R18 彼と私の契約 ~命令には絶対服従~

あみにあ

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おまけ 学園編:前編

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あの日セスに女だと知られてしまい、彼と契約を交わした。
最初は不安だったが……今まで通り学園生活を送り、バラされることなく数週間がたったある日。

窓から差し込む日差しに目を開けると、隣にセスの姿はない。
昨夜も彼に求められ体を重ねたが、途中から気を失ったのかどうやって眠ったのか思い出せない。
セスは先に登校したのかしら……すごいわね。

眠気眼を擦りながら起き上がると、なんだか頭がぼうっとする。
寝不足で体が重いのだろうか、はたまた体力がないだけなのだろうか……。
私は水で顔を洗うと気合を入れるようにパチパチと頬を叩いた。
最近セスが求めてくる回数が多くなっている気がする。
昨晩の彼の姿が頭を過ると、鏡に映る頬が若干赤くなった気がした。

鞄を持ち学校へ登校すると、皆剣術の授業の準備を始めていた。
男ばかりの教室は大層にぎわい、道着に着替えている。
最初の頃は男性の裸を直視できなかったが、今は気にすることもない。

席へ向かい道着を取り出すと、なんだか視界がグラグラ揺れる。
道着を見つめたままパチパチと瞬きを繰り返すと、シャツのボタンを外した。
着替えは下着の上に着を羽織るだけだから問題ないが……。
周りを見渡せば、広い肩幅に太い腕、比べると明らかに私の体は華奢。

もう少し鍛えればマシになるのかしら。
そんな事を考えながら道着に手を伸ばした刹那、背中に衝撃が走った。

「おはよう、まだ着替えてないのか?」

振り返ると、バリーが背中に飛び乗っている。

「バリー、今着替えているところだよ。邪魔だから退いて」

まだ着替えは終わっていない、胸に手が当たりさらしが巻いていると知られれば変に思われてしまう。
バレるんじゃないかと、慌てて振り下ろそうとするが、ビクともしない。
抱きつく腕を胸から剥がすようにバシバシ殴っていると、セスが隣にやってきた。

「バリー、先生が呼んでるみたいだよ」

セスの言葉にバリーは私から離れる。
ほっと胸を撫で下ろすと、セスの顔が間近に迫った。
私よりも早くに起きて登校しているのに、綺麗な顔にはくま一つない。

「危なかったね。気を付けないと」

「ごっ、ごめんなさい、あの、ありがとう」

彼に女だとバレ、とんでもない契約を結んでしまったけれど……危ないときは、こうしていつも助けてくれる。
どうしてそこまでしてくれるのかしら……?
遊び相手ならいくらでも用意できそうだし、私を助けるメリットがわからない。
利用できる爵位もないし、名誉もお金も人脈だってないわ……。
なら私の体に価値があるのかしら……?

改めて自分の体を見つめてみるが、価値があるとは到底思えない。
普通の令嬢とは違い鍛えた腹筋、さらしで隠れるほどの胸。
けれどセスは優しくそんな私に触れる。
私を求める青い瞳が頭を過ると、カッと体が熱くなった。
最初感じていた痛みは快楽に変わり、彼の刺激に反応する体。
そっとセスを見上げてみると、彼は私の顔を覗き込んだ。

「何だか顔が赤いみたいだけれど、大丈夫かい?」

「へぇっ!?あっ、いや、大丈夫、ははははッ」

私は誤魔化す様に笑うと、セスの姿を頭から振り払い慌てて道着を羽織る。
木刀を腰に差すと、私はセスと並んで校庭へと向かって行った。

校庭へやってくると、指導員の合図で整列する。
そのまま順番に外周を走り始めると、掛け声がこだました。

走り出して数十分、いつもならまだまだ余裕のはずなのだが、なぜか体が重い。
次第にペースが落ち、最後尾になってしまった。
どうしたのかしら……脚が思うように動かない。
それになんだか息苦しい……。
足取りがおぼつかない中、グラッと体が傾くと、気が付けば土の上に倒れ込んだ。

「おい、大丈夫か?」

意識が朦朧とする中、バリーの声が耳にとどく。
薄っすらと目を開けると、わざわざ戻り駆けつけてくれたのだろう、彼の心配そうな瞳が映った。
大丈夫だと呟き立ち上がろうとするが、上手く力が入らない。
彼の手が私の体を持ち上げようとした刹那、セスの怒鳴る声が耳にとどいた。

「バリー触るな。後は僕がする」

バリーから私を奪うように抱き上げると、セスの匂いが鼻孔を擽る。
いつも抱かれている手に、なぜか安心感を感じると、私はそっと瞳を閉じた。

医務室へやってくると、そこには誰もいない。
彼は優しく私をベッドの上へ横たわらせると、カーテンを閉めた。

「体調が悪いのなら言わないとダメだろう?」

「ごめんなさい……はぁ、はぁ、はぁ……」

セスの大きな手が額に触れると、冷たさが心地よい。
熱があるのだろう、体は暑いのになぜか寒気がする。
そこにさらしが胸を圧迫し息苦しい。

「苦しそうだね、取ってあげるよ」

頬に流れる汗を拭きとりながら、セスは服のボタンへ手を掛ける。
丁寧に服を脱がしさらしが外されると、呼吸が幾分マシになった。

セスは水を持ってくると、引き出しから薬を取り出した。
私は重い体を起こすと、シャツのボタンを留め、セスを見上げる。

「とりあえずこの薬を飲んで眠るといい。少しは楽になるはずだよ」

私はコクリと頷くと、水を受け取ろうと手をのばす。
しかし手は空をきりコテンッと首を傾げていると、セスは薬を咥えコップを傾けた。
その姿を茫然と眺めていると、セスの顔が近づきそのまま口をふさがれる。

「ンンンッ、うぅん、うぅぅぅ、ふぅ、んんッッ」

冷たい水と苦い薬が流れ込むと、彼の舌でかき回される。
頭がぼうっとして何も考えられない。
彼の舌に翻弄されるままに水を飲み込むと、薬が喉を通っていった。
体の力が抜けベッドへ倒れ込むと、セスの瞳と視線が絡む。

「ゆっくりお休み」

優しい彼の声に瞼が重くなると、私はそのまま眠りについた。
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