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~はじまりはじまり~
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ミツキ「おはようございます!!」
他の社員たちがだるそうにしている月曜日の朝。
社内にひと際大きい声が響いた。
部長「相変わらず朝からやる気満々だな、皆もミツキ君を見習うんだぞ」
部長がミツキを褒める。
ミツキ「はは…今週も頑張りましょう!」
他の社員たちは苦笑いをしながら弱くオーと掛け声を発した。
ミツキは元々仕事を転々とし、今の会社ではエンジニアとして働いている。
元々営業職や修理業など各数年し、社会人5年目で3社目となる今の会社に半年前に入社した。
ミツキが席についていつものブラックコーヒーの缶コーヒーを開けた時、ドアが開いた。
ガチャッ
「あ、、おはようございます」
そこには一人の女性が立っていた。
黒髪ショートヘアで見るからにアクティブそうな褐色の肌。
大きな瞳とシュッとした鼻、少しハーフっぽい顔立ちは南国生まれを思わせる。
スーツよりアロハシャツが似合いそうな女性がそこにはいた。
部長「あ、きたきた。先日皆に話した通り、今日から入社になった池谷結衣さんだ」
池谷「池谷結衣と申します。宜しくお願い致します」
ミツキはじーっと見てしまった。
見るからに元気で明るそうな子だ。きっとムードメーカーになるに違いない。
俺の職場を盛り上げる役も少しは楽になりそうだ…。
部長「あ、池谷さんはそこの席で。一応業務のマニュアルはあるからさ、今日はとりあえずそれ読んだり社内の雰囲気になれてね。わからない事は隣のミツキ君達に聞いてね、年も近いだろうし」
ミツキは流れに身を任せていた。
正直新人さんがうちのグループに来ることは知っていたが、いつくるかなんて興味がなくて忘れていた。
スタスタと歩いてくる褐色の女性と目が合った。
池谷「改めまして池谷です。宜しくお願いいます」
大きい瞳に吸い込まれそうになるが、とても不愛想である。笑顔がそんなにない。
ミツキ「あぁ、よろしくね!!僕は吉岡ミツキ!何でも聞いてね!」
何とも言えない空気に包まれながらブラックコーヒーを一気に飲み干した。
口がコーヒー臭くなると思い、いつも持ち歩いているフリスクとミントスプレーで念入りに息をリフレッシュさせた。
池谷「あの…」
唐突に話しかけてきた池谷にミントスプレーを鼻にかけてしまうミツキ。
ミツキ「うわ!ごめん!どうしたの?」
池谷「あ、すみません。吉岡さんだけなぜミツキって名前で呼ばれてるのかなと」
ミツキ「あぁ、実は会社にもう一人吉岡って人が女性でいるんだ、あと名前がカタカナでミツキだから呼びやすいみたいで」
池谷「なるほど…変わってますね、カタカナ」
ミツキはいつもの笑顔で答えた。
ミツキ「うん、名前だけだとハーフと勘違いされるよ」
池谷「私は外見だけだとハーフに見られますね」
真顔のまま池谷は答えた。
ミツキ「確かにハーフ顔だもんね!いいな!」
池谷「いえ、別にいいことなんてないですよ」
ミツキ「おー、そっか!!」
なんで外見はこんなに明るくアクティブそうなのにこんなポーカーフェイスでおとなしいんだ…
そんな事を思っていた。
しかしミツキはこの時、なんとも言えない感情の薄い彼女に対してなぜか不思議な心地よさを感じはじめていた。
他の社員たちがだるそうにしている月曜日の朝。
社内にひと際大きい声が響いた。
部長「相変わらず朝からやる気満々だな、皆もミツキ君を見習うんだぞ」
部長がミツキを褒める。
ミツキ「はは…今週も頑張りましょう!」
他の社員たちは苦笑いをしながら弱くオーと掛け声を発した。
ミツキは元々仕事を転々とし、今の会社ではエンジニアとして働いている。
元々営業職や修理業など各数年し、社会人5年目で3社目となる今の会社に半年前に入社した。
ミツキが席についていつものブラックコーヒーの缶コーヒーを開けた時、ドアが開いた。
ガチャッ
「あ、、おはようございます」
そこには一人の女性が立っていた。
黒髪ショートヘアで見るからにアクティブそうな褐色の肌。
大きな瞳とシュッとした鼻、少しハーフっぽい顔立ちは南国生まれを思わせる。
スーツよりアロハシャツが似合いそうな女性がそこにはいた。
部長「あ、きたきた。先日皆に話した通り、今日から入社になった池谷結衣さんだ」
池谷「池谷結衣と申します。宜しくお願い致します」
ミツキはじーっと見てしまった。
見るからに元気で明るそうな子だ。きっとムードメーカーになるに違いない。
俺の職場を盛り上げる役も少しは楽になりそうだ…。
部長「あ、池谷さんはそこの席で。一応業務のマニュアルはあるからさ、今日はとりあえずそれ読んだり社内の雰囲気になれてね。わからない事は隣のミツキ君達に聞いてね、年も近いだろうし」
ミツキは流れに身を任せていた。
正直新人さんがうちのグループに来ることは知っていたが、いつくるかなんて興味がなくて忘れていた。
スタスタと歩いてくる褐色の女性と目が合った。
池谷「改めまして池谷です。宜しくお願いいます」
大きい瞳に吸い込まれそうになるが、とても不愛想である。笑顔がそんなにない。
ミツキ「あぁ、よろしくね!!僕は吉岡ミツキ!何でも聞いてね!」
何とも言えない空気に包まれながらブラックコーヒーを一気に飲み干した。
口がコーヒー臭くなると思い、いつも持ち歩いているフリスクとミントスプレーで念入りに息をリフレッシュさせた。
池谷「あの…」
唐突に話しかけてきた池谷にミントスプレーを鼻にかけてしまうミツキ。
ミツキ「うわ!ごめん!どうしたの?」
池谷「あ、すみません。吉岡さんだけなぜミツキって名前で呼ばれてるのかなと」
ミツキ「あぁ、実は会社にもう一人吉岡って人が女性でいるんだ、あと名前がカタカナでミツキだから呼びやすいみたいで」
池谷「なるほど…変わってますね、カタカナ」
ミツキはいつもの笑顔で答えた。
ミツキ「うん、名前だけだとハーフと勘違いされるよ」
池谷「私は外見だけだとハーフに見られますね」
真顔のまま池谷は答えた。
ミツキ「確かにハーフ顔だもんね!いいな!」
池谷「いえ、別にいいことなんてないですよ」
ミツキ「おー、そっか!!」
なんで外見はこんなに明るくアクティブそうなのにこんなポーカーフェイスでおとなしいんだ…
そんな事を思っていた。
しかしミツキはこの時、なんとも言えない感情の薄い彼女に対してなぜか不思議な心地よさを感じはじめていた。
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