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本編

狐の嫁入り

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白狐をみてから3日
何事もなく過ごしてます
逆に暇です。暇で暇でしょうがない

「出かけてくる!」

ダリオルに一言いってギルドを出る
森まで走る
なんか良いことあるかなー?


---

良いことなんてなかった
今、目の前に白狐がいます
なぜこうなったのかざっくりと話しますと

白狐寝てる→素通りしよ→尻尾踏んだ→ヤババババババ(今ここ)

眉間に月の模様がある

「ちょ、えっと、すみません。」

めっちゃグイグイくるやん
鼻がぶつかりそう
あー目、めっちゃキレイやん

「んにゃ?」

くいっと鼻でフードをはずす
ちなみに今日は面をつけてこなかった

な、何
じーとこちらを見ている
襲う感じはないけど...

スンスン

「くすぐった、い」

めっちゃ臭い嗅いでくる
く、臭かった?
鼻をグイグイと押して嗅いでくるので地味に痛い


{お主。気に入った!妾のペットになる権利をやろうぞ}


キャァァァアシャベッタァァァァァア!!


{ぬ、失礼な。妾は月の白狐よぞ。妾の気配に恐れず近寄ってくると思えば尻尾は踏むしのぉ...}


いや、まじですみません
踏む気はなかったんです

広い森で土下座とか...笑えん
もっと楽しくお散歩したかった


{臭いも悪くない。よってペットにしてやろう}


「遠慮します」

土下座を解除しハッキリ言う
ペットになるわけないやん


{ペットになるのは名誉ぞよ}


とはいえ嫌でしょ
狐のペットが人って笑えん
あ、白狐には関係ないんか
でも私は嫌なんで


{むぅー。なら妾がそなたについていくのとどっちがよい}


ついていく方いったくでしょ
ペットになったら大変そう


{ぐぬぬぬぬ。わかったぞよ。妾がそなたについていけばよいのだろう...}


いや、無理についてこなくていいですよ?
こちらにも都合があるので
ははは...


{いや!ついていく!妾が行くと言ったら行くのじゃ!}


そ、そうですか
ですがそちらにも都合があるのでは?
無理についてこなくていいですよ?本当に

断じて大変そうだからというわけではない


{行くのじゃ!太陽の白狐も気にしてる相手ならなおさらじゃ!妾が管理しなくとも太陽の方がなんとかするじゃろ!}


はぁ...
私の手には終えない
もう無理だ
なにいってもついてくる


「どうぞ。それで名前は?呼ぶの大変ですから」

{ない!そなたがつけろ!}


うっわ。どうしよ
...

「モーント。確か月って意味だったはず」

{うむ。これからはモーントと名乗ろう!妾はモーントじゃ!}


スーと眉間の月が光っている
なんだ?と思えば私の右手も光っている
な、なんじゃこりゃ

光が収まると右手の甲に三日月があった

モーントの方を見ると嬉しそうに尻尾をふってる
犬かよ


{そうじゃ。妾の主人にふさわしいように私、ではなく僕にすると良い。いやそうするのじゃ}


は?僕が僕よ、び、に...
なっとるー!?!?

てか主人ってなんやねん!せめてパートナーやろ!最初ペットうんぬんやったやん!なんやねん!


{これこれ、混乱するではない}


ケラケラ笑わないでよ...笑えん
はぁステータスみたろ


___

月の白狐[モーント]

Lv.112

種族 白狐

フェナカイト=アルマンディンと契約済み 

«この先は今の鑑定では見ることができません» 

___


うっそだろ...レベルがおかしいし鑑定が使えん
僕が戦っても勝てるステータスではないだろう
レベルが100越えてるもん
それに一人称を変えるとかまじありえん
下手したら神様より強いのでは?

なんて思ってしまう

はぁ。明日はどうなるかな
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