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15章
トラブル
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「台湾サーバーだけじゃなくシンガポールもか!?」
海瑠のお仕事部屋から聞こえる声が珍しく険しかった。
「攻撃受けてるのがわかってから1時間以上もたってるんだろ、なんで防御出来てないんだ!」
ダン!と机を叩く音まで聞こえる。ただ事じゃないみたいだ。
オレは数々の失敗を続けてた家事もなんとかできるようになってきてた。洗濯は洗濯機に任してるし、食器も食器洗い機に任せたオレはハンディモップで棚の上のホコリを取りながら海瑠の部屋の様子をうかがう。
「こっちでやるから管理権限よこせ!この無能集団が!!」
誰が言ってるの?ってくらい汚い言葉で罵るのが聞こえる。こんな海瑠は知らない…。偽物なのかな?
カチャカチャタンタンターンとキーボードを叩く音まで尖っている。通話の相手は渉だろうか?
お仕事のトラブルなんだろう。海瑠じゃないと解決できないような問題なんだろう。
海瑠がこんな山奥じゃなく会社にいればもっと迅速に対処できたんだろうと思うと胸がツキンと傷んだ。
まだも続く尖った怒鳴り声のするお仕事部屋から離れキッチンへと行く。
オレの出来ることをしよう―――――
冷蔵庫から牛乳とガムシロップとバナナを取り出しミキサーに入れる。
前に海瑠が作ってくれたバナナジュースを作ろうとしてた。
すごく甘くておいしくて『バナナは脳に栄養をすぐに送ってくれるんだよ』って朝に作ってくれてたんだ。
(これ飲んでお仕事がんばってもらいたい)
そう思っただけなのに…
部屋中に飛び散った牛乳と机の上に転がるバナナの破片。
オレは頭から顔から服までずぶ濡れのバナナ牛乳まみれだった。
ベッドで眠るオレに『しょーちゃん起きて、バナナジュース持って来たから。これ飲んだらすぐに頭がスッキリするよ』って微笑む海瑠。いつも出来たてを持ってきてくれてた。作り方なんて知らなかった。
(ミキサーに入れてスイッチ入れるだけじゃないのか…?)
こんな簡単なことも失敗する自分に嫌気がさし、泣きながら床や壁をふいた。
オレには想像もできない難しいお仕事をしてる海瑠にバレたくない一心で隠した数々の失敗が蘇る。
割れた花瓶は処分したし、アイロンで溶けてしまったパーカーは捨てた。オレが家事をやると言ってから次々と消える鍋や家具に気づいてるだろうに何も言わない海瑠。
早く一人前になりたいのにバカなオレの頭は普通のこともちゃんと出来ない。
布巾を絞ろうとしても右手が言うことを聞かずビシャビシャで床が一層ひどいことになっていく。
お仕事部屋からはキーボードをたたく音が聞こえてる。
世界に通用する会社なんだって。ITのすごい会社なんだって。ゲームもアプリも大人気なんだって。
オレなんかに構ってないで自由に飛び立てばアイツには大きな空が広がってるのに。
足手まといのオレのせいでこんな田舎の山奥にひっこんでるんだ。
「うっ…うぅ……、うぇ…」
泣きながら右手にペンを握りしめメモを書いた後、オレは一人で山荘を離れた。
海瑠のお仕事部屋から聞こえる声が珍しく険しかった。
「攻撃受けてるのがわかってから1時間以上もたってるんだろ、なんで防御出来てないんだ!」
ダン!と机を叩く音まで聞こえる。ただ事じゃないみたいだ。
オレは数々の失敗を続けてた家事もなんとかできるようになってきてた。洗濯は洗濯機に任してるし、食器も食器洗い機に任せたオレはハンディモップで棚の上のホコリを取りながら海瑠の部屋の様子をうかがう。
「こっちでやるから管理権限よこせ!この無能集団が!!」
誰が言ってるの?ってくらい汚い言葉で罵るのが聞こえる。こんな海瑠は知らない…。偽物なのかな?
カチャカチャタンタンターンとキーボードを叩く音まで尖っている。通話の相手は渉だろうか?
お仕事のトラブルなんだろう。海瑠じゃないと解決できないような問題なんだろう。
海瑠がこんな山奥じゃなく会社にいればもっと迅速に対処できたんだろうと思うと胸がツキンと傷んだ。
まだも続く尖った怒鳴り声のするお仕事部屋から離れキッチンへと行く。
オレの出来ることをしよう―――――
冷蔵庫から牛乳とガムシロップとバナナを取り出しミキサーに入れる。
前に海瑠が作ってくれたバナナジュースを作ろうとしてた。
すごく甘くておいしくて『バナナは脳に栄養をすぐに送ってくれるんだよ』って朝に作ってくれてたんだ。
(これ飲んでお仕事がんばってもらいたい)
そう思っただけなのに…
部屋中に飛び散った牛乳と机の上に転がるバナナの破片。
オレは頭から顔から服までずぶ濡れのバナナ牛乳まみれだった。
ベッドで眠るオレに『しょーちゃん起きて、バナナジュース持って来たから。これ飲んだらすぐに頭がスッキリするよ』って微笑む海瑠。いつも出来たてを持ってきてくれてた。作り方なんて知らなかった。
(ミキサーに入れてスイッチ入れるだけじゃないのか…?)
こんな簡単なことも失敗する自分に嫌気がさし、泣きながら床や壁をふいた。
オレには想像もできない難しいお仕事をしてる海瑠にバレたくない一心で隠した数々の失敗が蘇る。
割れた花瓶は処分したし、アイロンで溶けてしまったパーカーは捨てた。オレが家事をやると言ってから次々と消える鍋や家具に気づいてるだろうに何も言わない海瑠。
早く一人前になりたいのにバカなオレの頭は普通のこともちゃんと出来ない。
布巾を絞ろうとしても右手が言うことを聞かずビシャビシャで床が一層ひどいことになっていく。
お仕事部屋からはキーボードをたたく音が聞こえてる。
世界に通用する会社なんだって。ITのすごい会社なんだって。ゲームもアプリも大人気なんだって。
オレなんかに構ってないで自由に飛び立てばアイツには大きな空が広がってるのに。
足手まといのオレのせいでこんな田舎の山奥にひっこんでるんだ。
「うっ…うぅ……、うぇ…」
泣きながら右手にペンを握りしめメモを書いた後、オレは一人で山荘を離れた。
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