私、この人タイプです!!

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10 本編⑦

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「…突然のお声がけ失礼致しました。
獣人族第一隊の隊長をしております、ラナンと申します。
どうしてあなた様のようなお方が、
このようなむさ苦しい場所まで来たのか些か気になりまして。
手紙もたくさん届いているでしょうし。
もし困った事態に巻き込まれているのでしたら、と思った次第です。」

(どうしてあんたみたいなのがここにきてんだよって意味だよね…?
てか狼さん、ラナンさんっていうんだね!
名前もかっこいい!ってそうじゃなくて…やっぱりすぐ出たほうがいいかなぁ。
手助けが必要ならするから早くここから出ろよ、人間ってもしかしたら思われてるかも…。)

「あ…あの。お騒がせしてしまうことになり、すいません。
手紙の送り主を探して…いえ…。すみません。
用は終わりました。もう帰りますね…。」

ラナンは、自分を怖がって会話を終わらせたがってる、と思ってる。
もちろん、それも誤解だが。

「そうですか。
では先ほどあなたが話しかけていたあいつらに玄関まで送らせますね。」

「…もしよかったら、ラナンさん。送ってくれませんか…?」

ラナンのした、キィラを怖がらせないように
先ほどの猫の獣人たちに送らせるという配慮は間違っていない。
だが、相手がキィラだったというだけの話。

「…は?…いえ。私でよければ…。はい。」

ラナンの頭の中…?そんなのパニック状態に決まってる。
まともに人間(獣人除く)と話してこなかったからこそ、
キィラに対しても使いなれていない敬語をふんだんに使ってまで
動揺を悟られないようにしていたのに。

(はいって言ってくれたよね?やばいやばい…。
ラナンさんと並んで歩く?こんなブスが?は?
世の中の女の子に恨まれる!…いや、かわいいのは私の方で
ラナンさんはブサイク…ラナンさんはかっこよくない…だから普通に喋れる…。
だいじょうぶ…大丈夫よ。落ち着くのよキィラ。
私はかわいい…私はかわいい…。)

キィラの脳内もパニックだ。

ちなみに昼の休憩時間は一時間。
まだ時間はたっぷりある。
ほんとうはお昼休憩の時間だが、
キィラがいて誰も外に出ていかなかったというだけだ。
だからラナンが訓練をさぼったとかそういうことはない。


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