愛情探偵の報告書

雪月 瑠璃

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愛するのにも一苦労 第1話

scene5 被害者その二、村田ヒロムの部屋

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 さて、調査は続く。
 僕たちが向かったのは、被害者のもう一人、村田ヒロムの自宅だった。こちらもアパートで、間取りは1LDK。中谷さんと同じである。
 僕は中谷さんの家で行った調査と同様に、隅から細かく調べを開始した。
 まずは部屋の観察だ。中谷さんの家とは違い、ひどく散らかっていた。床は衣類で埋め尽くされ、テーブルの上はインスタントラーメンやコンビニ弁当のゴミで溢れていた。クローゼットがあるが、ほとんど役に立っていない。扉は開けっ放しで、衣類や日用品が山積みになっている。どこから調べていいか困ってしまうほど、汚い。
 結局、キッチンの調べることにした。僕はここで確認したいことがあった。それは、そばとうどんの有無だ。中谷さんの家には昨日購入したと思われるものを除いて、そばとうどんはなかった。こちらの家にもないとすると、単なる事故とは断言できなくなる。
 三人で協力して、徹底してそばとうどんの捜索を行った。が、それらは発見されなかった。つまり、単なる事故とは考えられない、ということだ。
 キッチンの次はクローゼットの調査を行った。ものが山のようになっているクローゼットだ。何か情報が埋まっているかもしれない。
 予想通り、情報があると思われるところを発見した。クローゼットの中にあった、『絶対失くしてはいけないもの』というラベルが貼られた三段の小さなチェストだ。一段目には数個の印鑑とパスポートなどが入っていた。二段目には保険証やクレジットカード、免許証などのカード類が仕舞ってあった。三段目の引き出しには特別に『マサル』というラベルが貼られていた。開けてみると、そこには一枚のプリクラの写真と鍵が入っていた。男の人が二人、並んで写っている。クローゼットの中だと暗くて見えないから、一旦外に出た。
 改めてプリクラを見る。制服姿の中谷さんと村田さんが写っていて、『俺たち、最高!』と書かれていた。昔から仲が良かったらしい。
「男の人も撮るんのね、プリクラ」
 はるねは僕の持つプリクラを覗いて言った。
「そうみたいだね」
「こういうのって女の子だけのものじゃないのね。男女で撮りに行ったりしてるのとかはよく見るけど」
「男の子だけって珍しいの?」
「うん。たまにゲームセンターとか行くけど、見たことはないわよ」
 高校生視線のいい情報だ。
 さて、チェストに入っていたものはもう一つあるのを忘れてはいけない。鍵だ。確か中谷さんの家にはここの鍵があった。夏治の話だと、ここには中谷さんの家の鍵があったはずだ。
「これが中谷さんの家の鍵かな」
 鍵を見せて訊くと、夏治はうんと頷いた。
 中谷さんと村田さんは互いの家の鍵を持っていた。二人は互いの家に泊まるほど仲が良かった。そして、二人が写る制服姿のプリクラがあった。二人の仲の良さがよく分かる。
 仲のいい二人が、同じ場所でアレルギーによって死亡した。
 その真相とはいったいなんだろうか。
 僕にはまだ、分からない。
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