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鼻元思案③
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私の目の前には今、金髪で超絶美形なお兄さんがいます。
かっこよすぎる!!
超!!私の好みです!!
運命の人をみつけてしまったのです!!
そして、どうやら私の自我は、このお兄さんによって起こされたようです。
なので、多分この人は私にとって関係の深い人だと思うのですが………
すると、開いていたドアから誰かが入ってきました。
「キース兄!!
また、此処にいたのかよ!!
どうして、そいつばっかり構うんだよ!!
俺も少しぐらい………って何でもねーー!!」
あら、走って逃げて行ってしまいました。
まるで、嵐のような人だったのです。
私は、とりあえず現状把握したかったので、目の前の超絶美形なお兄さんに質問をしました。
「しゅみません。
貴方はだれでしゅか?
しゃっきの嵐みたいな人はだれでしゅか?」
すると、目の前の超絶美形なお兄さんは
「ふふっ、嵐みたい………」
と少し笑うと爽やかな笑顔で私の質問に答えてくださいました。
「僕はキース、キース=コーナーだよ!
この家の長男でクレアより六つ上かな?
さっきの人はフィン、フィン=コーナーで次男。
クレアの三つ上だよ!!
僕ら二人共、君のお兄さんだ。
これから、よろしくね!!」
ぐはっ!!
何ですか、これ!!
もう、私結婚出来ませんよ!!
ていうか、したくない!!
私が呆然としている間、ずっとキース兄様は、私を見つめてニコニコしてらっしゃいました。
愛されてる!!
「僕の愛しのクレア。
今日は、皆でご飯を食べるみたいだから、一緒に行こっか?」
と言うや否や、キース兄様は私をお、お姫様だっこしてスタスタと歩き始めました。
王子様や、王子様がおる!!
そう言えば、私は一つ気づいたことがあります。
それは、自分の部屋から出るのが初めてだということ!!
まぁ、もちろん私の自我の話ですよ!?
部屋から出て、見えたのは長い長い廊下でした。
沢山の肖像画や高そうな絵画が、また、高そうな壺が等間隔に並べられていました。
「キース兄様、私達は、零細貴族なのではないでしゅか?
何故、こんなに豪華なのでしゅ!!」
「豪華なのは、廊下とダイニングだけさ。
まぁ、ただ見栄を張ってるだけってこと!!」
なるほど、そういうことでしたか!!
それなら、納得なのです!!
私達が和やかに会話しながら、長い長い廊下を歩いていると、後ろからガッシャーンという音がしました。
そして、それに続いて沢山の足音や
「フィン御坊ちゃま!!」
と呼ぶ沢山の声がしました。
あれ?フィン兄様のことですよね?
「キース兄様?」
私は、少し不思議に思ってキース兄様を見つめました。
もちろん、使いましたよ。
必殺技 UAMEZUKAI☆
キース兄様は笑みを深めると、私を下ろしてその元凶の元に歩いて行きました。
そして、数分後。
キース兄様は、さっきの騒動の元凶であるフィン兄様の首を掴みながら、戻ってきました。
「キース兄様、なにがあったのですか?」
「クレアには関係のないことです。
さぁ、行きましょう。」
私は、一つ学びました。
「キース兄様は絶対に怒らせてはならない」ということを。
ダイニングに近づいてきたのか、物凄いいい匂いが漂ってきました。
キース兄様を見上げると
「もうすぐだよ」
と言って最高の笑顔をくれました。
すると、キース兄様の手辺りから、舌打ちが、聞こえましたが気のせいでしょう。
そうした方が楽なのです。
ダイニングに入ると、母様に抱きつかれました。
やはり、あれですね?
この溺愛体質は遺伝のようなのです。
誰から誰にとは言いませんが。
まぁ、嬉しいですけど。
私はその日、この世界に来て初めての家族団欒というものを経験しました。
応援ありがとうございます!
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