕島佳子は大木槌の長い柄の部分を足で踏んづけながら悪魔の水瓶にその冷徹な顔を向ける。
目が見えない分だけその微かな微妙な音には敏感なのだろう。甕島佳子は悪魔の水瓶が鳴らす微かな体の動きの音を聞き分けながら、殺人鬼の動きを完全に封じる。だがそんな甕島佳子に悪魔の水瓶は奥の手とばかりに腰の部分に設置してあるノズルから汚染水の混じった液体ガスを噴射させると、その悪臭を放つガスに怯んだ甕島佳子に悪魔の水瓶はその手に持つ大木槌を勢いよくその頭に叩き付け様とする。
「あ、佳子さん、危ない! 上です、上から攻撃が来ます。逃げろ、逃げるんだ!」
甕島佳子の身を案じ思わず叫んだ勘太郎だったが、そんな危機的な状況を理解しているのか、甕島佳子は目の前で大木槌を振り上げる悪魔の水瓶の眼前に顔を近づけると何かを悪魔の水瓶に向けてひそひそと話しかける。
な、なんだ。彼女は一体、あの悪魔の水瓶に向けて何を話しているんだ?
そんな疑問を少し離れた所で見ていた勘太郎が抱いていると、甕島佳子を叩き殺そうとしていた悪魔の水瓶の体が動揺のせいか大きく揺れ、その体はガタガタと小刻みに震え出す。
な、なんだ……悪魔の水瓶の体が突然大きく震えだしたぞ。あの甕島佳子の謎のひそひそ話の言葉を聞いてから明らかに様子が可笑しくなったぞ。物凄く取り乱し動揺している。一体甕島佳子はあの悪魔の水瓶に何を言ったんだ?
その疑問に答えるかの様に悪魔の水瓶は「ひゅぅぅー、ひゅぅぅー」とマスク越しに荒い息を吐きながら上の階の五階へと逃げ戻って行く。
「あ、悪魔の水瓶が逃げるぞ。くそー逃がして溜まるかぁぁ! 」
勇ましく叫びながら走り出そうとする勘太郎の足を甕島佳子が声で制止する。
「待って下さい。今は逃げ去った水瓶人間よりも、今現在どこかに隠れていると思われる私の友人を見つける方が先です!」
「あの水瓶人間を直に捕まえた方が早いだろう!」
甕島佳子が発した制止の言葉も聞かずに五階に通ずるエスカレーターを駆け上った勘太郎だったが、勘太郎が近づくが否や目の前で大きな金網式のシャッターがまた突如絞められ、更にはトドメとばかりにすかさず鍵まで掛けられる。
「くそー金網式のシャッターが開かない。また五階へと続くエスカレーターの通路が封鎖されたのか」
金網にしがみつきながら残念がる勘太郎に、後ろから追ってきた木戸警備員が何やら不思議そうに勘太郎に聞く。
「探偵さん、あの時あんた、悪魔の水瓶の持つ大木槌の長い柄の先端を腹部に受けてかなり吹っ飛んだ様に見えたんだが、お腹は大丈夫なんですか?」
その木戸警備員の疑問に勘太郎は着ている黒いワイシャツのボタンを全部はずしながら堂々と見せる。
「ああ、大丈夫だ。答えはこれだ!」
ワイシャツのボタンを全て外した勘太郎の腹部には、ガムテープでぐるぐる巻きに巻かれたそれなりに厚みのある週間少年誌の雑誌がズッシリとくくりつけられていた。
この少年誌の雑誌をお腹にくくりつけていた事によって勘太郎は最悪の大怪我を免れたのだ。
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