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真夏の昼の会合
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数日後
○校舎入口付近
【SE 自動ドア】
明 自動ドアが開いた途端、
目の前に座る智史現れる。
明 「金沢⁉」
智史「・・・・・・」
智史 目だけ動かし、
読書に戻る。
明 「チラ見するだけかー。
向かいの席いい?」
智史「好きにしろ」
明 「それじゃあ失礼して、よっと。
何読んでるんだ?」
智史「・・・」(ブレス)
明 「・・・」(ブレス)
智史「・・・・・・」(ブレス)
明 「・・・・・・」(ブレス)
智史「・・・・・・・・・」(ブレス)
明 「・・・・・・・・・」(ブレス)
勇介「放送事故かよ、何か話せ‼」
伙音「大学入ってこれは、ホラー」
明 「あ、二人とも、おはよ」
勇介「おはよって、もう放課後だけどな」
伙音「おはよう」
勇介「伙音もナチュラルに返すな」
明 「二人はほんと仲良しだよな。
いつも一緒にいるし」
勇介「幼馴染だし、多少はね?」
伙音「勝手に付いてくるだけ」
勇介「伙音⁈」
伙音「事実」
勇介「マジか、
相思相愛だとばかり思ってたぜ」
伙音「興味ない」
明 「フられたね」
勇介「と思うじゃん。
これがこいつの愛情表現なんだよ、
いわゆるツンデレさんなのだ!」
伙音「あぶるよ」
勇介「な、可愛いだろう?」
伙音「あぶる」
勇介「痛い、痛いから蹴るな、痛い。
踵でつま先踏むの止めて!」
智史「読書の邪魔だ」
明 「あ、すまない」
勇介「テスト期間にベンチに腰掛け、
悠々と読書とは余裕だねえ」
智史「なにか警戒する科目があったか?」
勇介「ムキ―聞きました、北川さん。
あの人、
統計は余裕だと抜かしましたわよ、
さすがはキャンパス始まって
以来の天才は
言うことが違いますわね」
伙音「気持ち悪いから、土に還って」
勇介「死ねと」
明 「あれ講義普通に受けてれば解ける。
講義中寝てるのがいけない」
勇介「こんのぉ裏切り者がぁぁあ!!」
智史「暗算でも解ける」
勇介「あんたって人はぁぁあ!!!」
伙音「うるさい」
勇介「はい」
明 「あはは。これが何十年も
寄り添った者同士の掛け合いか」
勇介「んや、こいつ小学校上がって
三年で海外に行ったぜ。
んで、たまたまこの大学で再会した」
明 「十一年ぶりの再会って」
智史「どういう確率だ」
明 「しかも、
同じキャンパスを選ぶんだもんな」
勇介「運命だろう」
伙音「ない」
勇介「即答かよ。まあ、いいや。
そんなことより、統計教えて?」
智史「なぜ、僕が?」
勇介「いいじゃん、金沢先生マジ尊敬!
英語で
ゴールデンティーチャーオベイ‼
そうつまり略して、G・T」
伙音「言わせないよ」
明 「・・・先にスタジオ行こうか」
智史「肝心の立花が講義中だがな」
伙音「未優もいない」
下野・神田 歩いてくる。
下野「やっぱ未優って単純」
神田「持つべきものは友だちよねぇ、
便利な」
下野「これからどうする?
カラオケでも行く?」
神田「いいね。オールしよ、オール」
下野・神田 高笑い
しながら出口へ。
勇介「おい、お前ら」
伙音 勇介が
言い切る前に止める。
伙音「違う。勇介が怒るの違う」
勇介「伙音」
下野 神田と呟きながら退場。
【SE 自動ドア】
伙音「未優は確か、情報の講義」
明 「PC室だな、行こう」
智史「お人よしだな」
明 「仲間のピンチなんだ、仕方ない」
明 走る。
【SE 走る音】
智史「仲間・・・か」
明一行 PC室に入る。
【SE 扉②】
明 「いた。って一人・・・」
未優「あ、明くん。
それに勇介くんに伙音ちゃんまで、
どうしたの?」
勇介「どうしたの?
じゃねえよ、何やってんだ」
未優「明日提出の課題だよ。
調べたことをパワポにまとめるやつ」
伙音「介護のやつ?」
未優「うん」
明 「グループワークじゃなかったっけ」
未優「そうだけど。制作の下ちゃん
パソコン壊れて
出来なかったんだって。
二人ともこのあとバイトだって
言うから、私一人でしてるだけだよ」
伙音「大丈夫?」
【SE 刺す音】
未優「うん、大丈夫。入学してから
ずっと良くしてくれてるし、
これくらいはね」
勇介「なんなら手伝うぜ」
【SE 刺す音】
未優「平気だよ、私の班の課題だから」
明 「そうだよな、
バイトなら仕方ないもんな」
未優「うん…」
明 未優の隣に座り、
PCを起動させる。
未優「なにしてるの」
明 「パートナーがいないんじゃ
何も出来ないからね」
智史「ほんとお人よしだな。
本人が大丈夫だと言っているんだ、
無理に手伝う方が迷惑だろう」
明 「いいんだよ、
俺がしたいからしてるんだし」
智史「馬鹿らしい」
勇介「様子を見に来てる時点で
人のこと言えないと思うけどな」
明 「勇介、資料整理してくれないか」
勇介「うぃー。って、何この資料の量
めっちゃ調べてるじゃん、真面目か」
伙音「勇介よりは遥かに」
勇介「適当で悪かったなぁー」
明 「未優、この資料は?」
未優「それは相談件数の増加割合を
データにしたやつだよ」
伙音「お手製」
勇介「わざわざ集めた資料から
新しい資料作っちまうとはな、
真面目か!」
伙音「このパワポの全体のデザイン、
オレンジ色の方がいい」
勇介「無視ですか」
智史「お人よしの集まりか、ここは」
未優「・・・・・・んーー、何か変だな」
智史「はぁ・・・」
【SE 足音】
智史「馬鹿者。プレゼン資料に
こんなに文字を並べる阿呆が
どこにいる。
パワポは口頭だけで
伝えられない情報、複雑なデータを
補完するための
視覚的資料に過ぎない。
パッと見で何のデータなのか、
何が言いたいのか
わからなければ話にならないだろう。
詳しいことは口で説明すればいい」
勇介「結局手伝うんじゃん」
智史「あまりにとろい」
勇介「けっよく言うぜ。
読書してれば良かっただろう」
智史「お前らがトロトロやってる間に
立花が来たらどうする?
あれは僕のて手には負えない」
勇介「あ・・・」
智史「分かったな。
今度からはそのない頭で考えて喋れ」
勇介「いちいち棘ある言い方しやがって、
智史はもっと俺に優しくするべきだ」
智史「お前はもっと環境に優しくなれ」
勇介「か、環境⁉」
伙音「環境だけじゃない」
智史「もはや、勇介は
地球規模で汚染存在だ」
勇介「うわぁぁ、許してくれ、地球!!!
てか、俺凄くね?」
未優「ポジティブだね」
明 「ポジティブだな」
伙音「ウザい」
勇介「最後のは悪口だ!」
智史「全部悪口だ」
勇介「なんてこった! パンナコッタ!」
立花「あんたたち」
智史「げっ立花」
立花「げっとはまた随分な挨拶ねえ、智史」
明 「笑顔こわ」
勇介「あー桑原桑原」
立花「講義が早く終わったから
急いで来てみれば誰もいないわ。
PC室から騒がしい声が
聞こえてくるわ、私だけのけ者で
ワイワイやっちゃってさ」
勇介「安心してくれ、団長。
獣はいても、のけ者はいないから」
未優「獣もいないよ?」
明 「勇介は野獣だから」
勇介「いいよ来いよ」
立花「帰ってもらっていい?」
勇介「すみません、許してください、
何でもしますから」
明 「板についてるんだな」
智史「そういう趣味なのかも知れないぞ」
明 「俺たちピンチだ」
立花「はあ、事態は想像に難くないわ。
待ってあげるから
三十分で仕上げなさい」
明&智史「了解」
勇介「オーライ」
未優&伙音「分かった」
勇介「あ、帰りに肉まん食おうぜ」
未優「夏なのに?」
勇介「夏なのに」
明 「喉が乾きますね・・・」
○校舎入口付近
【SE 自動ドア】
明 自動ドアが開いた途端、
目の前に座る智史現れる。
明 「金沢⁉」
智史「・・・・・・」
智史 目だけ動かし、
読書に戻る。
明 「チラ見するだけかー。
向かいの席いい?」
智史「好きにしろ」
明 「それじゃあ失礼して、よっと。
何読んでるんだ?」
智史「・・・」(ブレス)
明 「・・・」(ブレス)
智史「・・・・・・」(ブレス)
明 「・・・・・・」(ブレス)
智史「・・・・・・・・・」(ブレス)
明 「・・・・・・・・・」(ブレス)
勇介「放送事故かよ、何か話せ‼」
伙音「大学入ってこれは、ホラー」
明 「あ、二人とも、おはよ」
勇介「おはよって、もう放課後だけどな」
伙音「おはよう」
勇介「伙音もナチュラルに返すな」
明 「二人はほんと仲良しだよな。
いつも一緒にいるし」
勇介「幼馴染だし、多少はね?」
伙音「勝手に付いてくるだけ」
勇介「伙音⁈」
伙音「事実」
勇介「マジか、
相思相愛だとばかり思ってたぜ」
伙音「興味ない」
明 「フられたね」
勇介「と思うじゃん。
これがこいつの愛情表現なんだよ、
いわゆるツンデレさんなのだ!」
伙音「あぶるよ」
勇介「な、可愛いだろう?」
伙音「あぶる」
勇介「痛い、痛いから蹴るな、痛い。
踵でつま先踏むの止めて!」
智史「読書の邪魔だ」
明 「あ、すまない」
勇介「テスト期間にベンチに腰掛け、
悠々と読書とは余裕だねえ」
智史「なにか警戒する科目があったか?」
勇介「ムキ―聞きました、北川さん。
あの人、
統計は余裕だと抜かしましたわよ、
さすがはキャンパス始まって
以来の天才は
言うことが違いますわね」
伙音「気持ち悪いから、土に還って」
勇介「死ねと」
明 「あれ講義普通に受けてれば解ける。
講義中寝てるのがいけない」
勇介「こんのぉ裏切り者がぁぁあ!!」
智史「暗算でも解ける」
勇介「あんたって人はぁぁあ!!!」
伙音「うるさい」
勇介「はい」
明 「あはは。これが何十年も
寄り添った者同士の掛け合いか」
勇介「んや、こいつ小学校上がって
三年で海外に行ったぜ。
んで、たまたまこの大学で再会した」
明 「十一年ぶりの再会って」
智史「どういう確率だ」
明 「しかも、
同じキャンパスを選ぶんだもんな」
勇介「運命だろう」
伙音「ない」
勇介「即答かよ。まあ、いいや。
そんなことより、統計教えて?」
智史「なぜ、僕が?」
勇介「いいじゃん、金沢先生マジ尊敬!
英語で
ゴールデンティーチャーオベイ‼
そうつまり略して、G・T」
伙音「言わせないよ」
明 「・・・先にスタジオ行こうか」
智史「肝心の立花が講義中だがな」
伙音「未優もいない」
下野・神田 歩いてくる。
下野「やっぱ未優って単純」
神田「持つべきものは友だちよねぇ、
便利な」
下野「これからどうする?
カラオケでも行く?」
神田「いいね。オールしよ、オール」
下野・神田 高笑い
しながら出口へ。
勇介「おい、お前ら」
伙音 勇介が
言い切る前に止める。
伙音「違う。勇介が怒るの違う」
勇介「伙音」
下野 神田と呟きながら退場。
【SE 自動ドア】
伙音「未優は確か、情報の講義」
明 「PC室だな、行こう」
智史「お人よしだな」
明 「仲間のピンチなんだ、仕方ない」
明 走る。
【SE 走る音】
智史「仲間・・・か」
明一行 PC室に入る。
【SE 扉②】
明 「いた。って一人・・・」
未優「あ、明くん。
それに勇介くんに伙音ちゃんまで、
どうしたの?」
勇介「どうしたの?
じゃねえよ、何やってんだ」
未優「明日提出の課題だよ。
調べたことをパワポにまとめるやつ」
伙音「介護のやつ?」
未優「うん」
明 「グループワークじゃなかったっけ」
未優「そうだけど。制作の下ちゃん
パソコン壊れて
出来なかったんだって。
二人ともこのあとバイトだって
言うから、私一人でしてるだけだよ」
伙音「大丈夫?」
【SE 刺す音】
未優「うん、大丈夫。入学してから
ずっと良くしてくれてるし、
これくらいはね」
勇介「なんなら手伝うぜ」
【SE 刺す音】
未優「平気だよ、私の班の課題だから」
明 「そうだよな、
バイトなら仕方ないもんな」
未優「うん…」
明 未優の隣に座り、
PCを起動させる。
未優「なにしてるの」
明 「パートナーがいないんじゃ
何も出来ないからね」
智史「ほんとお人よしだな。
本人が大丈夫だと言っているんだ、
無理に手伝う方が迷惑だろう」
明 「いいんだよ、
俺がしたいからしてるんだし」
智史「馬鹿らしい」
勇介「様子を見に来てる時点で
人のこと言えないと思うけどな」
明 「勇介、資料整理してくれないか」
勇介「うぃー。って、何この資料の量
めっちゃ調べてるじゃん、真面目か」
伙音「勇介よりは遥かに」
勇介「適当で悪かったなぁー」
明 「未優、この資料は?」
未優「それは相談件数の増加割合を
データにしたやつだよ」
伙音「お手製」
勇介「わざわざ集めた資料から
新しい資料作っちまうとはな、
真面目か!」
伙音「このパワポの全体のデザイン、
オレンジ色の方がいい」
勇介「無視ですか」
智史「お人よしの集まりか、ここは」
未優「・・・・・・んーー、何か変だな」
智史「はぁ・・・」
【SE 足音】
智史「馬鹿者。プレゼン資料に
こんなに文字を並べる阿呆が
どこにいる。
パワポは口頭だけで
伝えられない情報、複雑なデータを
補完するための
視覚的資料に過ぎない。
パッと見で何のデータなのか、
何が言いたいのか
わからなければ話にならないだろう。
詳しいことは口で説明すればいい」
勇介「結局手伝うんじゃん」
智史「あまりにとろい」
勇介「けっよく言うぜ。
読書してれば良かっただろう」
智史「お前らがトロトロやってる間に
立花が来たらどうする?
あれは僕のて手には負えない」
勇介「あ・・・」
智史「分かったな。
今度からはそのない頭で考えて喋れ」
勇介「いちいち棘ある言い方しやがって、
智史はもっと俺に優しくするべきだ」
智史「お前はもっと環境に優しくなれ」
勇介「か、環境⁉」
伙音「環境だけじゃない」
智史「もはや、勇介は
地球規模で汚染存在だ」
勇介「うわぁぁ、許してくれ、地球!!!
てか、俺凄くね?」
未優「ポジティブだね」
明 「ポジティブだな」
伙音「ウザい」
勇介「最後のは悪口だ!」
智史「全部悪口だ」
勇介「なんてこった! パンナコッタ!」
立花「あんたたち」
智史「げっ立花」
立花「げっとはまた随分な挨拶ねえ、智史」
明 「笑顔こわ」
勇介「あー桑原桑原」
立花「講義が早く終わったから
急いで来てみれば誰もいないわ。
PC室から騒がしい声が
聞こえてくるわ、私だけのけ者で
ワイワイやっちゃってさ」
勇介「安心してくれ、団長。
獣はいても、のけ者はいないから」
未優「獣もいないよ?」
明 「勇介は野獣だから」
勇介「いいよ来いよ」
立花「帰ってもらっていい?」
勇介「すみません、許してください、
何でもしますから」
明 「板についてるんだな」
智史「そういう趣味なのかも知れないぞ」
明 「俺たちピンチだ」
立花「はあ、事態は想像に難くないわ。
待ってあげるから
三十分で仕上げなさい」
明&智史「了解」
勇介「オーライ」
未優&伙音「分かった」
勇介「あ、帰りに肉まん食おうぜ」
未優「夏なのに?」
勇介「夏なのに」
明 「喉が乾きますね・・・」
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