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6章
可愛いもの
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「今日はもう俺…帰るよ。止まれなくなる自信があるから」
そういって海瑠は夕暮れの帰宅を促す音楽もなってない時間に帰っていった。とまれない?ってなんだ?
*
両想い…
「へへっ」
ティッシュで鼻をかみ鏡を見る。
「きたねー顔」
泣きすぎて腫れた瞼。かみすぎて赤くなった鼻。こんなオレを好きなんだって。1番なんだって。ふふ
オレが何かを忘れてるって言ってた。大事なことなのか?昔なにか約束でもしたんだろうか?お嫁さんになる、とか?
わかんない。オレの記憶力のなさはニワトリ並だって母ちゃんはボヤク。オレもそう思う。頭の悪さが恨めしい。
約束を思い出したらアイツ喜ぶかな?
1階に降りると母ちゃんが怖い顔で睨んできた。
「あんた泣いたでしょ またケンカしたんじゃないでしょーね?海瑠もこんなに早く帰っちゃって!便利な携帯とやらでスグに謝りな!!」
「っ…してねーし!ケンカじゃないしっ!!」
母ちゃんに約束のこと知らないか聞きたかったのに。
ギャーギャーうるさい母ちゃんが面倒になってオレは家を出た。夕暮れに差し掛かる少しオレンジになった空。行く当てもなく歩く。
あ…財布も携帯も持ってないや。
帰ったら母ちゃんが煩そうだしなと迷ってたら遠くから見知った人影がこっちに来るのが見えた。
「正太朗さん こんにちわ」
日傘をさして歩く上品な婦人。海瑠のばーちゃんだ。優しい微笑みがアイツに似てるなって思った。
「ばーちゃん どこ行くの?」
「どこということはないのよ。運動のためにね、歩くようにしてるの」
そうなんだ って一緒に歩き出す。オレの家の前の公園に入り一緒に歩く。
「紫陽花がつぼみをつけてるわねぇ。可愛いねぇ」
おっとりとしたしゃべり方でそういうけど、ばあちゃんもほうがもっと可愛い。
「ばあちゃんのほうが可愛いよ」
本気で言ってるのに、お世辞が言えるようになったのねってフワリと微笑った。
そういって海瑠は夕暮れの帰宅を促す音楽もなってない時間に帰っていった。とまれない?ってなんだ?
*
両想い…
「へへっ」
ティッシュで鼻をかみ鏡を見る。
「きたねー顔」
泣きすぎて腫れた瞼。かみすぎて赤くなった鼻。こんなオレを好きなんだって。1番なんだって。ふふ
オレが何かを忘れてるって言ってた。大事なことなのか?昔なにか約束でもしたんだろうか?お嫁さんになる、とか?
わかんない。オレの記憶力のなさはニワトリ並だって母ちゃんはボヤク。オレもそう思う。頭の悪さが恨めしい。
約束を思い出したらアイツ喜ぶかな?
1階に降りると母ちゃんが怖い顔で睨んできた。
「あんた泣いたでしょ またケンカしたんじゃないでしょーね?海瑠もこんなに早く帰っちゃって!便利な携帯とやらでスグに謝りな!!」
「っ…してねーし!ケンカじゃないしっ!!」
母ちゃんに約束のこと知らないか聞きたかったのに。
ギャーギャーうるさい母ちゃんが面倒になってオレは家を出た。夕暮れに差し掛かる少しオレンジになった空。行く当てもなく歩く。
あ…財布も携帯も持ってないや。
帰ったら母ちゃんが煩そうだしなと迷ってたら遠くから見知った人影がこっちに来るのが見えた。
「正太朗さん こんにちわ」
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「ばーちゃん どこ行くの?」
「どこということはないのよ。運動のためにね、歩くようにしてるの」
そうなんだ って一緒に歩き出す。オレの家の前の公園に入り一緒に歩く。
「紫陽花がつぼみをつけてるわねぇ。可愛いねぇ」
おっとりとしたしゃべり方でそういうけど、ばあちゃんもほうがもっと可愛い。
「ばあちゃんのほうが可愛いよ」
本気で言ってるのに、お世辞が言えるようになったのねってフワリと微笑った。
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