上 下
37 / 65
魔法使いバトル編

32

しおりを挟む

あれから約2週間。
平穏すぎてすっかり忘れていた。

私とレイが魔法使いバトルにエントリーしていたことを……。




それは今朝のこと。
担任のルータ先生は教室にやって来るなり、とんでもない発言をしたのだ。


「極秘事項が多かった魔法使いバトルだけど、一次審査の日程が発表されたの!」


あっ、そういえば魔法使いバトルなんてものあったな……。

私はこのときになってやっと魔法使いバトルの存在を思い出した。

というかそもそも一次審査ってなに?


「おい、一次審査ってなんだ?」


レイも同じことを疑問に思ったようだ。


「あら、言ってなかった?一次審査っていうのは要はエントリーした人たちをふるいにかける課題のことよ。一次審査と二次審査に通った人たちだけが生徒同士の試合に出場出来るという仕組みなのよ!」

「そうなんですか!」


知らなかった。
でもそれじゃあ一次審査では何をすればいいんだろう?


「シュタイナーさん、貴方今一次審査では何をすればいいの?とか考えてるでしょう?」

「何で分かったんですか?!」

「それはそう顔に書いてあるからよ。貴方も分かりやすいわねぇ。」


なんだかちょっと呆れたように言われてしまい、私ってそんなに分かりやすかったのか?と落ち込んでしまった。


「あの女の言うことなんか気にするな。そこがアイリーンの素直で良いところだ。俺はそんなところも好きだぞ?」

「あ、ありがと……。」


いつものことながら、レイに好きだと言われると胸がドキドキして顔が熱くなる。

人前だから恥ずかしくてドキドキしてるのかも。
うん、きっとそうだ。


「ああ、やだわっ。独り身の私にはそのいちゃつきは堪えるのよ!」


ついこの間、アンナにも同じようなことを言われたような……。


「ひがむな、ばばあ。いくら俺とアイリーンが羨ましいからと……。そう言えば、父さんも心配してたぞ?自分の妹がずっと独身のままだとな。」

「余計なお世話よ!」


そんなことより、何か忘れているような……?


「まあ、とにかく魔法使いバトル一次審査の日程は一週間後だから今日の放課後にある説明会に出てちょうだい!」

「「ええっ!」」


それを先に言ってよ!
もうすぐじゃない!!

って言うか先生、そんな大事な話をよく最後に回せましたね?






しおりを挟む

処理中です...