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本当の嘘
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「いやー、本当にありがとうね。助かったわ。瑞希もきっと東海林くんのこと見直した思うよ」
オフィスを一歩出たところで我慢の限界が来てしまい、ニヤニヤが止まらない。
「…別にそんなんじゃないですって」
この口調…きっと澄ました顔してるんだろうな。
「もう、この間は可愛かったのに…素直じゃないんだから。ま、そういうことにしておいてあげるよ」
なんて、私ごときがちょっと上から目線で話をまとめようとしたから、気に障ったのだろうか。
東海林くんの足がピタリと止まったような気がした。
そして話が何故か元に戻る。
「…さっきの俺、格好良かったですか?」
「え?うん。そりゃあもう。大抵の女子は惚れるレベルだよー」
って実際は全然見えてなかったけど。
適当なことを言っていた罰なのか、また何かに躓きそうになった。
「ほら、もうちょっとちゃんと掴まってください」
言われるがまま、体を引き寄せられるまま、東海林くんの腕にギュッとしがみついたとき─
「…どういうことだ?」
地底から響いているのかと思うほど低くて冷たい、そして聞き覚えのある声が私の体を凍りつかせた。
10年ぶりならともかく。
今はもう声だけで99%そうだと分かってはいるんだけれど。
状況が状況なだけに、1%に望みをかけてゆっくりと後ろを振り返った。
…あ。
見えない。
そうだ。
コンタクトしてないんだった。
スーツっぽい服を来た男性の形は認識できるから、もう少しで見えそう。
そう思って目を細めるほどに、眉間に深くシワが刻まれていくなんて気づきもしなかった。
「理由も言わずにドタキャンしといて、他の男とイチャつきながら俺を完全スルーした挙げ句、ガンつけてくるとか一体どういうことだって聞いてんだよ!!」
怒って凄んできてくれたお陰で、残念ながら目の前の人物が正真正銘高嶺くんだと分かってしまった。
「いっ!イチャついてなんて…!」
「楽しそうに『可愛い』だの『惚れる』だの言っといて。言い逃れできるとでも思ってるのか?弁護士ナメんなよ??」
そ、そんなところから聞かれていたなんて。
助けを乞うように東海林くんを見上げれば、澄まし顔を崩して愉しそうに笑っている。
ちょっと立ち止まったり、不自然に話を戻したりしたのは、高嶺くんに気付いてのことだったのか----!!
口をパクパクしながら東海林くんを睨んでいたら、
「大体!いつまで腕組んでるんだ!いい加減離れろ!!」
と、高嶺くんが私の腕を引っ張った。
オフィスを一歩出たところで我慢の限界が来てしまい、ニヤニヤが止まらない。
「…別にそんなんじゃないですって」
この口調…きっと澄ました顔してるんだろうな。
「もう、この間は可愛かったのに…素直じゃないんだから。ま、そういうことにしておいてあげるよ」
なんて、私ごときがちょっと上から目線で話をまとめようとしたから、気に障ったのだろうか。
東海林くんの足がピタリと止まったような気がした。
そして話が何故か元に戻る。
「…さっきの俺、格好良かったですか?」
「え?うん。そりゃあもう。大抵の女子は惚れるレベルだよー」
って実際は全然見えてなかったけど。
適当なことを言っていた罰なのか、また何かに躓きそうになった。
「ほら、もうちょっとちゃんと掴まってください」
言われるがまま、体を引き寄せられるまま、東海林くんの腕にギュッとしがみついたとき─
「…どういうことだ?」
地底から響いているのかと思うほど低くて冷たい、そして聞き覚えのある声が私の体を凍りつかせた。
10年ぶりならともかく。
今はもう声だけで99%そうだと分かってはいるんだけれど。
状況が状況なだけに、1%に望みをかけてゆっくりと後ろを振り返った。
…あ。
見えない。
そうだ。
コンタクトしてないんだった。
スーツっぽい服を来た男性の形は認識できるから、もう少しで見えそう。
そう思って目を細めるほどに、眉間に深くシワが刻まれていくなんて気づきもしなかった。
「理由も言わずにドタキャンしといて、他の男とイチャつきながら俺を完全スルーした挙げ句、ガンつけてくるとか一体どういうことだって聞いてんだよ!!」
怒って凄んできてくれたお陰で、残念ながら目の前の人物が正真正銘高嶺くんだと分かってしまった。
「いっ!イチャついてなんて…!」
「楽しそうに『可愛い』だの『惚れる』だの言っといて。言い逃れできるとでも思ってるのか?弁護士ナメんなよ??」
そ、そんなところから聞かれていたなんて。
助けを乞うように東海林くんを見上げれば、澄まし顔を崩して愉しそうに笑っている。
ちょっと立ち止まったり、不自然に話を戻したりしたのは、高嶺くんに気付いてのことだったのか----!!
口をパクパクしながら東海林くんを睨んでいたら、
「大体!いつまで腕組んでるんだ!いい加減離れろ!!」
と、高嶺くんが私の腕を引っ張った。
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