ライトブルーメモリー

某勇者

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M02.

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漣高校、亜駆野島にある唯一の学校だ。
圧倒的知名度の低さと通学のしにくさから、生徒は亜駆野島育ちの人がほとんどだそうだ。
俺はどうしてそこに転学しようとしたのだろう?
でも、何故か少しだけ感じる。
「これでいい」という気持ちを。
リリリリリリリーーン
音が、聞こえる。
リリリリリリリーーン
この音は…目覚まし時計?
リリリリリリリーーン
そうか、今俺は夢の中なのか。
リリリリリリリーーン
それじゃ…起きるか。

「うーーん…」
起きた俺は目覚まし時計を止めて、
「夢の中で『これでいい』と感じた…っと。」
夢の中の出来事をメモしておいた。
記憶喪失に対する何かしらの手がかりになるかもしれないからだ。
「んじゃ、支度すっか。」
朝食、着替え、荷物の確認。
よし、全部完了。
「行ってきまーす…って、誰もいないけど。」
今日が初めての登校だ。
どんな人がいるのだろう?
どんなことが起きるのだろう?
楽しみで仕方なかった。

校門にはあまり人影がない。
本来の登校時間より早くきてしまったようだ。
まあ通学時間もわかってなかったし、早いくらいでよかった。
「あ、君が星切悠斗?」
校門の先生が話しかけてきた。
「はい。」
「朝早いね。」
「通学時間がわからなかったので保険で。」
「なるほど。それじゃ中に入って、時間まで待つ?」
「はい。」
学校内のベンチに腰掛けて、俺と先生は話をした。
「君の転校先である1年2組の担任及び理科担当の晴山だ、宜しく。」
「結構フランクなんですね。」
「よく言われるよ。君は記憶喪失なんだよね?」
「はい。唯一覚えてるのは自分の名前だけです。」
「大変でしょ?」
「不思議と不便さとかは今のところないですね。」
「そうか、それじゃ、ここにきて気づいたことは何かあるか?」
「うーん…特に何も。ただ、夢の中でなら。」
「夢の中で?」
「はい。なんとなく、『これでいい』と感じたんです。」
「これでいい…ねぇ。」
「だから、このままいい高校生活を送るつもりです。」
「いいことだ。」

「それじゃ、自己紹介を。」
「はい。転校生の星切悠斗です、宜しくお願いします。」
「宜しくお願いします。」
「それじゃ手始めに、彼に質問したい人はいるか?」
「はい。」
「海原さん。」
「どこから来たんですか?」
「あ、きっかけありがとう。」
「?」
「実はその辺りについて話したかったんだけど、きっかけが掴めなくて…それじゃ話するけど…自分は記憶喪失なんだ。」
教室内が少しどよめく。
「唯一覚えてるのは自分の名前くらいだから、いろいろ教えてもらえると助かる。」
「今本人が話してくれたように、星切さんは記憶喪失だ。軽蔑せず、仲良く接してあげるように。」
「はい。」
「それじゃ席は…海原さんの隣に座って。」
座って、荷物取り出して、準備完了。
「それじゃ、一時限目、理科の授業を始めます。」

記憶喪失ではあるが、他の生徒となんら変わりなく授業を受けて理解できた。
帰ったら復習・予習して、もっと頑張らないと。
昼休みに皆が自己紹介しに来たけど、ワイワイしてて楽しかった。
クラブは…特に入るつもりはない。
2年から入ろうと思う。
そんじゃ帰るか。
「ねぇ。」
「ん?」
振り返ると、そこには1人の女子高生がいた。
「確か…海原ほのかさん、だっけ?」
「うん。ちょっと来てほしいんだ。」
「どこに?」
「まだ島を見回ってないでしょ?」
「ああ、確かに。」
「だから、案内してあげる。」
「それじゃ、お願いするよ。」

駄菓子屋、お店、その他色々。
俺は彼女について行って色々見回った。
「ここが私のお気に入り。」
「おお、これは綺麗だな。」
そこには海が広がっていた。
砂浜が広がっていて、それを断ち切るように真ん中あたりに…なんていうのか、コンクリでできた、釣りをする場所みたいな感じ。
あと向こう側には天然の洞窟があって、海と繋がっているんだとか。
「案内ありがとう。」
「どういたしまして。」
「…ねぇ、足怪我してるの?」
「あ…私、足が不自由なの。」
「そうなのか、大変じゃない?」
「少しね。でも、楽しめてるよ?」
「それは良かった。」
「それじゃ、またね。」
「うん。」

家に帰ったら予習復習。
あとは自炊して晩御飯。
…なんだろ、少しつまらない。
「絶対今日のあの景色だな…」
海原さんとみたあの景色、あれが綺麗すぎたんだ。
「…明日も行ってみるか。」

あとがき
と書きつつもネタがないんです()
とりあえずいかがでしたか?
プロローグと第1章の境目みたいな微妙な物語の内容ですが、次回は第1章ポジションのような内容をやっていきたいと思います。
もちろん、ペースは遅いけど。
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