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第2話
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近くの駅で電車に乗り、十五分ほどで目的地に到着した。
仕事を辞めたばかりの頃に一度だけ訪れたことがあったが、周りにいる人々の年齢層の高さに驚き、自分のような若者が行く場所ではないと考えた。後のない追い詰められた人間が使う場所だという印象を抱いたのだ。
周平にはまだ、彼らと自分は違う種類の人間だというプライドがあったのだった。
しかし、今やそんなプライドは捨てた。いつの間にか自分も、後のない人間になってしまった。どんな仕事でもいい。早く美月を安心させなければならない。
はやる気持ちを抑え、受付の番号札を取った。平日だというのに既に多くの人々で待合室は埋め尽くされている。周平は席には座らず、掲示板に貼ってある求人情報を眺めることにした。
しばらく経ってから、端の方に奇妙な広告が貼ってあることに気付いた。仰々しく「超高性能適職診断」というタイトルが書かれた用紙には、その診断を受けた人達の感想が、いくつか掲載されている。
【この診断でおすすめされた商品開発の仕事につきましたが、最年少で管理職に抜擢されました】
【全く興味のなかった花屋の仕事をしていますが、毎日仕事をするのが楽しくて幸せです】
広告の右下には、その診断所の場所が地図で掲載されている。
「ここから歩いて五分か……」
周平は、待合室にごった返す人々の方に一瞥をくれると、早歩きでハローワークを後にした。
数分後、掲示板の前を通りかかったハローワークの職員は「超高性能適職診断」と書かれた用紙を訝しげに見つめる。
「誰だ、こんなの勝手に貼ったのは」
彼は、乱暴にその紙を剥がすと、近くにあったゴミ箱へ投げ入れた。
仕事を辞めたばかりの頃に一度だけ訪れたことがあったが、周りにいる人々の年齢層の高さに驚き、自分のような若者が行く場所ではないと考えた。後のない追い詰められた人間が使う場所だという印象を抱いたのだ。
周平にはまだ、彼らと自分は違う種類の人間だというプライドがあったのだった。
しかし、今やそんなプライドは捨てた。いつの間にか自分も、後のない人間になってしまった。どんな仕事でもいい。早く美月を安心させなければならない。
はやる気持ちを抑え、受付の番号札を取った。平日だというのに既に多くの人々で待合室は埋め尽くされている。周平は席には座らず、掲示板に貼ってある求人情報を眺めることにした。
しばらく経ってから、端の方に奇妙な広告が貼ってあることに気付いた。仰々しく「超高性能適職診断」というタイトルが書かれた用紙には、その診断を受けた人達の感想が、いくつか掲載されている。
【この診断でおすすめされた商品開発の仕事につきましたが、最年少で管理職に抜擢されました】
【全く興味のなかった花屋の仕事をしていますが、毎日仕事をするのが楽しくて幸せです】
広告の右下には、その診断所の場所が地図で掲載されている。
「ここから歩いて五分か……」
周平は、待合室にごった返す人々の方に一瞥をくれると、早歩きでハローワークを後にした。
数分後、掲示板の前を通りかかったハローワークの職員は「超高性能適職診断」と書かれた用紙を訝しげに見つめる。
「誰だ、こんなの勝手に貼ったのは」
彼は、乱暴にその紙を剥がすと、近くにあったゴミ箱へ投げ入れた。
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