6 / 6
5 恋の始まり?
しおりを挟む
「な、ななんで私があなたの婚約者になるんですか?!私のこと幼児とかいったくせに…………。」
基本的に誰にでも丁寧に話すリリアンナだったが、さすがの動揺に相手が王子だということも忘れて言い返してしまった。
「気が変わった。お前と婚約するのも案外楽しそうだしな。精々楽しませてくれよ?」
「やです!」
(なんて横暴な人なのですか!シャーリーの言った通り人をいたぶるのが好きな変態なんですね!)
「なんだ?文句があるのか?まあ、お前の顔なんて全然怖くないけどな。それにお前の口の聞き方、とても王族に対するものとは思えないな。不敬罪で牢屋に入れようか……………」
「…………グスッ。それはダメです。シャーリーに会えなくなっちゃう。」
余りのショックにグスグスと泣き始めたリリアンナに、アランは戸惑った顔をした。
彼にとって女性に目の前で泣かれるということは初めての経験で何をどうすればいいのかわからなかったのだ。
(っていうかシャーリーって誰だ。こいつが俺以外を慕うなんて全くもって面白くないな。)
「おいっ、泣くなよ。悪かった、今のはちょっとした冗談だ。…………………でも、そのシャーリーって何者だ?」
(私としたことが…………!敵に自らシャーリーのことを教えてしまいました!どうしましょう。)
「……………………シ、シャーリーは猫の名前です。私が飼っている。」
「フンッ、嘘だな。」
「どうしてわかったのですかっ?」
「やはり嘘だったんだな。全く、俺に嘘をつくなんて呆れたやつだな。いいからさっさとそのシャーリーとやらを俺に見せろ。命令だ。」
(なんだか怖いっ。アラン王子がなんだか怒ってみたいです。)
リリアンナはなんとかシャーリーを守ろうと考えていたが自分より一枚上手のアラン王子に対して勝てる気がしなかった。
情けないと落ち込んでいるとアラン王子が思わぬ提案をしてきた。
「それと、これからは婚約者になるんだから俺のとこはアランと呼んでいいぞ、リリー。」
(リリー?それって私のことですか?)
「そんなふうに呼べません。それに呼んだらまた不敬罪で捕まえるとか言いませんか?」
「お前少しは学習したな…………。じゃなくて、そんなことは流石にしない。言っておくが俺は婚約者には優しくする主義なんだ。」
(嘘つけーーー!!さっきからずっと私をからかって遊んでるくせにっ。)
結局父と一緒に自分を待つシャーリーにアラン王子を会わせなくてはいけなくなるリリアンナだった。
「こいつがリリーの言っていたシャーリーか?なんだかぱっとしない女だな。お前が天使とか言うから期待しただろ?」
(リリーの方がよっぽど可愛い!なんでこんな女がリリーのお気に入りなんだ。)
「リリー?今すぐこんな無礼な男とは婚約破棄しなさい?私が叩きのめしてやるわ!」
(こいつ!さっそくリリーのことを苛めてる。いくら私のリリーが可愛いからって!許せないわ!)
出逢ってすぐに犬猿の仲になるアラン王子とシャーリーを見て、 リリアンナはなぜか寂しそうな顔をする。
「二人とも仲がいいのですね。」
(これが恋に落ちるという状態なのでしょうか。)
((ぜっっったいに違う!!!))
アラン王子とシャーリーの心の声が被った瞬間だった。
基本的に誰にでも丁寧に話すリリアンナだったが、さすがの動揺に相手が王子だということも忘れて言い返してしまった。
「気が変わった。お前と婚約するのも案外楽しそうだしな。精々楽しませてくれよ?」
「やです!」
(なんて横暴な人なのですか!シャーリーの言った通り人をいたぶるのが好きな変態なんですね!)
「なんだ?文句があるのか?まあ、お前の顔なんて全然怖くないけどな。それにお前の口の聞き方、とても王族に対するものとは思えないな。不敬罪で牢屋に入れようか……………」
「…………グスッ。それはダメです。シャーリーに会えなくなっちゃう。」
余りのショックにグスグスと泣き始めたリリアンナに、アランは戸惑った顔をした。
彼にとって女性に目の前で泣かれるということは初めての経験で何をどうすればいいのかわからなかったのだ。
(っていうかシャーリーって誰だ。こいつが俺以外を慕うなんて全くもって面白くないな。)
「おいっ、泣くなよ。悪かった、今のはちょっとした冗談だ。…………………でも、そのシャーリーって何者だ?」
(私としたことが…………!敵に自らシャーリーのことを教えてしまいました!どうしましょう。)
「……………………シ、シャーリーは猫の名前です。私が飼っている。」
「フンッ、嘘だな。」
「どうしてわかったのですかっ?」
「やはり嘘だったんだな。全く、俺に嘘をつくなんて呆れたやつだな。いいからさっさとそのシャーリーとやらを俺に見せろ。命令だ。」
(なんだか怖いっ。アラン王子がなんだか怒ってみたいです。)
リリアンナはなんとかシャーリーを守ろうと考えていたが自分より一枚上手のアラン王子に対して勝てる気がしなかった。
情けないと落ち込んでいるとアラン王子が思わぬ提案をしてきた。
「それと、これからは婚約者になるんだから俺のとこはアランと呼んでいいぞ、リリー。」
(リリー?それって私のことですか?)
「そんなふうに呼べません。それに呼んだらまた不敬罪で捕まえるとか言いませんか?」
「お前少しは学習したな…………。じゃなくて、そんなことは流石にしない。言っておくが俺は婚約者には優しくする主義なんだ。」
(嘘つけーーー!!さっきからずっと私をからかって遊んでるくせにっ。)
結局父と一緒に自分を待つシャーリーにアラン王子を会わせなくてはいけなくなるリリアンナだった。
「こいつがリリーの言っていたシャーリーか?なんだかぱっとしない女だな。お前が天使とか言うから期待しただろ?」
(リリーの方がよっぽど可愛い!なんでこんな女がリリーのお気に入りなんだ。)
「リリー?今すぐこんな無礼な男とは婚約破棄しなさい?私が叩きのめしてやるわ!」
(こいつ!さっそくリリーのことを苛めてる。いくら私のリリーが可愛いからって!許せないわ!)
出逢ってすぐに犬猿の仲になるアラン王子とシャーリーを見て、 リリアンナはなぜか寂しそうな顔をする。
「二人とも仲がいいのですね。」
(これが恋に落ちるという状態なのでしょうか。)
((ぜっっったいに違う!!!))
アラン王子とシャーリーの心の声が被った瞬間だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
29
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる