2 / 8
第1話 学園の魔法使い候補生
scene1 放課後の訪れ
しおりを挟む
私立八重坂学園高等部棟四階、一年五組教室前は放課後を迎えた生徒たちで騒がしくなっていた。部活へ行く者、教室に残る者、そのまま帰る者、この時間はいろいろな人が混じり合う。僕はそれを眺めながら、教室前の廊下に立っていた。六つの授業を終えた彼らにようやく訪れた自由時間だ、騒がしくもなるだろう――なんて考えながら嶋野絵美里を待っていた。
絵美里ちゃんはクラスメートの女の子である。恋人でも友達でもない、そしてただのクラスメートでもない。分かりやすく表すならば、部活の仲間だ。今は部活の仲間を待っている、ということにしよう。
こんな生活が始まって一ヵ月が経つが、女の子は準備が長い。今も十分ほど待っているが、こんなのはまだまだ序の口で、ひどいときは一時間待たされたこともある。机の中の教科書を詰め込む作業がそんなに時間を要するものとは思えない。放課後の教室で何をやっているのかはなんとなく想像がつくが、授業が終わったあともやるべきことがあるのだからもっと急いでほしい、というのが本心だ。
三十分経ったころ、ようやく待ち人が退室した。首の付け根くらいまで伸びるポニーテールを下げた絵美里ちゃんは、じゃあね、と友達に手を振って僕のところに来た。
「じゃあ、行こう!」
待たせていなかったかのように、彼女は言った。一言の謝罪があっても良さそうなものだが、そんなものを言ったことは一度もない。基本的に僕は待たせるものだと思っているらしい。
絵美里ちゃんはクラスメートの女の子である。恋人でも友達でもない、そしてただのクラスメートでもない。分かりやすく表すならば、部活の仲間だ。今は部活の仲間を待っている、ということにしよう。
こんな生活が始まって一ヵ月が経つが、女の子は準備が長い。今も十分ほど待っているが、こんなのはまだまだ序の口で、ひどいときは一時間待たされたこともある。机の中の教科書を詰め込む作業がそんなに時間を要するものとは思えない。放課後の教室で何をやっているのかはなんとなく想像がつくが、授業が終わったあともやるべきことがあるのだからもっと急いでほしい、というのが本心だ。
三十分経ったころ、ようやく待ち人が退室した。首の付け根くらいまで伸びるポニーテールを下げた絵美里ちゃんは、じゃあね、と友達に手を振って僕のところに来た。
「じゃあ、行こう!」
待たせていなかったかのように、彼女は言った。一言の謝罪があっても良さそうなものだが、そんなものを言ったことは一度もない。基本的に僕は待たせるものだと思っているらしい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる