平和の為のリベリオン

某勇者

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1.始まり

1-2 勇者接触作戦・1日目

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1日目。
僕は朝早くから、シーア森の中にある拠点に荷物を移してきた。
目撃者は大していない。
でも最終日前にバレたら終わり。
だから、なるべく痕跡は残さない。
あと時間が来るまでに出来ることは…考えること。
今、僕の手元には鉄の剣がある。
気楽に持ち運べないから、その対策だ。
どうしたら簡単に持ち運びできるだろう?
頭を空っぽにして考えれば、僕の体内に剣をしまっておいて、好きな時に取り出せるのが1番いい。
一応やってみたけど、やっぱりというか、当たり前というか、体内に剣をしまえなかった。
うーん、どうすれば……
…そうだ、これはどうだろう?
そうして僕は剣に、自分の体をコーティングした。
出来上がったのは、いかにも硬そうなメタルの剣。
これに関しては元からアイデアがあった。
元の鉄の剣とはちょっと変わってるけど、注視されない限りは大丈夫。
それでだけど…これならしまえるかも。
僕は冗談半分でしまおうとして…
レス「……え?」
できた。
メタル化させたら体内にしまえた。
自分でも原理はわからないけど、これは大きい。
取り出すことはできるかな?
レス「……普通にできちゃってる。」
簡単に取り出せた。
しかも持った状態にすることもできた。
ここまでやりたい放題できるとは知らなかった。
……自分って、いったい何だろ?
人間と魔物の子供という前例の無い事態。
それがこの力を生み出した…のかな?
レス「今は考えても仕方ないか。」
とりあえずありがたい出来事として受け取る。
襲撃まであと5時間半。
新たな力に目覚めた僕は、その時を静かに待った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
襲撃まであと5時間。
こういう時になると、時間が遅く感じる。
仮眠でも取ろうかな?
時間が待ち遠しい僕は、仮眠を始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
襲撃まであと5分。
起きてみると、あと5分だった。
ついに初陣が始まる、そう思うとドキドキする。
僕はあらかじめ決めた定位置に着き、待つ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
襲撃まで10秒前。
剣を取り出し、構える。
5,4,3,2,1…0.
僕は近くの草むらから飛び出し、手始めに近くのゴブリンを一閃。
気持ちいいくらい綺麗に切れた。
魔物達は一瞬戸惑いながらも、すぐに戦闘態勢をとる。
飛びかかってきたスライムを1撃、隙をつこうとしてきたスケルトン2体を連撃で撃破。
コツン
ふと背中に軽い衝撃を感じ、距離を取りつつ振り返る。
ゴブリン「ギ…ギギ?」
ゴブリンが棍棒で叩いてきたようだ。
まあこの森に住むゴブリン程度の攻撃力じゃノーダメなのも当たり前か。
ゴブリン「ギ、ギギギギャアーーー!」
当のゴブリンはノーダメなのに恐怖を感じて逃げようとしている。
もちろん逃すわけもなく…
ゴブリン「ギッ……」
即距離を詰めて討伐。
あと残りは……スケルトンとゴブリンが合計5体。
連携を取って同時に少しずつ距離を詰めてくる。
まあまあの連携力、でも物足りない。
それじゃあ、最後はカッコよくやろう。
僕はその場で構え、息を整える。
5体の魔物はゆっくり、ゆっくりと迫り…
ゴブリン「ギシャア!」
ほぼ同時に飛びかかってきた。
その時を待っていた!!
回転切り!
レス「くらえ!」
ゴブリン「ギシャァァァァァァァァ……」
5体同時に倒れたのを見るに、成功したようだ。
とりあえず、姿形を噂の姿にして待機する。
想定より大したことなくて安心した。
でも正直な話、もっと手応えのある敵を…あれ?
レス「僕って、もしかして戦闘狂なのかな?」
もっと強い敵を求めてるのは完全に戦闘狂だよね?
どうしてだろ……魔物の血が騒いだのかな?
それならあり得るけど…とりあえず勝ちは勝ちか。
もっと数が少なくて強い方が楽しい気もするけど…
とりあえず、レベルは9に上がった。
一応それなりに経験値は貰えるのか。
レス「贅沢言い過ぎなのかな…あ。」
そんなことを言いながらあたりを見渡すと、いた。
勇者が今、遠くに。
勇者達もこっちに気づいてるみたいで、とても警戒してる。
噂に聞いた魔物だし、当然だよね。
僕はあらかじめ用意しておいた手紙を取り出し、その場に落とす。
勇者達は多少困惑してるけど、変わらず警戒中。
うーん、やっぱり初日は無理かな?
それじゃあ…退散!
僕は一瞬にしてメタルスライムへと姿を変え、森の奥へと逃げていった…ふりをして、手紙の側にある草むらで勇者達の動向を探る。
勇者達はダッシュで追ってきたようだけど、すでに僕の姿は無い。
そして、壊滅している魔物の砦を目の前に、唖然としていた。
アルト「これって…あいつがやったのか?」
ソーマ「だと思うけど……一体どうして?」
ジャック「何かしらが理由で仲間割れしたんじゃね?そうでも無いと理由がわからねーだろ。」
ノーゼ「……とりあえず、読もう。」
勇者達は僕が落とした手紙を拾い、中を読む。
『幸せだった。
 何も争いはなく、憎しみもない。
 ただただ、平和に暮らせていた。
 ………あの日までは。
 その日を境目に、
 僕から幸せは消えた。
 幸せが奪われ、訪れるは悲しみ。
 大切な物を全て奪われた、苦しみ。
 だから僕は決心した。
 魔王を討伐することを。』
ジャック「…これって、アイツの過去か?」
アルト「曖昧になってるけど、そうだと思う。」
ノーゼ「なるほど。もしそれが正しいとしたら、アイツは私たちに協力を求めているのかもしれないわ。」
アルト「そういうことか…でも、それなら何でこんな方法で?」
ジャック「当たり前だろ?俺らは勇者一行と呼ばれる人類側の最・終・兵・器なんだ。そんな奴ら相手にまともに応対して、一瞬でやられたらどうするよ?だから、アイツも警戒して、こういう形なんだ。こっちに敵意が無いことを示さねぇと、一生接触できないぜ?」
ソーマ「あ、ここ見て!」
『この手紙の内容は伏せてほしい。
 僕たちが話し合う、その時まで。』
アルト「やっぱり、アイツも協力したいんだ。」
ジャック「んじゃ、今からコンタクト狙うか?」
ノーゼ「ダメ。そうそう会うことはない。」
アルト「また行動声明をするんだ。」
ソーマ「もしかして、アイツも聞いてたの?」
アルト「可能性は高い。」
ノーゼ「それじゃあ、帰ったら今回起きた出来事の説明、それと行動声明ね。」
ジャック「よし、帰るか!」
そして勇者一行は帰っていった……
予想外だった。
勇者一行もこっちに好意的みたいだ。
なら話は早そう。
とりあえずラジオで構えておこう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
多分早めだし、流れるとしたらこのチャンネルか。
「ザザーザザ………い面積は1.95㎢と、昨日から引き続き2㎢近くの土地を奪われてしまいました。」
どうやら魔物軍に確保された土地のニュースのようだ。
当たり前だけど、本当に色々あるな…
「続いてのニュースで、え?あ、はい。わかりました。えー速報です。勇者一行が砦破壊に向かったところ、1通の手紙を持って帰ってきました。現在情報整理中の為、少々お待ちください。」
よし、ビンゴだ。
僕はそのまま、ニュースが再開するまで待った。
5分くらい待ったところで、ニュースが再開した。
「えーお待たせしました、速報です。第9砦破壊に向かった勇者一行が、1通の手紙を持って帰ってきました。勇者アルトの証言によると、現在ラジオ番組で噂になっている『新種のメタルモンスター』がすでに砦破壊を行っていたとのことです。また、勇者と遭遇したその魔物は、手紙を置いて逃げていったとのことです。手紙の内容は公表できないとのことで、理由もわかりませんでした。また、勇者一行が続いての行動声明を発表しました。次回はシーア森内部第16砦を攻略するとのことです。」
なるほど、次は第16砦か…どこ?
今回潰したのは第9砦として、16はどこ?
「また、今回は同行OKで、10時半までにシーアパークで集合、同刻出発して、南東にある第16砦に向かうとのことです。『今回の砦が最後の砦のため、冒険者全員で協力すべき』とのことです。」
あ、シーアパークから南東ね、了解。
それに最後の砦なら間違うことはない。
早速拠点を移そう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最後の砦を偵察で見つけ、バック1個の荷物を移してきた所で、携帯電話が鳴り響く。
相手はもちろんニコ。
ニコ「おめでとう!」
レス「ありがとう。それに、勇者一行達からも仲間っぽい感じで扱われていたから、次に接触した時にでも協力関係を結べそうだよ!」
ニコ「すごーい!レスって勇気あるんだね。」
レス「ありがとう。後は…うーん、自分がちょっと戦闘狂であることに気づいたくらい?」
ニコ「全然そうは見えないけど……」
レス「多分魔物の血が疼いたのかな?」
ニコ「あー!多分それかな?」
レス「とりあえず、ニコは行く?」
ニコ「もちろん!」
レス「それじゃあ、また明日。」
ニコ「あれ?話すことってここまで少ないっけ?」
レス「まあこれぐらいだと思うけど?」
ニコ「ま、いいや。それじゃあねー!」
レス「それじゃあ。」
僕は通話を切り、寝る準備をした。
野宿ってやったことないけど、意外と寝心地は悪くなかった、ラッキー!
最後の砦だし、流石に強い敵はいるよね?
やっぱりワクワクする。
勇者一行と協力できたら頼もしいだろうなぁ…
よし、おやすみなさい。


均衡は『協力』に傾き始めた。

最後に待ち受ける第16の砦。

相変わらず様子を伺う勇者一行と、

仲間になれると確信したレス。

しかし、そこに忍び寄る1つの大きな影………







予想外の戦いは、何を生み出すのだろうか?







あとがき
大丈夫かな……
まず投稿頻度が不安。
病気であそこまでダウンするのは予想外。
次に内容が不安。
なんか上手くかけてる自信がない。
最後に見てくれる人がいるか不安。
みんな『失踪したか』と思っててもおかしくない。
そのあたりは果たして大丈夫なのか?
コメントしていただけるととても参考になります。
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それでは、また次回までお待ちくださいませ。
次回はだいぶ遅くなるかもしれない。
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