70 / 214
70
しおりを挟む
職にあぶれた者たちの受け皿である冒険者であるが、全てのものが冒険者になれるわけではない。
いや、なろうとすればなれる様にはしているが、なったからといって生活ができるわけじゃないというのが正しい。
職にあぶれた人が多くなればなるほど、依頼を取り合う相手が増え、残る依頼というのが危険すぎるものだけになっていくのだ。
自分の腕に覚えがある、振るう機会、場所が欲しいといった戦うことを望んでいる者でなければ、やりたいとも思わない依頼である。
冒険者となって依頼を選ぶ自由はあるが、それで生活できない状況であれば選ぶ自由というのはあってないようなものだし、そういった危険があると覚悟した上でなければ冒険者になりたいとも思えないものである。
だからこそ、冒険者からまた別の職に就きたいと考えている者も少なくは無い。
「……そういうものなんですねぇ。冒険者が職の受け皿とは聞いていましたが、ここから違う職に就こうとしたり、就きたいと考えるものなんですねぇ」
マイが感心したようにうなずいている。
「俺たちのように自由にやっていけるってので、冒険者を続けているのもいるし、本当に諦めてただ冒険者を続けてるってのもいるな」
「どうしたって危険というのは有りはするものですが、少しでも安全に暮らしたいですとか、安定した生活をしたいと思うものです」
レッドたちは今日もシュルバーンの宿でまったりとしている。
先日の依頼でまた少し稼ぎを得たため、ゆっくりと滞在できているのである。
もっともあまり長居し続けられるほどの手持ちはないし、もはや帰る家を持っている身であれば、このままここに腰を落ち着けるつもりもないのだ。
「しっかし、なんでまたそんなこと聞いてきたんだ?」
レッドが聞かれたから答えたものの、その経緯を質問する。
「あ~、それはですねぇ」
もうしばらくシュルバーンに滞在する予定ではあったが、温泉に浸かるといっても一日中入るものでもなく、マッフルは満足いくまで食べつくしたし、鉱山があるといても鍛冶場見学などさせてもらえるはずもなく、することがなくなっていたのである。
そこでまた冒険者ギルドで依頼を見ていたのだが、貼りだされていない依頼の受付をしているのが耳に入ったのである。
周囲の冒険者もギルドの職員も一様に応援している雰囲気で、首をかしげていたマイたちに職員が話しをしてくれたのだ。
これはマイたちが王都から来ていることを知っていて、今のやり取りが不正ではないことの説明であったのだが、この世界ではどのような取り決めになっているのか、分かりきっているわけではないマイたちはただ話を聞いてきただけにしかならなかった。
ひとまずわかったのが、先ほどの男性に鍛冶の依頼を優先してまわしているということ。
マイたちはそれだけギルドから信頼があるのかと思うだけであったが、ギルドとしてそんなことはしてはいけない。
腕が頼り無さそうな者が討伐の依頼の手続きにきたら、遠まわしに違う依頼を勧めるということくらいはするが、個人やチームを優先して依頼をまわすというのはギルドとの癒着であり、ほかの冒険者たちの生活を脅かすものになってしまう。
依頼の数が全ての冒険者が受けられるくらいあるわけがなく、しかもそれがそれぞれが十分にこなせる内容とは限らない。
そんな中で優先して依頼を受けられるとなれば、冒険者として日々の生活をなんとか送っている者達にすれば憎らしい相手になるだろう。
賊になったり、野垂れ死ぬということが少しでもないようにと職の受け皿として作られた冒険者でそのようなことを誘発しかねないことが認められることはないのだ。
マイたちが王都のギルドや国に報告を上げれば、このシュルバーンのギルドに調査が入ることになり、結果如何では職員、冒険者が処罰される恐れがあったのである。
だからこそマイたちに不正ではないということの説明をしていたのだが、そういうのもあるんだ程度にしか理解していないマイたちが、レッドにも聞きに行ったのである。
下手に聞きに回るような性格でないこと、レッドたちが親身になり聞きやすい仲になっていたことがギルドにとって幸いだったと言えた。
「まぁ、褒められる話ではないのですが、王都ではさきほどの話はしない方が良いですね。というか、王都から来ている冒険者がいるはずなのに、その前で手続きするとか迂闊すぎますね」
リベルテがギルドの職員に対して呆れたように肩を竦める。
「いや、そこでこそこそと動いていく方が目立たないか? まぁ、ギルドマスターのところに案内するとかして部屋でやるようにすればよかったのかもな。日常的にやってるんだろ。ここのほかの冒険者達も納得というか文句を言いそうな感じではなかったんだろ?」
「はい。どちらかというと応援してる感じでした。だよね? タカヒロ君」
マイがちょっと自信がなくなってきたのかタカヒロに確認をする。
ここまでタカヒロが会話に加わっていないのは、いつものように面倒がって端に居たわけではなかった。
疲労したように横になっているのである。
マイがギルドの職員に説明をされていた際、タカヒロも一緒に聞こうとしたのだが、ここシュルバーンの冒険者達に捕まっていたのだ。
マイたちの様子に気づいて動いたのは職員だけではない。
シュルバーンの冒険者達も動いていたのだ。
タカヒロを取り囲み、必死に事情を説明し、説得していたのだ。
もっともタカヒロとしては大勢に絡まれ、脅されているように感じていたものである。
肩を掴んで揺らされ、バシバシと背中を叩かれ、最後に目の前にごつい顔を寄せて、そう思わないか! と力説されれば、頷いたり相手を肯定する以外に出来ることなどない。
そこに説明が終わったらしいマイが寄ってきて、解放されて今に至っている。
「……ん」
精神的に疲れているタカヒロは何時にもまして喋る気力もなく、頷いて返事するだけだった。
「冒険者全体でとなると、おそらくその方は鍛冶師になりたいのでしょうね。それも元々目指していて、あぶれて冒険者になってもなお。だからこそ応援されているのでしょうね」
リベルテがほっそりとした顎に人差し指を当てながら、考え至ったことを言う。
「え? 就きたいのに就けないってことあるんですか? いや、あるんでしょうけど……。就けないってことはその職に就けるような技能が無い、とかですか?」
「その職に就ける技能なんて、元々持っている人なんていませんよ、マイさん。だからその職に就いたら先に勤めてきた方々に教えを受けて、学びながら出来るようになっていくんです」
「冒険者だって講習あったろ? 最初からできるやつなんていないさ。まぁ、冒険者は雑用が多いから、やれるってのはあるけどな」
職の受け皿である冒険者にそこまで技能を要する依頼というのは、早々無い。
依頼を出す側も足りない人手の代わりを集めるためというのがほとんどである。
「ん~、じゃあ雇ってくれるところって少ないんですか?」
マイが就職ってやっぱり大変だなぁと思いながら質問する。
「そうですねぇ……、必ずしも多くはありませんね。それと時期もあるでしょうか? 例えばここシュルバーンでは鍛冶屋が多く居ます。鉱山がありますからね。そこで月10本の剣を作って納品する仕事を請け負っていたとして、一日で1本作れば十日ですよね? 二人居れば五日で終わってしまいます。そこで他に仕事があればいいのですが、なければ翌月にならないと仕事がありません。この状況では他に三人も四人も雇えませんし、雇う必要もありません」
「え~? 自分たちで何か作って売ったりしないんですか?」
「そういうところもあるのでしょうが、潤沢に鉄などの材料を仕入れられるところでなければ難しいでしょうね。シュルバーンで取れる鉱石はここに多く残されるでしょうが、王都やハーバランドなどほかの地域にも回されるますから。前も言ったと思いますが、限りがある資源なんです。溢れるほどに取れるものではないのですよ?」
リベルテがマイを諭すように優しく教えてくれる。
「そいつは鍛冶屋に雇われずに冒険者になったが、諦められずに、諦めずにいるんだろうよ。だから少しでも接点をもてるように鍛冶の依頼を回してもらえてるんだな」
「それで鍛冶師になれるんですか?」
マイが当然の疑問をする。
「さぁな。鍛冶場に、その近くに居られるだけでも少しは満足できるもんはあるだろ。実際に鍛冶を頼む依頼なんてのはないから、物を運ぶ手伝いくらいだろうが、もしかしたらその働きから声かけてもらえるかもしれない」
「そうなればいいですねぇ」
レッドの言葉にマイは心からそうなればいいのにと願う。
「マイさんたちも、違う就きたい職があれば目指して良いのですからね」
リベルテが優しく微笑む。
「え?」
マイがキョトンとしてリベルテとレッドの顔を見る。
「冒険者になったからって他の職に就けないわけじゃない。今さっきのように鍛冶師目指してるやつもいるんだ。おまえさんたちもいいんだぜ?」
「いえ! レッドさんたちと一緒ですし、冒険者に不満はないです。一緒に居ちゃだめですか?」
マイが上目遣いでレッドたちを見る。
「いえ、そんなことはありませんよ。私達も一緒にいてくれるとうれしいですから」
「リベルテさん!」
マイがリベルテに抱きつき、リベルテがやさしくその背中をあやすように叩く。
元々が『神の玩具』と呼ばれる者達と思しきマイたちを、監視しつつこの国を知ってもらい、その力で暴れないようにしてもらおうとしてきたものだった。
だが、ここまで過ごしてきて楽しいことも辛いことも経験した二人を側で見て、大丈夫なんじゃないかと思ったのだ。
そして一人の人として扱ってこなかったんじゃないかと反省したレッドとリベルテが、マイたちの意思を尊重することにしたのが、先の言葉だった。
だが、少なくともマイはレッドたちと居たいと言ってくれたことが嬉しかった。
タカヒロは疲れて寝てしまっていたが、安心しているような寝姿からマイと同じ思いを持ってくれているように感じられる。
「これからもよろしくお願いしますね」
「はい。こちらこそ」
二人の女性が手を取り合い、笑っている。
この国に住まう全ての人が笑い合えるようになればいいなと見ていた。
ある工房で作られた剣には厚みがあり、芯がしっかりしている物が混じるようになったという。
いや、なろうとすればなれる様にはしているが、なったからといって生活ができるわけじゃないというのが正しい。
職にあぶれた人が多くなればなるほど、依頼を取り合う相手が増え、残る依頼というのが危険すぎるものだけになっていくのだ。
自分の腕に覚えがある、振るう機会、場所が欲しいといった戦うことを望んでいる者でなければ、やりたいとも思わない依頼である。
冒険者となって依頼を選ぶ自由はあるが、それで生活できない状況であれば選ぶ自由というのはあってないようなものだし、そういった危険があると覚悟した上でなければ冒険者になりたいとも思えないものである。
だからこそ、冒険者からまた別の職に就きたいと考えている者も少なくは無い。
「……そういうものなんですねぇ。冒険者が職の受け皿とは聞いていましたが、ここから違う職に就こうとしたり、就きたいと考えるものなんですねぇ」
マイが感心したようにうなずいている。
「俺たちのように自由にやっていけるってので、冒険者を続けているのもいるし、本当に諦めてただ冒険者を続けてるってのもいるな」
「どうしたって危険というのは有りはするものですが、少しでも安全に暮らしたいですとか、安定した生活をしたいと思うものです」
レッドたちは今日もシュルバーンの宿でまったりとしている。
先日の依頼でまた少し稼ぎを得たため、ゆっくりと滞在できているのである。
もっともあまり長居し続けられるほどの手持ちはないし、もはや帰る家を持っている身であれば、このままここに腰を落ち着けるつもりもないのだ。
「しっかし、なんでまたそんなこと聞いてきたんだ?」
レッドが聞かれたから答えたものの、その経緯を質問する。
「あ~、それはですねぇ」
もうしばらくシュルバーンに滞在する予定ではあったが、温泉に浸かるといっても一日中入るものでもなく、マッフルは満足いくまで食べつくしたし、鉱山があるといても鍛冶場見学などさせてもらえるはずもなく、することがなくなっていたのである。
そこでまた冒険者ギルドで依頼を見ていたのだが、貼りだされていない依頼の受付をしているのが耳に入ったのである。
周囲の冒険者もギルドの職員も一様に応援している雰囲気で、首をかしげていたマイたちに職員が話しをしてくれたのだ。
これはマイたちが王都から来ていることを知っていて、今のやり取りが不正ではないことの説明であったのだが、この世界ではどのような取り決めになっているのか、分かりきっているわけではないマイたちはただ話を聞いてきただけにしかならなかった。
ひとまずわかったのが、先ほどの男性に鍛冶の依頼を優先してまわしているということ。
マイたちはそれだけギルドから信頼があるのかと思うだけであったが、ギルドとしてそんなことはしてはいけない。
腕が頼り無さそうな者が討伐の依頼の手続きにきたら、遠まわしに違う依頼を勧めるということくらいはするが、個人やチームを優先して依頼をまわすというのはギルドとの癒着であり、ほかの冒険者たちの生活を脅かすものになってしまう。
依頼の数が全ての冒険者が受けられるくらいあるわけがなく、しかもそれがそれぞれが十分にこなせる内容とは限らない。
そんな中で優先して依頼を受けられるとなれば、冒険者として日々の生活をなんとか送っている者達にすれば憎らしい相手になるだろう。
賊になったり、野垂れ死ぬということが少しでもないようにと職の受け皿として作られた冒険者でそのようなことを誘発しかねないことが認められることはないのだ。
マイたちが王都のギルドや国に報告を上げれば、このシュルバーンのギルドに調査が入ることになり、結果如何では職員、冒険者が処罰される恐れがあったのである。
だからこそマイたちに不正ではないということの説明をしていたのだが、そういうのもあるんだ程度にしか理解していないマイたちが、レッドにも聞きに行ったのである。
下手に聞きに回るような性格でないこと、レッドたちが親身になり聞きやすい仲になっていたことがギルドにとって幸いだったと言えた。
「まぁ、褒められる話ではないのですが、王都ではさきほどの話はしない方が良いですね。というか、王都から来ている冒険者がいるはずなのに、その前で手続きするとか迂闊すぎますね」
リベルテがギルドの職員に対して呆れたように肩を竦める。
「いや、そこでこそこそと動いていく方が目立たないか? まぁ、ギルドマスターのところに案内するとかして部屋でやるようにすればよかったのかもな。日常的にやってるんだろ。ここのほかの冒険者達も納得というか文句を言いそうな感じではなかったんだろ?」
「はい。どちらかというと応援してる感じでした。だよね? タカヒロ君」
マイがちょっと自信がなくなってきたのかタカヒロに確認をする。
ここまでタカヒロが会話に加わっていないのは、いつものように面倒がって端に居たわけではなかった。
疲労したように横になっているのである。
マイがギルドの職員に説明をされていた際、タカヒロも一緒に聞こうとしたのだが、ここシュルバーンの冒険者達に捕まっていたのだ。
マイたちの様子に気づいて動いたのは職員だけではない。
シュルバーンの冒険者達も動いていたのだ。
タカヒロを取り囲み、必死に事情を説明し、説得していたのだ。
もっともタカヒロとしては大勢に絡まれ、脅されているように感じていたものである。
肩を掴んで揺らされ、バシバシと背中を叩かれ、最後に目の前にごつい顔を寄せて、そう思わないか! と力説されれば、頷いたり相手を肯定する以外に出来ることなどない。
そこに説明が終わったらしいマイが寄ってきて、解放されて今に至っている。
「……ん」
精神的に疲れているタカヒロは何時にもまして喋る気力もなく、頷いて返事するだけだった。
「冒険者全体でとなると、おそらくその方は鍛冶師になりたいのでしょうね。それも元々目指していて、あぶれて冒険者になってもなお。だからこそ応援されているのでしょうね」
リベルテがほっそりとした顎に人差し指を当てながら、考え至ったことを言う。
「え? 就きたいのに就けないってことあるんですか? いや、あるんでしょうけど……。就けないってことはその職に就けるような技能が無い、とかですか?」
「その職に就ける技能なんて、元々持っている人なんていませんよ、マイさん。だからその職に就いたら先に勤めてきた方々に教えを受けて、学びながら出来るようになっていくんです」
「冒険者だって講習あったろ? 最初からできるやつなんていないさ。まぁ、冒険者は雑用が多いから、やれるってのはあるけどな」
職の受け皿である冒険者にそこまで技能を要する依頼というのは、早々無い。
依頼を出す側も足りない人手の代わりを集めるためというのがほとんどである。
「ん~、じゃあ雇ってくれるところって少ないんですか?」
マイが就職ってやっぱり大変だなぁと思いながら質問する。
「そうですねぇ……、必ずしも多くはありませんね。それと時期もあるでしょうか? 例えばここシュルバーンでは鍛冶屋が多く居ます。鉱山がありますからね。そこで月10本の剣を作って納品する仕事を請け負っていたとして、一日で1本作れば十日ですよね? 二人居れば五日で終わってしまいます。そこで他に仕事があればいいのですが、なければ翌月にならないと仕事がありません。この状況では他に三人も四人も雇えませんし、雇う必要もありません」
「え~? 自分たちで何か作って売ったりしないんですか?」
「そういうところもあるのでしょうが、潤沢に鉄などの材料を仕入れられるところでなければ難しいでしょうね。シュルバーンで取れる鉱石はここに多く残されるでしょうが、王都やハーバランドなどほかの地域にも回されるますから。前も言ったと思いますが、限りがある資源なんです。溢れるほどに取れるものではないのですよ?」
リベルテがマイを諭すように優しく教えてくれる。
「そいつは鍛冶屋に雇われずに冒険者になったが、諦められずに、諦めずにいるんだろうよ。だから少しでも接点をもてるように鍛冶の依頼を回してもらえてるんだな」
「それで鍛冶師になれるんですか?」
マイが当然の疑問をする。
「さぁな。鍛冶場に、その近くに居られるだけでも少しは満足できるもんはあるだろ。実際に鍛冶を頼む依頼なんてのはないから、物を運ぶ手伝いくらいだろうが、もしかしたらその働きから声かけてもらえるかもしれない」
「そうなればいいですねぇ」
レッドの言葉にマイは心からそうなればいいのにと願う。
「マイさんたちも、違う就きたい職があれば目指して良いのですからね」
リベルテが優しく微笑む。
「え?」
マイがキョトンとしてリベルテとレッドの顔を見る。
「冒険者になったからって他の職に就けないわけじゃない。今さっきのように鍛冶師目指してるやつもいるんだ。おまえさんたちもいいんだぜ?」
「いえ! レッドさんたちと一緒ですし、冒険者に不満はないです。一緒に居ちゃだめですか?」
マイが上目遣いでレッドたちを見る。
「いえ、そんなことはありませんよ。私達も一緒にいてくれるとうれしいですから」
「リベルテさん!」
マイがリベルテに抱きつき、リベルテがやさしくその背中をあやすように叩く。
元々が『神の玩具』と呼ばれる者達と思しきマイたちを、監視しつつこの国を知ってもらい、その力で暴れないようにしてもらおうとしてきたものだった。
だが、ここまで過ごしてきて楽しいことも辛いことも経験した二人を側で見て、大丈夫なんじゃないかと思ったのだ。
そして一人の人として扱ってこなかったんじゃないかと反省したレッドとリベルテが、マイたちの意思を尊重することにしたのが、先の言葉だった。
だが、少なくともマイはレッドたちと居たいと言ってくれたことが嬉しかった。
タカヒロは疲れて寝てしまっていたが、安心しているような寝姿からマイと同じ思いを持ってくれているように感じられる。
「これからもよろしくお願いしますね」
「はい。こちらこそ」
二人の女性が手を取り合い、笑っている。
この国に住まう全ての人が笑い合えるようになればいいなと見ていた。
ある工房で作られた剣には厚みがあり、芯がしっかりしている物が混じるようになったという。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました
久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。
魔法が使えるようになった人類。
侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。
カクヨム公開中。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる