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第五章 『喰人魔獣』 東京内で襲う正体不明の魔獣が人々を恐怖のどん底に突き落とす。黒いライオンを操る狂人・暴食の獅子との推理対決です!
5-11.現場に残されていた新たな遺体
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十月十三日、曇り。
狂人ゲームが開始されてから三日目の朝の七時三十分。
昨夜、またしても現れた黒いライオンを見事に取り逃がしてしまった西園寺長友警部補佐が率いる警視庁捜査一課・殺人班の刑事達の面々は非常に落胆しながらも黒いライオンのいた痕跡を探るために証拠となる物をただひたすらに探していた。そんな夜が明けた光が丘公園の敷地が広がる林の中でその黒いライオンと飼い主に繋がる証拠を必死で探していた羊野瞑子と赤城文子刑事は、今から三十分前に一人の捜査員がある物を発見してしまった事で二人は急遽その場所へと向かうことになる。
何故なら普段なら絶対に人が立ち寄らないような林の中に、獣により食い破られた二つの人の死体が見つかったからだ。
耳沢仁刑事はハンターの石田淳二と林家三太の二人の意見を聞きながらあの昨夜に現れた黒いライオンがその後は一体何処に逃げたのかを話し合い、そしてその予測がされる行動を長年のハンターとしての観点からシミュレーションをする。
そんな慌ただしくも痛ましい男女の死体が転がる現場に約二十分くらい前から来ていろいろと調べていた西園寺長友警部補佐が、羊野瞑子を連れて来た赤城文子刑事を見ながら大きく溜息をつく。
「はあ~赤城文子刑事、まだそんな奴と一緒に行動をしていたのかよ。早くそいつもこの事件の捜査から追い出してしまえよ」
「何を言っているんですか。この事件に羊野さんは必要不可欠なはずです。それに黒鉄勘太郎だって直ぐにこの事件の捜査に復帰しますので妙な嫌がらせはもうやめて下さい」
「そんな奴らがこの事件に関わったって捜査の邪魔になるだけだ。むしろいない方がやりやすいぜ」
「それは西園寺長友警部補佐、あなたが決める事ではありませんよ。あくまでも私達警察は白い羊と黒鉄の探偵のサポートに回ると言うのが、この命令を出した上層部の人達の考えですから、私はただその上からの命令に従うだけですわ。ですので西園寺長友警部補佐もその命令には絶対に従って下さい」
「ふん、そんな命令はくそ食らえだぜ。俺は俺独自の判断であの暴食の獅子が操る黒いライオンこと喰人魔獣の後を追うぜ。白い羊と黒鉄の探偵などと言うふざけた連中はもう必要ない。この黒いライオンを使った獣による殺人事件は、警視庁捜査一課・殺人班のリーダーでもあるこの俺が必ず解決してみせるぜ」
「まだそんな事を……いい加減に捜査の輪を乱すのはやめて下さい」
「赤城文子刑事、お前が言う捜査の輪とはあの白い羊と黒鉄の探偵の捜査の邪魔はするなと言う意味か」
「はい、そう言う事です。黒鉄探偵事務所の人達に私達警察が陰ながらも全面的に協力するのは、上からの絶対的な命令があってこそですからね」
「ふん、そんな命令は俺はよくは知らんな」
「西園寺刑事……」
そんな問答を繰り広げている赤城文子刑事と西園寺長友警部補佐を余所に、もう既に二つの死体の傍でしゃがみ込みながらその食われた体の損傷具合を見ている羊野が被ってある白い羊のマスクを向けながら静かに口を開く。
「ふ、いつまでそんな下らない事を言っているつもりなんですか。相変わらずプライドだけがやたらとでかくて、人としての器の方はミジンコのように小さな男ですわね」
「な、なんだとう、白い羊……お前!」
「そんな下らない話よりです。この二つの遺体の事について教えて下さいな。もう身元は分かっているのですよね?」
「ああ、その男性の死体の方は澤田泰則(30歳)。そして隣にいる女性の死体は田辺聖子(29歳)の二人である事がわかった。二人はどうやら付き合っていて、両方の家族の話では一週間くらい前から二人は行方不明になっていてもう既に捜索願が出ていたらしいから、直ぐに身元が分かったんだよ」
「そうですか……一週間くらい前からこの二人は行方不明だったんですか。でもこの二つの遺体……恐らくはこの光が丘公園の中で食い殺された死体ではありませんね。何処か別の所で食い殺されてからここまで意図的に運ばれてきたという可能性の方が大きいようですね。そうでないとこの二つの遺体は可笑しいですからね」
「一体何が可笑しいと言うんだ。確かに死亡推定時刻は昨日今日の物ではないと言う事はわかるが、この二つの死体はいずれも首の頸動脈と腹部の臓器を食い破られての出血多量と出血性ショック死での死亡と言う事はもう既に分かっている。その証拠に周りにはこの死体となった男女の二人の夥しい程の血の跡と人の贓物の一部が残されていたからな。その事からも考えてあの黒いライオンに二人が食い殺されたのはこの現場でまず間違いはないと思われるのだが……白い羊、何故お前はこんなにも大量の血と食い散らかされた死体が二体もこの現場に残されているにも関わらず、この被害者の男女はこの場所で殺されてはいないと思うんだ?」
「はあ、西園寺長友警部補佐、あなたのチームには鑑識の方はいないのですか。そんなのはこの現場の土塊の地面に残されている靴の跡を見れば分かりますわ」
「地面に残されている靴の跡だと……そんな物があるのか。それを調べるのはいつもは俺達捜査一課ではなく鑑識の奴らの仕事だからな。今目の前にある二つの死体と夥しい血の量に圧倒されて地面に残されている足跡のことには気付かなかったよ」
「もうしっかりして下さいな。いつも鑑識の方々に現場を調べるのを丸投げしているからこんな大事な証拠を見逃してしまうのですよ。て言うか現場に入ったら先ずは一番に調べなくてはならない初歩的な事ですよね」
「うるさいな、だからそれは俺達捜査一課殺人班の仕事ではなく鑑識の仕事だと言っているだろう。いつもは鑑識が現場を調べて、その結果の報告を俺達捜査一課に届けるのが普通なんだよ。普段は役割分担が完全に違っているんだから俺達捜査一課が見逃してしまっても仕方がない事だろう」
「でも今のこの場にはその肝心の鑑識さんが一人もいないのですから、そこは優秀なエリート集団でもある警視庁捜査一課殺人班の刑事さん達が一丸となって鑑識のお仕事も率先してやる物ではないのですか。よくそれで捜査一課・殺人班の刑事達だけで事件を解決するとかほざきましたね。その程度の基本的な事も思いつかずに現場を見ていたのですか。だとしたらちゃんちゃら可笑しいですね」
「うるさい、うるさい、今から改めて現場を再度調べようとしていた所だったんだよ。物事には順序と言う物があるだろう。刑事達の人数だって限られているんだからたまたま見落としがあっても仕方がない事だろう。お前がたまたま犯人らしき靴の後を俺達よりも先に発見したからって人の揚げ足を取ってんじゃねえよ」
「ふ~う、まあいいでしょう。こんな不毛な問答で時間を取るのも時間の無駄ですからね。では何故この二つの死体がおかしいのかを簡単に説明しますね。まず死体の周りに残されている夥しい血の跡の事です。この夥しい大量の血の量を使ってこの現場であの黒いライオンに襲われたと言う事実を作り上げる為にはあの死体の男女にはこの光が丘公園の中で死んで貰わないといけないと言う事です」
「この光が丘公園の中で死んで貰わないと困るだとう。なら本当はこの二人の男女はこの光が丘公園の中で食い殺された訳ではないと言う事か」
「はい、私はそう考えます。恐らく靴跡を残したと思われるこの犯人は、ここではない何処かでこの男女の二人をライオンに食わせて。その後に死亡した男女の死体をその日のうちにこの公園の林の中に運んで来た物と思われます。その証拠にその人物が残したと思われる足跡がこの周りの至る所に幾つも見つかっていますからね。ですが恐らく指紋の方はこの犯人はしっかりと手袋をはめていたと思われますので、まず指紋は見つからないと思いますよ」
「そうか、指紋は見つからないか。でもその話が仮に本当なら、なんでこの犯人はそんな回りくどい事をしているんだ。あの黒いライオンに人を直接襲わせたらそれで済む事じゃないのか」
「それはあの黒いライオンは、人は絶対に襲わないからですわ」
「人は絶対に襲わないだって……お前は一体何を言っているんだ?」
「あの黒いライオンはあくまでも人に、黒いライオンがその場にいると思わせる為のただのお飾りに過ぎないからです」
「ただのお飾りだとう。あの黒いライオンがか?」
「はい、そう言う事です。私の考えでは恐らくあの暴食の獅子のアジトには本物のライオンが人知れず飼われていて、その檻の中でその二人の男女はライオンに襲われて死亡したのではないでしょうか。そしてそのライオンにその男女を食わせる前に予めその体から献血の要領でその血を抜き取り保存しておいた血を使って、この光が丘公園に運び入れた男女の死体の食い破られた腹部の中にその抜き取った血を再度入れて宛もこの光が丘公園の中で食い殺されたようにその現場を作り上げたのではないでしょうか。そしてその食い破られた死体の腹部の中に流し込んだ血のりが地面へと流れて、その血が染み込んだ地面の上に犯人が知らず知らずの内に踏みつけたと思われる足跡が残されているみたいなので、少なくともこの犯人はその靴底に血のついた足でこの現場を後にしたのだと思いますよ。その血が固まって出来たら靴底の模様がくっきりと残されていますからね」
「と言う事はつまり、その犯人の靴の裏をルミノール反応で探せば靴底についた血液から犯人を特定する事が出来るかも知れないと言う事か」
「ええ、例え靴底についた血を綺麗に洗っても一度血が付いた物は絶対に隠しきれませんからね。ですが、その靴その物自体を捨てられたら流石にお終いですけどね」
「まあ、確かにな」
「そしてその犯人と思われる靴の足跡と同じように、地面に残されているライオンらしき物の足の跡と糞尿の跡、そして体毛の抜け毛も見つかってはいますが、それらの証拠が昨夜に現れたあの黒いライオンの物かどうかはまだなんとも言えない段階だと思いますよ」
「あんなにも分かりやすい証拠が幾つもこの現場に転がっているのに、まさかお前は違うというのか。この男女を食い殺した獣はあの黒いライオンの仕業に決まっているだろう!」
「確かにこの二人の男女を食い殺したのは肉食獣でもあるライオンの仕業である事は認めますわ。でもだからと言ってあの昨夜現れた黒いライオンの仕業とは限らないのではないでしょうか。私達は実際にその黒いライオンがその被害者達に喰らいつき食べている所をまだ見てはいないのですから」
「まあ、確かにな。あの黒いライオンの今までの不可解な行動から考えてお前がそう言う結論に至っているのは認めるが、だが実際に昨夜も俺達の目の前にあの黒いライオンが堂々と現れてその驚異の姿を見せつけているじゃないか。もしかして白い羊、お前はあの黒いライオンが実は真っ赤な偽物で、なにかの別の動物だとでも考えているのか」
「まだそうとは言ってはいませんが、あの黒いライオンには不自然な事が多すぎると言う事です。そしてその血のりがついた地面にその足跡を残した人物の事なのですが、この人物の靴の跡の大きさは約28センチである事が分かりましたわ。と言う事は恐らくはこの場を訪れた人物は男性である可能性が非常に高いと言う事です」
その羊野の言葉に赤城文子刑事が疑問の声を上げる。
「何故その靴のサイズの大きさだけでこの靴を履いている人物が男だと分かるの。大柄な女性という可能性だって小さいながらもあるでしょうに」
「その答えは簡単ですわ。恐らくこの犯人は夜にその二つの死体を車から降ろして、一体づつ犯人自らが肩車で担いで、この足場の悪い木々に囲まれた林の中を突き進んだ物と思われます。そしてその死体を運ぶと言う力作業を行える人物はそれなりにがたいの大きな力のある男性にしか出来ないと言う事です。この死体の澤田さんという男性の重さは恐らくは60キロ。そして女性の田辺さんの重さは約40キロくらいはあると思われますから肩車の形で担いで車が停めてある道路から~死体が置かれた林の深い現場まで、約二回程往復したのだと思いますよ。全く、ご苦労様な事です」
「まあ、確かに、そう考えると女性には無理かも知れないわね」
「それにこの男女の死亡推定時刻の事ですが、この二つの死体は昨日今日の時間に犯人の手により運ばれた物ではありませんよね。死体の損傷具合と死斑の後からして、この男女の二人の死亡推定時刻は恐らくは一昨日の夜の二十二時から~二十四時の二時間の間くらいと言った所でしょうか。つまりこの二人の男女は一週間くらい前に何らかの理由で犯人である暴食の獅子に捕まりそして誘拐され、その後は犯人のアジトに四日間ほど監禁された後に、その犯人が飼っていると思われるライオンに襲われて死亡した物と思われますわ。そして食い殺されて無残な屍と化したその二人の死体をこの犯人はご丁寧にもこの光が丘公園内の普段はまず人は絶対に立ち入らない草木が覆う林の中へと人知れずに運んだ。とまあ、そう考えるのが普通でしょうね」
「つまりこの男女の死体は一昨日から犯人の手によりず~とこの場に放置されていたと言う事かしら」
「はい、そう言う事です。狂人・暴食の獅子の考えでは、あの黒いライオンが一昨日の夜にその男女を襲い、その後はこの光が丘公園の林の中を徘徊している所を昨夜に私達に発見させて、その殺しの犯行の全てをあの黒いライオンの仕業のように思わせたかったみたいですが、私はあの黒いライオンが被害者達を襲った実行犯だとは信じませんからね。これには必ず何か裏があるはずです」
「いや、裏も何も、あの黒いライオンも、そしてそのライオンが残したと思われる物的証拠も全てがみんなそろっているじゃないか。あの黒いライオンは実際に俺達の目の前に現れてその存在をアピールしているんだから、あの黒いライオンが被害者達を食い殺した犯人に決まっているだろうが。あの暴食の獅子とか言う犯人はその魔獣の手助けをしているだけのただの飼い主に過ぎないはずだ。まあ、一体どうやってあの黒いライオンを堂々と野外に放して操っているのかは流石にしらんが、海外にはライオンの調教師がいる位だからかなり可能性は低いが決して不可能ではないはずだ」
そう言いながら西園寺長友警部補佐は話の途中で更に深刻な顔をする。
「ただし……あのライフル銃の弾丸が効かない謎だけは今も一向に理解が出来ない摩訶不思議な謎だがな」
「ライフル銃の弾丸が効かない不死身の魔獣ですか。確かにあの不死身の謎だけは未だに分かりませんからね。なぜあの黒いライオンにはライフル銃の弾丸が効かないのでしょうか。不思議でなりませんわ。そんな訳で、ライフルを持つ耳沢仁刑事とハンターの石田淳二さんと同じくハンターの林家三太さんの三人のライフル銃とその弾丸を調べさせて貰ってもよろしいでしょうか」
「お、お前、どさくさ紛れに耳沢仁刑事を疑うのかよ。言っておくが俺が指揮する捜査一課・殺人班の刑事達の中に裏切り者は一人もいないぜ。それにあのハンターの二人だって同じ事だ。あの二人のハンターの石田淳二さんと林家三太さんは皆それぞれ3・4年前からあの黒いライオンを追っていて、あの暴食の獅子とは因縁の深い二人なんだぞ。石田淳二さんは同じハンター仲間でもあった親友を失い。あの林家三太さんに至っては自分の恋人をあの黒いライオンに食い殺されている。勿論俺の部下でもあるあの耳沢仁刑事だってそうだ。そんな深い経緯を持っているあの三人を疑うだなんてお前はどうかしているぞ。いいや、お前は最初からどうかしているんだったな」
「身内を信じるのは勝手ですが、その疑う可能性が少しでもあると思ったら先ずはその疑いを晴らすためにもこの事件に関わりのある人達を先に調べるのは鉄則だと思いますがね。相変わらず西園寺長友警部補佐は爪が甘いですわね」
「うるさい、心に血が全く通ってはいない、人の皮を被った羊の化け物なんかにだけは言われたくは無いわ!」
「ほほほほ、特に否定はしませんわ。私はこの狂人ゲームに勝つ為だったら、その手段は特に選びませんからね。でもこれだけは覚えておいて下さい。耳沢仁刑事・石田淳二さんと林家三太さんも聞いて下さい」
その羊野の言葉に、周りにいた捜査一課・殺人班の刑事達だけではなく、耳沢仁刑事と一緒にいた二人のハンターの石田淳二と林家三太が羊野の言葉に注目をする。
「もしも黒鉄勘太郎さんの身に何かがあったらその時は、赤の他人でもある一般人の命はもちろんの事、この狂人ゲームの勝敗を捨ててでも黒鉄さんの命を優先しますので、その時はその事をお忘れ無く」
その羊野の言葉に全くの偽りが無い事に耳沢仁刑事・石田淳二・林家三太の三人はその狂気にも似た彼女の独特の雰囲気から既に理解をしたようだ。
この羊野瞑子と言う女性は、もしも黒鉄勘太郎の身に危険が迫った時はその全てを捨ててでも黒鉄勘太郎の身の安全を第一に優先する、そんな危険な女性なのだと。
そんな印象を強く抱いた三人の顔を一人ずつ見つめながら、羊野は白い羊のマスクから見える赤い眼光をギラギラと光らせる。その光景は何だか不気味で、その場の雰囲気を緊迫というオーラで威圧しているかのようだ。
そんな謎の威圧をし続ける羊野の放つ緊迫を打ち破るかのように捜査一課・特殊班の山田鈴音刑事が大きなビニール袋を重そうに抱えながら西園寺長友警部補佐の前に現れる。
十月十三日、曇り。
狂人ゲームが開始されてから三日目の朝の七時三十分。
昨夜、またしても現れた黒いライオンを見事に取り逃がしてしまった西園寺長友警部補佐が率いる警視庁捜査一課・殺人班の刑事達の面々は非常に落胆しながらも黒いライオンのいた痕跡を探るために証拠となる物をただひたすらに探していた。そんな夜が明けた光が丘公園の敷地が広がる林の中でその黒いライオンと飼い主に繋がる証拠を必死で探していた羊野瞑子と赤城文子刑事は、今から三十分前に一人の捜査員がある物を発見してしまった事で二人は急遽その場所へと向かうことになる。
何故なら普段なら絶対に人が立ち寄らないような林の中に、獣により食い破られた二つの人の死体が見つかったからだ。
耳沢仁刑事はハンターの石田淳二と林家三太の二人の意見を聞きながらあの昨夜に現れた黒いライオンがその後は一体何処に逃げたのかを話し合い、そしてその予測がされる行動を長年のハンターとしての観点からシミュレーションをする。
そんな慌ただしくも痛ましい男女の死体が転がる現場に約二十分くらい前から来ていろいろと調べていた西園寺長友警部補佐が、羊野瞑子を連れて来た赤城文子刑事を見ながら大きく溜息をつく。
「はあ~赤城文子刑事、まだそんな奴と一緒に行動をしていたのかよ。早くそいつもこの事件の捜査から追い出してしまえよ」
「何を言っているんですか。この事件に羊野さんは必要不可欠なはずです。それに黒鉄勘太郎だって直ぐにこの事件の捜査に復帰しますので妙な嫌がらせはもうやめて下さい」
「そんな奴らがこの事件に関わったって捜査の邪魔になるだけだ。むしろいない方がやりやすいぜ」
「それは西園寺長友警部補佐、あなたが決める事ではありませんよ。あくまでも私達警察は白い羊と黒鉄の探偵のサポートに回ると言うのが、この命令を出した上層部の人達の考えですから、私はただその上からの命令に従うだけですわ。ですので西園寺長友警部補佐もその命令には絶対に従って下さい」
「ふん、そんな命令はくそ食らえだぜ。俺は俺独自の判断であの暴食の獅子が操る黒いライオンこと喰人魔獣の後を追うぜ。白い羊と黒鉄の探偵などと言うふざけた連中はもう必要ない。この黒いライオンを使った獣による殺人事件は、警視庁捜査一課・殺人班のリーダーでもあるこの俺が必ず解決してみせるぜ」
「まだそんな事を……いい加減に捜査の輪を乱すのはやめて下さい」
「赤城文子刑事、お前が言う捜査の輪とはあの白い羊と黒鉄の探偵の捜査の邪魔はするなと言う意味か」
「はい、そう言う事です。黒鉄探偵事務所の人達に私達警察が陰ながらも全面的に協力するのは、上からの絶対的な命令があってこそですからね」
「ふん、そんな命令は俺はよくは知らんな」
「西園寺刑事……」
そんな問答を繰り広げている赤城文子刑事と西園寺長友警部補佐を余所に、もう既に二つの死体の傍でしゃがみ込みながらその食われた体の損傷具合を見ている羊野が被ってある白い羊のマスクを向けながら静かに口を開く。
「ふ、いつまでそんな下らない事を言っているつもりなんですか。相変わらずプライドだけがやたらとでかくて、人としての器の方はミジンコのように小さな男ですわね」
「な、なんだとう、白い羊……お前!」
「そんな下らない話よりです。この二つの遺体の事について教えて下さいな。もう身元は分かっているのですよね?」
「ああ、その男性の死体の方は澤田泰則(30歳)。そして隣にいる女性の死体は田辺聖子(29歳)の二人である事がわかった。二人はどうやら付き合っていて、両方の家族の話では一週間くらい前から二人は行方不明になっていてもう既に捜索願が出ていたらしいから、直ぐに身元が分かったんだよ」
「そうですか……一週間くらい前からこの二人は行方不明だったんですか。でもこの二つの遺体……恐らくはこの光が丘公園の中で食い殺された死体ではありませんね。何処か別の所で食い殺されてからここまで意図的に運ばれてきたという可能性の方が大きいようですね。そうでないとこの二つの遺体は可笑しいですからね」
「一体何が可笑しいと言うんだ。確かに死亡推定時刻は昨日今日の物ではないと言う事はわかるが、この二つの死体はいずれも首の頸動脈と腹部の臓器を食い破られての出血多量と出血性ショック死での死亡と言う事はもう既に分かっている。その証拠に周りにはこの死体となった男女の二人の夥しい程の血の跡と人の贓物の一部が残されていたからな。その事からも考えてあの黒いライオンに二人が食い殺されたのはこの現場でまず間違いはないと思われるのだが……白い羊、何故お前はこんなにも大量の血と食い散らかされた死体が二体もこの現場に残されているにも関わらず、この被害者の男女はこの場所で殺されてはいないと思うんだ?」
「はあ、西園寺長友警部補佐、あなたのチームには鑑識の方はいないのですか。そんなのはこの現場の土塊の地面に残されている靴の跡を見れば分かりますわ」
「地面に残されている靴の跡だと……そんな物があるのか。それを調べるのはいつもは俺達捜査一課ではなく鑑識の奴らの仕事だからな。今目の前にある二つの死体と夥しい血の量に圧倒されて地面に残されている足跡のことには気付かなかったよ」
「もうしっかりして下さいな。いつも鑑識の方々に現場を調べるのを丸投げしているからこんな大事な証拠を見逃してしまうのですよ。て言うか現場に入ったら先ずは一番に調べなくてはならない初歩的な事ですよね」
「うるさいな、だからそれは俺達捜査一課殺人班の仕事ではなく鑑識の仕事だと言っているだろう。いつもは鑑識が現場を調べて、その結果の報告を俺達捜査一課に届けるのが普通なんだよ。普段は役割分担が完全に違っているんだから俺達捜査一課が見逃してしまっても仕方がない事だろう」
「でも今のこの場にはその肝心の鑑識さんが一人もいないのですから、そこは優秀なエリート集団でもある警視庁捜査一課殺人班の刑事さん達が一丸となって鑑識のお仕事も率先してやる物ではないのですか。よくそれで捜査一課・殺人班の刑事達だけで事件を解決するとかほざきましたね。その程度の基本的な事も思いつかずに現場を見ていたのですか。だとしたらちゃんちゃら可笑しいですね」
「うるさい、うるさい、今から改めて現場を再度調べようとしていた所だったんだよ。物事には順序と言う物があるだろう。刑事達の人数だって限られているんだからたまたま見落としがあっても仕方がない事だろう。お前がたまたま犯人らしき靴の後を俺達よりも先に発見したからって人の揚げ足を取ってんじゃねえよ」
「ふ~う、まあいいでしょう。こんな不毛な問答で時間を取るのも時間の無駄ですからね。では何故この二つの死体がおかしいのかを簡単に説明しますね。まず死体の周りに残されている夥しい血の跡の事です。この夥しい大量の血の量を使ってこの現場であの黒いライオンに襲われたと言う事実を作り上げる為にはあの死体の男女にはこの光が丘公園の中で死んで貰わないといけないと言う事です」
「この光が丘公園の中で死んで貰わないと困るだとう。なら本当はこの二人の男女はこの光が丘公園の中で食い殺された訳ではないと言う事か」
「はい、私はそう考えます。恐らく靴跡を残したと思われるこの犯人は、ここではない何処かでこの男女の二人をライオンに食わせて。その後に死亡した男女の死体をその日のうちにこの公園の林の中に運んで来た物と思われます。その証拠にその人物が残したと思われる足跡がこの周りの至る所に幾つも見つかっていますからね。ですが恐らく指紋の方はこの犯人はしっかりと手袋をはめていたと思われますので、まず指紋は見つからないと思いますよ」
「そうか、指紋は見つからないか。でもその話が仮に本当なら、なんでこの犯人はそんな回りくどい事をしているんだ。あの黒いライオンに人を直接襲わせたらそれで済む事じゃないのか」
「それはあの黒いライオンは、人は絶対に襲わないからですわ」
「人は絶対に襲わないだって……お前は一体何を言っているんだ?」
「あの黒いライオンはあくまでも人に、黒いライオンがその場にいると思わせる為のただのお飾りに過ぎないからです」
「ただのお飾りだとう。あの黒いライオンがか?」
「はい、そう言う事です。私の考えでは恐らくあの暴食の獅子のアジトには本物のライオンが人知れず飼われていて、その檻の中でその二人の男女はライオンに襲われて死亡したのではないでしょうか。そしてそのライオンにその男女を食わせる前に予めその体から献血の要領でその血を抜き取り保存しておいた血を使って、この光が丘公園に運び入れた男女の死体の食い破られた腹部の中にその抜き取った血を再度入れて宛もこの光が丘公園の中で食い殺されたようにその現場を作り上げたのではないでしょうか。そしてその食い破られた死体の腹部の中に流し込んだ血のりが地面へと流れて、その血が染み込んだ地面の上に犯人が知らず知らずの内に踏みつけたと思われる足跡が残されているみたいなので、少なくともこの犯人はその靴底に血のついた足でこの現場を後にしたのだと思いますよ。その血が固まって出来たら靴底の模様がくっきりと残されていますからね」
「と言う事はつまり、その犯人の靴の裏をルミノール反応で探せば靴底についた血液から犯人を特定する事が出来るかも知れないと言う事か」
「ええ、例え靴底についた血を綺麗に洗っても一度血が付いた物は絶対に隠しきれませんからね。ですが、その靴その物自体を捨てられたら流石にお終いですけどね」
「まあ、確かにな」
「そしてその犯人と思われる靴の足跡と同じように、地面に残されているライオンらしき物の足の跡と糞尿の跡、そして体毛の抜け毛も見つかってはいますが、それらの証拠が昨夜に現れたあの黒いライオンの物かどうかはまだなんとも言えない段階だと思いますよ」
「あんなにも分かりやすい証拠が幾つもこの現場に転がっているのに、まさかお前は違うというのか。この男女を食い殺した獣はあの黒いライオンの仕業に決まっているだろう!」
「確かにこの二人の男女を食い殺したのは肉食獣でもあるライオンの仕業である事は認めますわ。でもだからと言ってあの昨夜現れた黒いライオンの仕業とは限らないのではないでしょうか。私達は実際にその黒いライオンがその被害者達に喰らいつき食べている所をまだ見てはいないのですから」
「まあ、確かにな。あの黒いライオンの今までの不可解な行動から考えてお前がそう言う結論に至っているのは認めるが、だが実際に昨夜も俺達の目の前にあの黒いライオンが堂々と現れてその驚異の姿を見せつけているじゃないか。もしかして白い羊、お前はあの黒いライオンが実は真っ赤な偽物で、なにかの別の動物だとでも考えているのか」
「まだそうとは言ってはいませんが、あの黒いライオンには不自然な事が多すぎると言う事です。そしてその血のりがついた地面にその足跡を残した人物の事なのですが、この人物の靴の跡の大きさは約28センチである事が分かりましたわ。と言う事は恐らくはこの場を訪れた人物は男性である可能性が非常に高いと言う事です」
その羊野の言葉に赤城文子刑事が疑問の声を上げる。
「何故その靴のサイズの大きさだけでこの靴を履いている人物が男だと分かるの。大柄な女性という可能性だって小さいながらもあるでしょうに」
「その答えは簡単ですわ。恐らくこの犯人は夜にその二つの死体を車から降ろして、一体づつ犯人自らが肩車で担いで、この足場の悪い木々に囲まれた林の中を突き進んだ物と思われます。そしてその死体を運ぶと言う力作業を行える人物はそれなりにがたいの大きな力のある男性にしか出来ないと言う事です。この死体の澤田さんという男性の重さは恐らくは60キロ。そして女性の田辺さんの重さは約40キロくらいはあると思われますから肩車の形で担いで車が停めてある道路から~死体が置かれた林の深い現場まで、約二回程往復したのだと思いますよ。全く、ご苦労様な事です」
「まあ、確かに、そう考えると女性には無理かも知れないわね」
「それにこの男女の死亡推定時刻の事ですが、この二つの死体は昨日今日の時間に犯人の手により運ばれた物ではありませんよね。死体の損傷具合と死斑の後からして、この男女の二人の死亡推定時刻は恐らくは一昨日の夜の二十二時から~二十四時の二時間の間くらいと言った所でしょうか。つまりこの二人の男女は一週間くらい前に何らかの理由で犯人である暴食の獅子に捕まりそして誘拐され、その後は犯人のアジトに四日間ほど監禁された後に、その犯人が飼っていると思われるライオンに襲われて死亡した物と思われますわ。そして食い殺されて無残な屍と化したその二人の死体をこの犯人はご丁寧にもこの光が丘公園内の普段はまず人は絶対に立ち入らない草木が覆う林の中へと人知れずに運んだ。とまあ、そう考えるのが普通でしょうね」
「つまりこの男女の死体は一昨日から犯人の手によりず~とこの場に放置されていたと言う事かしら」
「はい、そう言う事です。狂人・暴食の獅子の考えでは、あの黒いライオンが一昨日の夜にその男女を襲い、その後はこの光が丘公園の林の中を徘徊している所を昨夜に私達に発見させて、その殺しの犯行の全てをあの黒いライオンの仕業のように思わせたかったみたいですが、私はあの黒いライオンが被害者達を襲った実行犯だとは信じませんからね。これには必ず何か裏があるはずです」
「いや、裏も何も、あの黒いライオンも、そしてそのライオンが残したと思われる物的証拠も全てがみんなそろっているじゃないか。あの黒いライオンは実際に俺達の目の前に現れてその存在をアピールしているんだから、あの黒いライオンが被害者達を食い殺した犯人に決まっているだろうが。あの暴食の獅子とか言う犯人はその魔獣の手助けをしているだけのただの飼い主に過ぎないはずだ。まあ、一体どうやってあの黒いライオンを堂々と野外に放して操っているのかは流石にしらんが、海外にはライオンの調教師がいる位だからかなり可能性は低いが決して不可能ではないはずだ」
そう言いながら西園寺長友警部補佐は話の途中で更に深刻な顔をする。
「ただし……あのライフル銃の弾丸が効かない謎だけは今も一向に理解が出来ない摩訶不思議な謎だがな」
「ライフル銃の弾丸が効かない不死身の魔獣ですか。確かにあの不死身の謎だけは未だに分かりませんからね。なぜあの黒いライオンにはライフル銃の弾丸が効かないのでしょうか。不思議でなりませんわ。そんな訳で、ライフルを持つ耳沢仁刑事とハンターの石田淳二さんと同じくハンターの林家三太さんの三人のライフル銃とその弾丸を調べさせて貰ってもよろしいでしょうか」
「お、お前、どさくさ紛れに耳沢仁刑事を疑うのかよ。言っておくが俺が指揮する捜査一課・殺人班の刑事達の中に裏切り者は一人もいないぜ。それにあのハンターの二人だって同じ事だ。あの二人のハンターの石田淳二さんと林家三太さんは皆それぞれ3・4年前からあの黒いライオンを追っていて、あの暴食の獅子とは因縁の深い二人なんだぞ。石田淳二さんは同じハンター仲間でもあった親友を失い。あの林家三太さんに至っては自分の恋人をあの黒いライオンに食い殺されている。勿論俺の部下でもあるあの耳沢仁刑事だってそうだ。そんな深い経緯を持っているあの三人を疑うだなんてお前はどうかしているぞ。いいや、お前は最初からどうかしているんだったな」
「身内を信じるのは勝手ですが、その疑う可能性が少しでもあると思ったら先ずはその疑いを晴らすためにもこの事件に関わりのある人達を先に調べるのは鉄則だと思いますがね。相変わらず西園寺長友警部補佐は爪が甘いですわね」
「うるさい、心に血が全く通ってはいない、人の皮を被った羊の化け物なんかにだけは言われたくは無いわ!」
「ほほほほ、特に否定はしませんわ。私はこの狂人ゲームに勝つ為だったら、その手段は特に選びませんからね。でもこれだけは覚えておいて下さい。耳沢仁刑事・石田淳二さんと林家三太さんも聞いて下さい」
その羊野の言葉に、周りにいた捜査一課・殺人班の刑事達だけではなく、耳沢仁刑事と一緒にいた二人のハンターの石田淳二と林家三太が羊野の言葉に注目をする。
「もしも黒鉄勘太郎さんの身に何かがあったらその時は、赤の他人でもある一般人の命はもちろんの事、この狂人ゲームの勝敗を捨ててでも黒鉄さんの命を優先しますので、その時はその事をお忘れ無く」
その羊野の言葉に全くの偽りが無い事に耳沢仁刑事・石田淳二・林家三太の三人はその狂気にも似た彼女の独特の雰囲気から既に理解をしたようだ。
この羊野瞑子と言う女性は、もしも黒鉄勘太郎の身に危険が迫った時はその全てを捨ててでも黒鉄勘太郎の身の安全を第一に優先する、そんな危険な女性なのだと。
そんな印象を強く抱いた三人の顔を一人ずつ見つめながら、羊野は白い羊のマスクから見える赤い眼光をギラギラと光らせる。その光景は何だか不気味で、その場の雰囲気を緊迫というオーラで威圧しているかのようだ。
そんな謎の威圧をし続ける羊野の放つ緊迫を打ち破るかのように捜査一課・特殊班の山田鈴音刑事が大きなビニール袋を重そうに抱えながら西園寺長友警部補佐の前に現れる。
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