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~はじまりはじまり~
昼休み
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午前中は業務の流れを説明をしてすぐに終わってしまった。
12時になり昼休み、ミツキは入社したばかりの池谷を気にかけた。
ミツキ「あ、池谷さん。お昼はどうします?」
池谷「えっと、職場の方に合わせようかと思います」
ミツキ「そっか!うちの会社既婚者が多いせいかお弁当ばかりだから、よかったら一緒に外食でもいい?」
池谷「はい、是非」
ミツキは前の会社で入社した最初は必ず上司に御馳走してもらった記憶があったため、奢ることにした。
ミツキ「ん~~ソバ屋か定食屋、どっちがいい?」
池谷「では、定食屋さんにします」
二人はミツキ御用達の定食屋に入った。
「いらっしゃいませーーー!」大きな掛け声と共に空腹を誘うような匂いが漂ってくる。
ミツキ「おばちゃん、二人で」
おばちゃん「はいよ、あれ今日は二人なんだね!」
ミツキ「はは、今日から入った子なんだ」
池谷「こんにちは」
おばちゃん「どーも、彼ここの常連なのよ。後輩連れてくるとは偉くなったわね~!」
おばちゃんは顔いっぱいの笑顔で言った。
ミツキ「いや~…はは、あ、今日の日替わり定食なに?」
おばちゃん「今日は竜田揚げ定食だよ!」
ここの竜田揚げはとても美味しく、ミツキは大好物だったため迷わなかった。
ミツキ「あ、俺それで。池谷は?ここにメニューあるけど」
池谷「私も同じもので大丈夫です」
おばちゃん「はいよー!日替わり2入りました~!」
大きな声が店内に響いた。
テーブルに運ばれてあったお茶を飲みながらミツキは言う。
ミツキ「竜田揚げでよかったの?」
池谷「はい、私竜田揚げ大好きなので」
ミツキ「よかった、ここのは美味しくてよく頼むんだ」
池谷「そうなんですね」
…
微妙な静寂が流れる。
ミツキは空気を読みすぎてしまう癖があり、こういった静かな時間は何か話さなくてはと思ってしまうタイプであった。
ミツキ「あ、、あのさ、前はどんな仕事してたの?」
この言葉を出した時、少し池谷の眉間にシワが寄ったのをミツキは見逃さなかった。
池谷「前職は…営業をしていました」
意外に思った。確かに池谷は一見元気そうで営業職に向いてそうだが、話をする感じではとても営業職をしていたとは思えないからだ。
ミツキ「そーなんだ、俺も実は営業してたんだ。寝る時間とれなくて辞めちゃったけどね」
池谷「そーでしたか。私も同じような理由ですね。自分の時間がなくなっていって、気づいたらなんで自分が今ここにいるのかもよくわからなくなってしまう時があったんです」
ミツキ「そっか…お互い大変だったね」
ミツキは地雷を踏んでしまったかと思った。池谷はおそらく前職であまりいい思いをしていなかったに違いない。転職をしてきたのだってきっとそれが理由だろう。
入社初日にまずいことをしたかと思った。
池谷「えぇ、だからもう仕事と感情を切り離す事にしたんで…
おばちゃん「日替わりの竜田揚げ定食お待ちどうさま!!!!」
ミツキ「え…?」
おばちゃんの声にかき消されたその言葉を、再度聞き返せないまま、昼休みは終わった。
12時になり昼休み、ミツキは入社したばかりの池谷を気にかけた。
ミツキ「あ、池谷さん。お昼はどうします?」
池谷「えっと、職場の方に合わせようかと思います」
ミツキ「そっか!うちの会社既婚者が多いせいかお弁当ばかりだから、よかったら一緒に外食でもいい?」
池谷「はい、是非」
ミツキは前の会社で入社した最初は必ず上司に御馳走してもらった記憶があったため、奢ることにした。
ミツキ「ん~~ソバ屋か定食屋、どっちがいい?」
池谷「では、定食屋さんにします」
二人はミツキ御用達の定食屋に入った。
「いらっしゃいませーーー!」大きな掛け声と共に空腹を誘うような匂いが漂ってくる。
ミツキ「おばちゃん、二人で」
おばちゃん「はいよ、あれ今日は二人なんだね!」
ミツキ「はは、今日から入った子なんだ」
池谷「こんにちは」
おばちゃん「どーも、彼ここの常連なのよ。後輩連れてくるとは偉くなったわね~!」
おばちゃんは顔いっぱいの笑顔で言った。
ミツキ「いや~…はは、あ、今日の日替わり定食なに?」
おばちゃん「今日は竜田揚げ定食だよ!」
ここの竜田揚げはとても美味しく、ミツキは大好物だったため迷わなかった。
ミツキ「あ、俺それで。池谷は?ここにメニューあるけど」
池谷「私も同じもので大丈夫です」
おばちゃん「はいよー!日替わり2入りました~!」
大きな声が店内に響いた。
テーブルに運ばれてあったお茶を飲みながらミツキは言う。
ミツキ「竜田揚げでよかったの?」
池谷「はい、私竜田揚げ大好きなので」
ミツキ「よかった、ここのは美味しくてよく頼むんだ」
池谷「そうなんですね」
…
微妙な静寂が流れる。
ミツキは空気を読みすぎてしまう癖があり、こういった静かな時間は何か話さなくてはと思ってしまうタイプであった。
ミツキ「あ、、あのさ、前はどんな仕事してたの?」
この言葉を出した時、少し池谷の眉間にシワが寄ったのをミツキは見逃さなかった。
池谷「前職は…営業をしていました」
意外に思った。確かに池谷は一見元気そうで営業職に向いてそうだが、話をする感じではとても営業職をしていたとは思えないからだ。
ミツキ「そーなんだ、俺も実は営業してたんだ。寝る時間とれなくて辞めちゃったけどね」
池谷「そーでしたか。私も同じような理由ですね。自分の時間がなくなっていって、気づいたらなんで自分が今ここにいるのかもよくわからなくなってしまう時があったんです」
ミツキ「そっか…お互い大変だったね」
ミツキは地雷を踏んでしまったかと思った。池谷はおそらく前職であまりいい思いをしていなかったに違いない。転職をしてきたのだってきっとそれが理由だろう。
入社初日にまずいことをしたかと思った。
池谷「えぇ、だからもう仕事と感情を切り離す事にしたんで…
おばちゃん「日替わりの竜田揚げ定食お待ちどうさま!!!!」
ミツキ「え…?」
おばちゃんの声にかき消されたその言葉を、再度聞き返せないまま、昼休みは終わった。
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