129 / 203
13章
うまくできないから①
しおりを挟む
檜づくりのお風呂はいい香りがして落ち着く。
広い洗い場で服を着たまま、背もたれのある椅子に座ってのけぞるように上を向き、海瑠に髪を洗ってもらう。
やっと一人で俯いて髪を洗えるようになってたオレだけど、麻痺の残る右腕では洗えず懐かしいこのスタイルに戻ってたんだ。
「よし、OKだよ」
流し終えタオルで頭をグルグル巻きにしてもらい、いつもの髪留めでずれ落ちないように留めてくれる。
「ありがと、あとは一人で出来るから…」
「うん」
浴室から出ていく海瑠を見送るオレの顔はいつもより赤かっただろう。だって…今からしようとしてることは……。
右腕がうまく動かないからここに来てからのオレの服は作務衣って言う浴衣みたいな上下のヤツだ。
これならひもを解くだけで上は脱げるし、ズボンのウェスト部分もゴムだから楽なんだ。
作務衣のポケットに押し込んだ紙包みを取り出し開いてみる。
見える可愛い顔をしたオレンジと黒のシマシマは、あのチンアナゴのオモチャだ。
海瑠に内緒で持ってきてって言ったのに。
またもや渉への怒りがぶり返してくるがそんな暇はない。
チンアナゴを床に吸盤で貼り付けるとプルンと揺れながら丸い瞳で見つめてくる。
作務衣の紐を引っ張り上を脱ぎ、左手でズボンとパンツを一気に下ろして風呂の隅に置いてくれてる脱衣かごに入れた。
壁に吸盤で取り付けてくれてる泡だつボディソープを片手でスポンジに取り、手早く体につけていく。
チラリと浴室のドアのほうを見る。前までは海瑠と離れるのが怖くてドアの前にずっといてもらってたけど、平気になってきた最近はキッチンかリビングにいる。
まだ後10分は時間があるはずだ…
床にひっついたチンアナゴに手を伸ばし、スポンジの泡をまとわせる。
事件の後、海瑠は唇が触れる程度のキスしかしてくれなくなった。
初めの頃は恐怖でそれどころじゃなかったオレだけど。時間がたつにつれ一緒にくっついて寝てる時なんかに性欲を覚えてきた。
抱きついて眠る頭の上に聞こえる寝息が愛おしくて。
頬を寄せる胸板の厚みが頼もしくて。
たまにこすれあう下半身がもどかしくて……
トイレで左手だけで自慰をしたこともあったけど、うまくイケなかったんだ。
だから…。
中腰になりながら左手でチンアナゴを押さえてゆっくりと腰を下ろしていく。
泡のおかげでヌプンと簡単に頭が入る。久々の感覚に背筋をビリビリとしたものが駆け抜ける。
はふっ…気持ちぃ……。
広い洗い場で服を着たまま、背もたれのある椅子に座ってのけぞるように上を向き、海瑠に髪を洗ってもらう。
やっと一人で俯いて髪を洗えるようになってたオレだけど、麻痺の残る右腕では洗えず懐かしいこのスタイルに戻ってたんだ。
「よし、OKだよ」
流し終えタオルで頭をグルグル巻きにしてもらい、いつもの髪留めでずれ落ちないように留めてくれる。
「ありがと、あとは一人で出来るから…」
「うん」
浴室から出ていく海瑠を見送るオレの顔はいつもより赤かっただろう。だって…今からしようとしてることは……。
右腕がうまく動かないからここに来てからのオレの服は作務衣って言う浴衣みたいな上下のヤツだ。
これならひもを解くだけで上は脱げるし、ズボンのウェスト部分もゴムだから楽なんだ。
作務衣のポケットに押し込んだ紙包みを取り出し開いてみる。
見える可愛い顔をしたオレンジと黒のシマシマは、あのチンアナゴのオモチャだ。
海瑠に内緒で持ってきてって言ったのに。
またもや渉への怒りがぶり返してくるがそんな暇はない。
チンアナゴを床に吸盤で貼り付けるとプルンと揺れながら丸い瞳で見つめてくる。
作務衣の紐を引っ張り上を脱ぎ、左手でズボンとパンツを一気に下ろして風呂の隅に置いてくれてる脱衣かごに入れた。
壁に吸盤で取り付けてくれてる泡だつボディソープを片手でスポンジに取り、手早く体につけていく。
チラリと浴室のドアのほうを見る。前までは海瑠と離れるのが怖くてドアの前にずっといてもらってたけど、平気になってきた最近はキッチンかリビングにいる。
まだ後10分は時間があるはずだ…
床にひっついたチンアナゴに手を伸ばし、スポンジの泡をまとわせる。
事件の後、海瑠は唇が触れる程度のキスしかしてくれなくなった。
初めの頃は恐怖でそれどころじゃなかったオレだけど。時間がたつにつれ一緒にくっついて寝てる時なんかに性欲を覚えてきた。
抱きついて眠る頭の上に聞こえる寝息が愛おしくて。
頬を寄せる胸板の厚みが頼もしくて。
たまにこすれあう下半身がもどかしくて……
トイレで左手だけで自慰をしたこともあったけど、うまくイケなかったんだ。
だから…。
中腰になりながら左手でチンアナゴを押さえてゆっくりと腰を下ろしていく。
泡のおかげでヌプンと簡単に頭が入る。久々の感覚に背筋をビリビリとしたものが駆け抜ける。
はふっ…気持ちぃ……。
12
あなたにおすすめの小説
幼馴染みとアオハル恋事情
有村千代
BL
日比谷千佳、十七歳――高校二年生にして初めて迎えた春は、あっけなく終わりを告げるのだった…。
「他に気になる人ができたから」と、せっかくできた彼女に一週間でフられてしまった千佳。その恋敵が幼馴染み・瀬川明だと聞き、千佳は告白現場を目撃することに。
明はあっさりと告白を断るも、どうやら想い人がいるらしい。相手が誰なのか無性に気になって詰め寄れば、「お前が好きだって言ったらどうする?」と返されて!?
思わずどぎまぎする千佳だったが、冗談だと明かされた途端にショックを受けてしまう。しかし気づいてしまった――明のことが好きなのだと。そして、すでに失恋しているのだと…。
アオハル、そして「性」春!? 両片思いの幼馴染みが織りなす、じれじれ甘々王道ラブ!
【一途なクールモテ男×天真爛漫な平凡男子(幼馴染み/高校生)】
※『★』マークがついている章は性的な描写が含まれています
※全70回程度(本編9話+番外編2話)、毎日更新予定
※作者Twitter【https://twitter.com/tiyo_arimura_】
※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
※掲載箇所【エブリスタ/アルファポリス/ムーンライトノベルズ/BLove/fujossy/pixiv/pictBLand】
□ショートストーリー
https://privatter.net/p/9716586
□イラスト&漫画
https://poipiku.com/401008/">https://poipiku.com/401008/
⇒いずれも不定期に更新していきます
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
幼馴染に俺の推し活が全力で邪魔されている件について
伊織
BL
アルシェリウム学園に通うカーヴェリス公爵家の末息子・ルカ(16)には、誰にも譲れない趣味がある。
それは――エルディア王国の第一王子、アレクシス・ヴァルクレスト殿下(19)を“推す”こと。
学園生活は、殿下の凛々しい姿を眺め、心の中で歓声を上げる、至福の時間のはずだった。
しかし、その平穏は幼馴染のレオン・モントクロワ(19)によって崩される。
「ルカ、殿下はやめておけ」
勘違いしたレオンの妨害は日に日にエスカレート。
しかも殿下まで何やら距離を詰めてきて――。
推し活と恋愛の狭間で揺れる、王国学園ラブコメディ。
※誤字脱字など、修正中です。
11/2~ゆっくり更新です。
【完結】幼馴染に告白されたけれど、実は俺の方がずっと前から好きだったんです 〜初恋のあわい~
上杉
BL
ずっとお前のことが好きだったんだ。
ある日、突然告白された西脇新汰(にしわきあらた)は驚いた。何故ならその相手は幼馴染の清宮理久(きよみやりく)だったから。思わずパニックになり新汰が返答できずにいると、理久はこう続ける。
「驚いていると思う。だけど少しずつ意識してほしい」
そう言って普段から次々とアプローチを繰り返してくるようになったが、実は新汰の方が昔から理久のことが好きで、それは今も続いている初恋だった。
完全に返答のタイミングを失ってしまった新汰が、気持ちを伝え完全な両想いになる日はやって来るのか?
初めから好き同士の高校生が送る青春小説です!お楽しみ下さい。
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる