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愛するのにも一苦労 第1話
scene final 初日の調査終了と捜査の進展
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村田さんのアパートを出ると、夕方になっていた。西の空はオレンジ色に染まっていた。
「今日は一旦ここで終わりかな。続きは明日で」
「明日はどこに行く?」
「中谷さんと村田さんの大学かな。そこでいろいろ話を聞いて、午後はそばとうどんとめんつゆを買ったスーパーで裏を取る」
「分かった。今日はどうもありがとうな」
「報酬は払ってよ。うちの事務所、知り合い割引とかしないから」
「ケチだなあ。ちょっとくらいいいじゃねえか」
「絶対ダメ。ビジネスで探偵業やってるんだから、お金はきっちりいただくよ」
夏治は肩を落として、僕たちを車に乗せた。
こうして、調査初日が終了した。
さて、事務所に帰って来た。
調査が終わっても、仕事はまだ終わらない。今日の調査の記録を残して、情報整理をしなければならない。手間のかかることだが、仕事の精度を上げるためには必要なことだ。
僕は真っ白な紙を用意して、今日得た情報を整理した。
情報は矢印やイコール記号を使って記録する。例として、『A→B』と書いたならば『Aの事柄よりBと言える』という意味になり、『A=B』と書いたならば『Aの事柄とBの事柄は同じ』という意味になる。そうやって書いていくと、バラバラだった情報が一つの図にまとまるのだ。ぱっと見たときに分かりやすく、解決への糸口が見つかるかもしれない。
矢印やイコール記号以外にも記号を使って整理して、一つの図が完成した。ペンを置いて、それを眺めてみる。
うむ、とりあえず、被害者の二人はとても仲のいい友人だったということと、そばとうどんとめんつゆは昨日近くのスーパーマーケットで購入したものだということが分かった。
しかし、今回の依頼は『被害者の死亡方法の解明』だ。今日だけではまだ解決しそうにない。
「お疲れ様。紅茶を淹れたから、今日はこれ飲んで休んで。初日から頑張りすぎちゃだめだよ」
はるねちゃんは紅茶を持ってきて、言った。彼女のこういう優しさが好きだ。
「ありがとう、はるねちゃん」
「コップは自分で洗っておいてくれるかしら。あたし、夕飯作るから」
「分かった」
さて、仕事の話はここまでにしよう。考えるのは明日だ。
夕飯を作るはるねちゃんの後ろ姿を見ながら、紅茶を飲んだ。彼女の淹れた紅茶は美味い。ガムシロップと紅茶そのものがいい感じに混ざり合って、絶妙な甘さになる。味もさることながら、香りもいい。疲れが癒される。仕事のあとの一杯ははるねちゃんの淹れた紅茶に限る。
こうして、初日の仕事は終わったのであった。
――――と、思ったそのときであった。事務所の電話がけたたましく鳴り響いた。
「はい、向日葵探偵事務所」
「創真か! 進展したぞ、捜査が」
相手は夏治だった。勢いのある声である。
「進展した? どういうことだよ」
「――――中谷マサルの遺書が見つかったんだ」
夏治はゆっくりと息を吐くように言った。
その夜、夏治の言葉が頭を離れることはなかった。
「今日は一旦ここで終わりかな。続きは明日で」
「明日はどこに行く?」
「中谷さんと村田さんの大学かな。そこでいろいろ話を聞いて、午後はそばとうどんとめんつゆを買ったスーパーで裏を取る」
「分かった。今日はどうもありがとうな」
「報酬は払ってよ。うちの事務所、知り合い割引とかしないから」
「ケチだなあ。ちょっとくらいいいじゃねえか」
「絶対ダメ。ビジネスで探偵業やってるんだから、お金はきっちりいただくよ」
夏治は肩を落として、僕たちを車に乗せた。
こうして、調査初日が終了した。
さて、事務所に帰って来た。
調査が終わっても、仕事はまだ終わらない。今日の調査の記録を残して、情報整理をしなければならない。手間のかかることだが、仕事の精度を上げるためには必要なことだ。
僕は真っ白な紙を用意して、今日得た情報を整理した。
情報は矢印やイコール記号を使って記録する。例として、『A→B』と書いたならば『Aの事柄よりBと言える』という意味になり、『A=B』と書いたならば『Aの事柄とBの事柄は同じ』という意味になる。そうやって書いていくと、バラバラだった情報が一つの図にまとまるのだ。ぱっと見たときに分かりやすく、解決への糸口が見つかるかもしれない。
矢印やイコール記号以外にも記号を使って整理して、一つの図が完成した。ペンを置いて、それを眺めてみる。
うむ、とりあえず、被害者の二人はとても仲のいい友人だったということと、そばとうどんとめんつゆは昨日近くのスーパーマーケットで購入したものだということが分かった。
しかし、今回の依頼は『被害者の死亡方法の解明』だ。今日だけではまだ解決しそうにない。
「お疲れ様。紅茶を淹れたから、今日はこれ飲んで休んで。初日から頑張りすぎちゃだめだよ」
はるねちゃんは紅茶を持ってきて、言った。彼女のこういう優しさが好きだ。
「ありがとう、はるねちゃん」
「コップは自分で洗っておいてくれるかしら。あたし、夕飯作るから」
「分かった」
さて、仕事の話はここまでにしよう。考えるのは明日だ。
夕飯を作るはるねちゃんの後ろ姿を見ながら、紅茶を飲んだ。彼女の淹れた紅茶は美味い。ガムシロップと紅茶そのものがいい感じに混ざり合って、絶妙な甘さになる。味もさることながら、香りもいい。疲れが癒される。仕事のあとの一杯ははるねちゃんの淹れた紅茶に限る。
こうして、初日の仕事は終わったのであった。
――――と、思ったそのときであった。事務所の電話がけたたましく鳴り響いた。
「はい、向日葵探偵事務所」
「創真か! 進展したぞ、捜査が」
相手は夏治だった。勢いのある声である。
「進展した? どういうことだよ」
「――――中谷マサルの遺書が見つかったんだ」
夏治はゆっくりと息を吐くように言った。
その夜、夏治の言葉が頭を離れることはなかった。
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