上 下
88 / 97
番外編

しおりを挟む
同時にもう一つ気付いたことがある。

静花は─

素直で優しく、押しに弱くて、控えめで、謙虚。
おまけに掃除洗濯料理から裁縫まで、家事全般そつなくこなせる。

唯一の欠点だった地味でダサくて暗い見た目は、私の最高傑作と言っても過言ではないほど変えた。
ちなみに、私のプライドにかけて整形しいじってはいない。

控え目に言って、男の理想が服着て歩いている感じ。
私が男だったら、絶対に結婚したい。
なのに、超が付くほど一途で、身持ちも固い。

自分から誘ったり、出会い系でワンナイトしたりしてしまえるような私とは正反対。
つまり、東海林くんはじゃダメなんだ。

一抹の寂しさを振り払い、作戦変更。

「目、瞑って」

「え?」

「いいから、早く」

東海林くんが目を閉じるのを待って、背後に忍び寄り、右手で東海林くんの目を覆いながら、そっと後ろから抱きつく。

「社長!?」

抗議の声を上げる東海林くんを、囁き声で静止する。

「そのまま。想像して」

「想像って、何を!?」

「…壁の向こうの、二人」

東海林くんが息を飲む音が響いた。

「な。何言って…!?」

「あれだけ釘刺しといたんだから、今日はいきなり挿れたりしてないはず」

東海林くんの目を覆った手だけそのままにして、正面に座り直す。

「静花はどこが好きなのかな?…胸、かな」

左手だけではブラのホックが外せないので、カップ部分を下げる。

「あの子…着痩せするタイプなのか、脱ぐと意外と大きいんだよね」

東海林くんの手をとって、露わにした胸へと導く。
今度は逃げられないように、東海林くんの手の上から自分の胸を揉んだ。

東海林くんの手は、少し汗ばんでいるのかしっとりと吸い付いてきた。
上手くイメージできてきたのか、私が動かさなくても、ふよふよと手の中の胸の感触を確かめ始めた。

いい傾向だ。

「…っ」

つたない手つきが、逆に気持ちよかったりするけれど。
ここで私が変に喘ぎ声を上げてしまっては、せっかくノリかけた勢いが止まってしまうかもしれないから、我慢。

「静花の…ち、くび、薄ピンクで、すごく…可愛いんだよ。触ったら、すぐ固く…」

全部言い終える前に、東海林くんの指が私の乳首を指でキュッと摘んだ。

「ひぁ…っ!」

不意打ちの刺激に思わず声が漏れると、東海林くんに右胸のブラもずらされ、隠れていた突起もつままれてしまった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

性観遊戯館

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:7

私達は、若くて清い…でもちょっぴり大人になりました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:9

mimosa

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

1人の男と魔女3人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

蒼の脳

SF / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

100人の男から結婚相手を選ぶ話

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:13

処理中です...