いずれ最強の少女 ~白き髪と紅の瞳~

カイゼリン

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本編

お出かけ!!!(in無人島) ①

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キィーン!!!!!!!!!!!!!!!

「今日も防がれましたか」
「ギリギリだけどね」

バッと後ろから出てきた夜叉は攻撃が防がれニコニコしている

「そろそろ次の試練を...」
「試練???」
「あぁ...これも試練のひとつですよ?クリアしたら次の試練。まぁ修行ですけど」

そ、そうだったのか
なかなか辛かったんだけど...

「それでは一週間無人島生活です」
「は?????」

いやいやいや学園があるんだけど?
授業の方が大切なんじゃ?

「学園長とは話をつけてあります」
「あ、うん」

行動が速いこと
今話してるのにすごいな...

「てことで今から行きますよ?」
「準備は?」
「いりません。自給自足です」

ゑ?

「それでは行きましょう!」

ちょっ!?
下が!床が!

「ないんだけどぉぉぉぉぉぉぉぉお!?!?!?」



---



「イタタタタ。か、体がっ」
「目が覚めましたか。それでは頑張ってください。ここら辺のやつらはわたくしがワンパンでオーバーキルレベルなので大丈夫です」

いやいやいや
夜叉を基準にされても困るよっ!?
僕と夜叉のステータスの差わかってる????

「わたくしは寝てますので~」

木の上で夜叉は横になる
うーん...食料かぁ。木の実とか?
でも一週間だもんな...川が近くにある?水の流れる音が後ろから聞こえる
周りは木しかない。そこら辺に魔獣がたくさんいる
魔獣は魔物より強い
僕が倒せるかな?安全なのは木の実。次に川の魚。そして魔獣
川の音は遠いから何時間かかかるだろう
川の近くに拠点を置きたいが魔獣が寄ってくるから危ないだろう...

どのくらいで着くか時間を図るか
時空魔法で左上に時計を表示する
今は...昼の三刻

よし歩いていくかぁ


草が生い茂り体の半分くらいまで延びている
歩く度にガサガサと音がし、動きにくい


「うわっ!?足が引っ掛かった...」

草が足に引っ掛かり転びかけた
草の臭いが鼻をくすぐる
魔獣が近づいても気がつかないかもしれない
そんなことを考えながら引っ掛かった草を取る


さらに進むと水の音が近くなってくる
鳥の声に水の声、草の声
色々な声、まるで会話をしているようだ

よし、ついたぁ...

夕方一刻。二刻かかった
さらさらと流れる水の中をすいすいと舞踏会のように色々な魚が躍り泳ぐ

木々の間から光が差し込み川を照らす
キラキラと輝いている水はとても澄んでいる

夜叉も食べるかな?なんて考えながら14匹ほど取っていく
とった魚は時空魔法で保存しておく

肉も欲しいよな...問題は解体できるかどうか

ガサガサ

草が揺れる
何かが...来る
探知では大型の魔獣だけど...


「グルワアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」

熊か...体が赤く額に十字の傷。傷は血がにじんでいる
レッドグリズリー...さっきまで戦っていたのか?

ダッ

土をえぐり、草が舞う
たが相手にも疲労がたまっており軽々と避け刀を横に構え口から切り裂いていく

ピッと血を振り落とす
普通の剣などは錆びてしまうので量産型なのたがこの刀はしっかりとしていて錆びることはない
勢いよく振るだけで血が飛びぬぐわなくても大丈夫だ


刀を鞘に納めると

「なん...だ?」

空気が揺れる
ザーザーと風が荒れる

探知には...反応がない

上からゆっくりと黒い闇が現れる
こいつは...ヤバい

こちらを見下ろしている黒い闇はなにもしてこない
ただ見下ろしているだけだ
目的はわからないが殺気がすごい

ふわっと空気が軽くなる
殺気が消えた...

闇は風と共に消えた

あいつはなんだったんだ?

ブワッと後ろから風が来る
これは夜叉か


「うーん間に合いませんでしたか...」

風で少し乱れた髪を直しながら考え事をしている

「まぁいいでしょう。今の貴方ならギリギリ勝てるか負ける位でしょうから。もし現れたら全力で挑んでください。いいですか?これも試練のひとつとします」

「はぁ?いや、あいつの方が格上やったって!探知に反応がないんやぞ!?」


まぁまぁと夜叉はなだめる
けれどギリギリの戦いなんてやりたくない
必ず勝てる勝負しかしない。負けたくないから


「ギリギリの戦いをすることでわかることもあるんです。貴方は成長したくないのですか?強くなりたくないのですか?」

「...なりたいよ」


ぎゅっと腕を握る
だけど負けたくはない。自分が敵より弱いなんて嫌
だから強くなりたい
でも負けるのは嫌だ...


「負けること。失敗すること。誰だってあります。誰だって負けたら悔しいでしょう。わたくしだって悔しいですよ。こうやって試練だのなんだの言うても自分の攻撃が防がれたら少し悔しいです。でもその分うれしいんですけど。まぁ負けた、失敗した。じゃあやめたは成長しません。諦めることより諦めないで敗けや失敗を重ねて成長する人の方がカッコいいですよ?誰だって悔しい。それでも成長しようと頑張る。わたくしはそんな人になって欲しいです」


夜叉は頭に手をポンと軽くのせる


「そもそも挑戦せずに諦めるなんてもったいないですよ。負けるかもしれない。けれど今はわたくしがいるでしょう?死ぬことはありません。こんなチャンス少ないと思いますよ。死ぬ確率がゼロに等しい格上と戦うなんて。普通格上と戦うなら死ぬ覚悟で戦いますよ。でも今は死ぬことはないのです。さぁどうします?それでも諦めますか?無理なら無理でもいいです。それはあなたが決めたことなのですから」


僕は...僕は...

今まで嫌なことからすべて逃げてきた
いじめられて辛くて、誰にも助けてもらえなくて
嫌だった。辛かった。大人から蔑まれ。子供からはいじめられる
こんな生活嫌だった。だからこうなる前に逃げた
ただひたすら村の人とは向き合わずに山にこもる

今は...そんなことはない
いじめられない。逃げる必要はない


「わかりました...やります」

ずっと握っていた手を離す
腕は少し赤くなっている

夜叉はその言葉を聞いてやさしく撫でる


「それでは頑張ってくださいね?まだ一日は終わっていませんから」


手を離すとこの場から風を切る音と共に消え去った

...そうだった。ここ無人島だ
まだ一日もたっていない
とりあえずレッドグリズリーをゲートに放り込む
ある程度戻ったところにしよう...


---

一刻ほどたちここにしようと座り込む
川でくんだ水を服でこす
それを何回か繰り返し、生活魔法で熱する

服はクリーンできれいにする

沸騰した熱湯を冷ましていく
飲めるくらいに冷めたら少しだけ飲む
ふぅー生き返るぅ

落ちている枝を拾い集める
それに火をつける
その間に氷の棒を作り魚に刺していく
氷だけど特殊な氷を用意した1000度を越えない限り溶けない氷だ

焚き火の周りに魚をおいていく
焼けるまでグリズリーを解体しなければ...

と、とりあえず頭を切り落とそう
氷の刃で切り落とす

ガスッ
ころころと頭が転がる
わ、わぁ切れ味が良いこと...

とりあえず足と胴体を分けて...胴体を切る
内蔵を処理して...皮を剥ぐ
絶対順序とか違うだろうけどはじめてだから...帰ったら調べよ

くっついて剥げないのでお湯をすこしかけてみる
脂のとこが溶けるかなぁーって思った
とにかく力一杯剥ぐ
あまり剥げないなぁ...氷の刃を川と肉の間にいれる

よしよし...良い感じー

---

なんとか解体しました
マジ疲れた。ちなみに途中で焼けたので美味しくいただきました
お魚さん美味しかった

ここら辺の魚は脂が乗ってるのかな?身も柔らかくて口のなかでホロホロっと崩れた

皮など食べれなさそうな部分を捨てる
熊の手...美味しいらしいけど調理法がわからないので捨てよう

クリーンで消臭して木魔法で草たちに遠くに運んでもらう
まぁもらってるんじゃなくて操ってるんだけど

焚き火の火を消し木にもたれ掛かって寝る
時空魔法と探知を使って魔獣が近くなったら起きれるようにした

それではおやすみー
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