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愛されカノジョの憂鬱

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そんなことさせたらどうなるかなんて、火を見るより明らかだ。
ここは断固としてお断りしなければ。

「い、いやっ、そんなっ!高嶺くんにそんなこと…!!自分で!自分で洗えるから」

「静花が自分で?本当に??」

首から頭が取れそうなほど激しく頷いていたら聞こえた、「…そっちも面白そうだな」と呟く声が、幻聴であれと願うけれど─

「じゃあ、ちゃんと洗えてるか見ててやる」

願い虚しく更にとんでもないコトを言い出した。

「だ、大丈夫だってば。そんなことしなくてもちゃんと洗えるから!」

「ダメ。ピル飲んでても孕ませてそうなくらい出してるから。ほら、バスタブの縁 コ コ 。座って、足開いて」

…さようなら。
スイートのバスルームでの優雅なバスタイム。

仕方なく、言われたとおりバスタブの縁に座った。

でも、いくら昨夜散々見られているとは言え、いきなり高嶺くんの目の前(しゃがんでスタンバイしてる)で開脚するのはハードルが高い。

脚を閉じたままもじもじしていたら、高嶺くんが、

「もたもたしてると着床するぞ」

と言って、両膝と言う名の扉を観音開きにした。

まじまじと、高嶺くんが、見ている。

「ほら、自分で指挿れて」

もう、この後どうなってもいいから、一刻も早くこの恥ずかしさから逃げたい。
そんな思いで、自分の小指を泥濘ぬかるみの中に沈めた。

「ちょっと待て」

「!?」

いきなり待ったをかけられ、指を引き抜く。

「何で小指なんだよ?」

「何でって…」

高嶺くんの質問の意図がサッパリ分からない。
ただでさえ極限状態だから、頭もちゃんと働かない。

「もしかして、いつも小指でシてるのか?」

そこまで言われてやっと気付いた。
さっき言ってた『そっちも面白そう』の『そっち』って、そういう意味だったの?

「し、してない!一人でシたことなんてない!!」

「『慣れたらナカだけでも十分気持ち良かった』のに?本当に我慢できてたのか?」

そんなの嘘だと書いてある顔で、意地悪く問いかけられても─

「ほ、本当にしてない。だって、そんなことしたら、…高嶺くんのこと思い出しちゃって辛いと思って」

これが、真実。

高嶺くんの切れ長の目が驚きで大きく開いた。
でも、それよりも何よりも。
私の目を引いたのは、目の前でみるみるうちにお腹にくっつく角度まで勃ち上がっていく高嶺くんのタカミネくん。

「ってことは、コレ、静花の初オ●ニー?」

開ききった目も、アレも、興奮でギラギラしている。

「そ、そんなんじゃ…高嶺くんが掻き出せって言うから」

恥ずかしさの限界はとっくに振り切れていて。
半泣きで何とか言い返すと、高嶺くんは優しく微笑んだ。

「…ああ、そうだったな。変なこと言って悪かった。気を取り直して始めてくれよ。ただし、挿れるのは中指な」
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