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4 顔合わせ
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あれから三日後。
ついにリリアンナはアレン王子との顔合わせの日を迎えていた。
リリアンナが招待された時間は午後の3時。
午後のお茶をご一緒しましょうというお話だった。
朝から念入りに身支度を整えられて、そろそろ疲れてきているリリアンナだった。
(はあ、無事にシャーリーが侍女になれたのはよかったのですが、まさかシャーリーも王子に会いに行くと言い出すとは……………。)
あれからリリアンナはシャーリーが思ったよりも心配性だということに気がついた。
シャーリーいわく、リリアンナはいじめがいのある可愛い顔をしているそうで、ドS王子にいじめられないか心配だそうだ。
(アレン王子なんて返り討ちにしてやります!)
リリアンナが、そんなことを考えていたことを後悔することになるのは数時間後だった。
「リリアンナ、今日はそんなに堅苦しくならなくていいぞ。ただの顔合わせだ。もし何かあって婚約の話がなくなっても公爵家にとって損はない。」
馬車の中で、父親とシャーリーの3人でいるとリリアンナに父親のエルラドが話しかけた。
(普段厳しい顔のお父様が優しい言葉をかけてくださるなんて……。今日は雪でも降るのでしょうか?)
快晴の空を見つめてリリアンナは暢気にそんなことを考えていると、どうやら城に着いたようだ。
「ありがとうございます、お父様。ですが私なりに精一杯頑張ります。」
「そうか………………。」
馬車を降りてしまったリリアンナは眩しそうに自分を見つめるエルラドに気づかなかった。
あれから、「二人だけで話す時間も必要だろう。」という国王さまの言葉でいきなりアラン王子が待つという庭のテラスに連れていかれることになった。
(いきなりアラン王子と会うことになるなんて!想定外です………。)
リリアンナが意を決してテラスに足を踏み入れると、そこには藍色の髪をポニーテールにしたグレーの瞳の、女の子にしてはやたらと目付きの鋭い子供がいた。
(なんて美しい顔なの…………!これがこうりゃくたいしょうとやらの力なのですね。それにこの方、私と同じ10歳にはとても見えません。なんだか大人びてる…………。)
「あの~、私、本日窺わせて頂く予定のリリアンナ・ドーチェスと……………」
「なんだ貴様は。こんな幼児が相手とは聞いてないぞ。」
カチン。
とその台詞にリリアンナは固まった。
「なんだ?本当に10歳なのか?」
そのからかうような言葉にリリアンナはカチンと来る。
(別にいいです!シャーリーに可愛いって言ってもらえましたし!べ、別にこの人にこんな意地悪なこと言われても…………ううっやっぱり地味に傷つきます。私って子供っぽい?)
頬っぺたを膨らませて赤くなるリリアンナをじっとアラン王子が見つめていたことに本人は気づいていなかった。
「おいっ!黙っていないで何か言ったらどうだ?」
「ひょっほっ!いはいえす!」
いきなりアラン王子がリリアンナの両頬をつねったため、リリアンナの反論は聞き入れられなかった。
(気のせいか、アラン王子の顔が少し赤い気が…………。ってそれよりもとんでもなく意地悪な人です。シャーリーをこんな人には渡せません!)
ようやくアラン王子が満足して手を離す頃にはリリアンナは疲れきっていた。
「何をするんですか!痛かったです。」
リリアンナが必死に抗議するもアラン王子は全く悪びれた様子がない。
「そんなのお前が………………………いや、なんでもない。」
アラン王子は一言いかけてやめると再びリリアンナに目を向けてこう言い放った。
「お前は面白い。俺の婚約者になれ。」
ついにリリアンナはアレン王子との顔合わせの日を迎えていた。
リリアンナが招待された時間は午後の3時。
午後のお茶をご一緒しましょうというお話だった。
朝から念入りに身支度を整えられて、そろそろ疲れてきているリリアンナだった。
(はあ、無事にシャーリーが侍女になれたのはよかったのですが、まさかシャーリーも王子に会いに行くと言い出すとは……………。)
あれからリリアンナはシャーリーが思ったよりも心配性だということに気がついた。
シャーリーいわく、リリアンナはいじめがいのある可愛い顔をしているそうで、ドS王子にいじめられないか心配だそうだ。
(アレン王子なんて返り討ちにしてやります!)
リリアンナが、そんなことを考えていたことを後悔することになるのは数時間後だった。
「リリアンナ、今日はそんなに堅苦しくならなくていいぞ。ただの顔合わせだ。もし何かあって婚約の話がなくなっても公爵家にとって損はない。」
馬車の中で、父親とシャーリーの3人でいるとリリアンナに父親のエルラドが話しかけた。
(普段厳しい顔のお父様が優しい言葉をかけてくださるなんて……。今日は雪でも降るのでしょうか?)
快晴の空を見つめてリリアンナは暢気にそんなことを考えていると、どうやら城に着いたようだ。
「ありがとうございます、お父様。ですが私なりに精一杯頑張ります。」
「そうか………………。」
馬車を降りてしまったリリアンナは眩しそうに自分を見つめるエルラドに気づかなかった。
あれから、「二人だけで話す時間も必要だろう。」という国王さまの言葉でいきなりアラン王子が待つという庭のテラスに連れていかれることになった。
(いきなりアラン王子と会うことになるなんて!想定外です………。)
リリアンナが意を決してテラスに足を踏み入れると、そこには藍色の髪をポニーテールにしたグレーの瞳の、女の子にしてはやたらと目付きの鋭い子供がいた。
(なんて美しい顔なの…………!これがこうりゃくたいしょうとやらの力なのですね。それにこの方、私と同じ10歳にはとても見えません。なんだか大人びてる…………。)
「あの~、私、本日窺わせて頂く予定のリリアンナ・ドーチェスと……………」
「なんだ貴様は。こんな幼児が相手とは聞いてないぞ。」
カチン。
とその台詞にリリアンナは固まった。
「なんだ?本当に10歳なのか?」
そのからかうような言葉にリリアンナはカチンと来る。
(別にいいです!シャーリーに可愛いって言ってもらえましたし!べ、別にこの人にこんな意地悪なこと言われても…………ううっやっぱり地味に傷つきます。私って子供っぽい?)
頬っぺたを膨らませて赤くなるリリアンナをじっとアラン王子が見つめていたことに本人は気づいていなかった。
「おいっ!黙っていないで何か言ったらどうだ?」
「ひょっほっ!いはいえす!」
いきなりアラン王子がリリアンナの両頬をつねったため、リリアンナの反論は聞き入れられなかった。
(気のせいか、アラン王子の顔が少し赤い気が…………。ってそれよりもとんでもなく意地悪な人です。シャーリーをこんな人には渡せません!)
ようやくアラン王子が満足して手を離す頃にはリリアンナは疲れきっていた。
「何をするんですか!痛かったです。」
リリアンナが必死に抗議するもアラン王子は全く悪びれた様子がない。
「そんなのお前が………………………いや、なんでもない。」
アラン王子は一言いかけてやめると再びリリアンナに目を向けてこう言い放った。
「お前は面白い。俺の婚約者になれ。」
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