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秘密のミッション
11【オーディン視点】
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朝食を食べ損ねて昼食になってしまった。
それもこれも私がいつもよりしつこく抱いたせいなのに、寝すぎたことでシルヴィが涙ぐんでしまった。
私の休日は少ない。だからこそ今日という日を楽しみにしてくれていたのだろう。
私に気づかれぬようにすぐさま明るい笑顔で振り向いてくれたが、髪と同じ青みがかったプラチナブロンドの睫毛に水滴が乗っていて、申し訳なさと愛しさに瞼に口づけていた。
廃神殿宮殿での食事ではなくお菓子の家に行くのだとシルヴィが言ったが、あそこで料理ができるのか?と疑問だがおとなしくついていくことにする。
馬車を下り、目にしたのは子供が喜びそうなお菓子だけを集めて家の形にしたもの。
シルヴィの願いとあればここまで出来てしまう黒服たちに感服する。
テラスに案内されるとシルヴィは「待ってて」と私を置いて行ってしまった。
緊張して手がプルプル震えている黒服が入れた茶に手を伸ばし側近の黒服を見ると頷いたのでそのまま飲む。これはシルヴィの好きなリダネ茶か。
一口飲み、樹々に囲まれた清涼な空気を楽しみながら空を見上げるとそこには見事な虹月。
1年に1度現れる現象で、過去現れなかった年は災害が起こったり、皇帝が病に倒れたりしたらしいが、私はそんなことは信じない。
なぜならシルヴィが虹月の発生する条件を科学的に証明してくれたからだ。
シルヴィの前世はここよりも文明が発達していて、私がやろうとしている皇国統一のその後のことも、数々の前世の歴史を教えてくれる。
それは私の考えを揺るがすものであるが、シルヴィの視野は広く、遥か未来までをも見通していて、聞けば聞くほどそうするのが正しいのだと私の考えも変わっていっている。
それをこの皇国と国民、そして世界に納得させ、実行していけるかは私の腕次第だ。
そうこうしてるうちにアフタヌーンティーセットというものが運ばれてきた。
3段のトレーにサンドウィッチやケーキやスコーンなど様々盛り付けられているシルヴィが前世で1回だけ食べたことがあると言うものを黒服が再現したものだ。
その最上段にあるクッキーなのか?これは…
見るからに不格好な素人が作ったであろうクッキー。
チラリと運んできた黒服を見るが、素知らぬ顔で下がっていく。
最上段には誰の顔かわからないクッキーが2つ並んでいる。
料理専属の黒服が作ったとは思えないこれはきっとシルヴィが作ってくれたのだろう。
とりあえず髪のあたりが黄色くて、目なのか?という部分に2つ青い粒があるのでこれは私なのだろう。
もう1つはやたらと色が薄くて髪らしき部分にはキラキラした砂糖のようなものが振りかけられていて、目と思しき部分にはピンク色の粒が2つ、これはシルヴィなのだろう。
シルヴィが戻ってきて赤い顔で隣に座り、ソファの背にもたれ体を私の腕に寄せてくる。
そのまま私の腕にすがり、顔を伏せてしまって動かないシルヴィに、どうしたことかと視線をシルヴィ専属黒服に向けるがニッコリほほ笑むだけだ。
厨房黒服が作ったお菓子やケーキなど比にならない。
虹月の日にシルヴィが私と食べさせあうために作ってくれたのだとわかった瞬間、感動に身を包まれ危うく落涙するところだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
BL小説大賞に、
*「転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった」
*「悠遠の誓い」
*新作「ひとりぼっちの嫌われ獣人のもとに現れたのは運命の番でした」
合わせてエントリーしていますので、ぽちっと投票していただけると大喜びします♪
それもこれも私がいつもよりしつこく抱いたせいなのに、寝すぎたことでシルヴィが涙ぐんでしまった。
私の休日は少ない。だからこそ今日という日を楽しみにしてくれていたのだろう。
私に気づかれぬようにすぐさま明るい笑顔で振り向いてくれたが、髪と同じ青みがかったプラチナブロンドの睫毛に水滴が乗っていて、申し訳なさと愛しさに瞼に口づけていた。
廃神殿宮殿での食事ではなくお菓子の家に行くのだとシルヴィが言ったが、あそこで料理ができるのか?と疑問だがおとなしくついていくことにする。
馬車を下り、目にしたのは子供が喜びそうなお菓子だけを集めて家の形にしたもの。
シルヴィの願いとあればここまで出来てしまう黒服たちに感服する。
テラスに案内されるとシルヴィは「待ってて」と私を置いて行ってしまった。
緊張して手がプルプル震えている黒服が入れた茶に手を伸ばし側近の黒服を見ると頷いたのでそのまま飲む。これはシルヴィの好きなリダネ茶か。
一口飲み、樹々に囲まれた清涼な空気を楽しみながら空を見上げるとそこには見事な虹月。
1年に1度現れる現象で、過去現れなかった年は災害が起こったり、皇帝が病に倒れたりしたらしいが、私はそんなことは信じない。
なぜならシルヴィが虹月の発生する条件を科学的に証明してくれたからだ。
シルヴィの前世はここよりも文明が発達していて、私がやろうとしている皇国統一のその後のことも、数々の前世の歴史を教えてくれる。
それは私の考えを揺るがすものであるが、シルヴィの視野は広く、遥か未来までをも見通していて、聞けば聞くほどそうするのが正しいのだと私の考えも変わっていっている。
それをこの皇国と国民、そして世界に納得させ、実行していけるかは私の腕次第だ。
そうこうしてるうちにアフタヌーンティーセットというものが運ばれてきた。
3段のトレーにサンドウィッチやケーキやスコーンなど様々盛り付けられているシルヴィが前世で1回だけ食べたことがあると言うものを黒服が再現したものだ。
その最上段にあるクッキーなのか?これは…
見るからに不格好な素人が作ったであろうクッキー。
チラリと運んできた黒服を見るが、素知らぬ顔で下がっていく。
最上段には誰の顔かわからないクッキーが2つ並んでいる。
料理専属の黒服が作ったとは思えないこれはきっとシルヴィが作ってくれたのだろう。
とりあえず髪のあたりが黄色くて、目なのか?という部分に2つ青い粒があるのでこれは私なのだろう。
もう1つはやたらと色が薄くて髪らしき部分にはキラキラした砂糖のようなものが振りかけられていて、目と思しき部分にはピンク色の粒が2つ、これはシルヴィなのだろう。
シルヴィが戻ってきて赤い顔で隣に座り、ソファの背にもたれ体を私の腕に寄せてくる。
そのまま私の腕にすがり、顔を伏せてしまって動かないシルヴィに、どうしたことかと視線をシルヴィ専属黒服に向けるがニッコリほほ笑むだけだ。
厨房黒服が作ったお菓子やケーキなど比にならない。
虹月の日にシルヴィが私と食べさせあうために作ってくれたのだとわかった瞬間、感動に身を包まれ危うく落涙するところだった。
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BL小説大賞に、
*「転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった」
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