200 / 203
アップルパイ
アップルパイ ②ショタside
しおりを挟む
朝の情報番組で見てしまった出来立て熱々のアップルパイが食べたくて、だけど外には出たくないとわがままを言ったオレのために渉が材料を持ってきてくれた。
林檎を櫛型に切る渉の隣でグラニュー糖をはかりで量る。
アップルパイが食べたかったのはホントだけど、渉にどうしても聞いてほしい話があったんだ。
「あー…」
言い出しにくいけど思い切って言うしかない。自分ひとりじゃ抱えきれないから。
「わかってるて、海瑠が仕事で部屋に籠る時間狙って朝はよーから呼び出したんはアイツに聞かれたない相談があるんやろ」
呆気に取られて見つめる赤髪のキツネ顔がなんでもお見通しやぞとニヤッと片頬を上げて笑う。
「うん…オレ、どうしていいかわかんなくて」
「渉様相談室の料金は高いで~」
深刻な様子のオレを見て茶化してくる渉に、手を動かしながらポツポツとまとまりのない今のオレの悩みを話していった。
シルヴァリオンとしての記憶が蘇ってくるたびに前世でのオレと今の自分の違いに悲しくなるんだ。
超絶イケメンのオーディンと並んでも見劣ることのなかったシルヴァリオン。神々の奇跡とたたえられ神の子と称されたほどの美貌でオーディンの唯一として愛されつくした前世。
なのに今のオレこんなだから… なのにアイツは前世のままの超絶イケメンで…
髪も体も顔も全部嫌で見られたくなくて
とりとめのない内容の海瑠には言えない悩みを渉に聞いてもらう。
グツグツと鍋の中で煮えてきた林檎の香りがキッチンに広がり、木杓子を手にした渉がフムフムと難しい顔をした。
「そりゃなぁCGしか見たことないけどあんなキレーな人間おらんもんな」
前世とはいえ自分の事だからちょっと気恥ずかしくなる。
「けどや~俺は今のショタのほーが人間らしくてええなぁ」
エッ?と隣の渉を見上げるが鍋を見つめたまま視線が合うことはない。
クルクルと焦げ付かないように弱火で林檎を煮詰める渉の視線は鍋にくぎ付けのまま
「今の、そのままのショタでメッチャ可愛いらしからな」
オレが1番嬉しい言葉をくれる。
「あんなキレイな人間現在のこの世にはおらんのやし、アイツはショタ以外目にも入れへんねんししょーむないことで悩むんはやめときや」
水分が減ってきた鍋の中が泡立ちグツグツ音を立てる。
「ほんなら質問や」
渉が林檎の1つにフォークを刺しフーフーと息を吹きかける。
「海瑠の見た目があんな王子様みたいなイケメンやなくて、普通の平凡なそこらにおるような顔やったら好きになってへんのか?」
金髪で青い瞳でスクリーンの中にもいないようなイケメンの海瑠じゃなく普通の…?
考えること数秒、オレはブンブンと頭を横に振り
「そんなことない、オレは見た目でアイツを好きになったんじゃない」
「せやろ」
パクリと林檎を口に入れた渉がウマッって言うからオレの口の中に唾液が湧きだす。
「それにやで、あいつはシルヴァリオンやないお前を選んだんやで?そこ1番重要やろ。まー結局おんなじやったけどや真道正太朗を選んだんやから。お前の今の悩みは徒労ってこっちゃ。しょーむないことで悩まんときや」
林檎を櫛型に切る渉の隣でグラニュー糖をはかりで量る。
アップルパイが食べたかったのはホントだけど、渉にどうしても聞いてほしい話があったんだ。
「あー…」
言い出しにくいけど思い切って言うしかない。自分ひとりじゃ抱えきれないから。
「わかってるて、海瑠が仕事で部屋に籠る時間狙って朝はよーから呼び出したんはアイツに聞かれたない相談があるんやろ」
呆気に取られて見つめる赤髪のキツネ顔がなんでもお見通しやぞとニヤッと片頬を上げて笑う。
「うん…オレ、どうしていいかわかんなくて」
「渉様相談室の料金は高いで~」
深刻な様子のオレを見て茶化してくる渉に、手を動かしながらポツポツとまとまりのない今のオレの悩みを話していった。
シルヴァリオンとしての記憶が蘇ってくるたびに前世でのオレと今の自分の違いに悲しくなるんだ。
超絶イケメンのオーディンと並んでも見劣ることのなかったシルヴァリオン。神々の奇跡とたたえられ神の子と称されたほどの美貌でオーディンの唯一として愛されつくした前世。
なのに今のオレこんなだから… なのにアイツは前世のままの超絶イケメンで…
髪も体も顔も全部嫌で見られたくなくて
とりとめのない内容の海瑠には言えない悩みを渉に聞いてもらう。
グツグツと鍋の中で煮えてきた林檎の香りがキッチンに広がり、木杓子を手にした渉がフムフムと難しい顔をした。
「そりゃなぁCGしか見たことないけどあんなキレーな人間おらんもんな」
前世とはいえ自分の事だからちょっと気恥ずかしくなる。
「けどや~俺は今のショタのほーが人間らしくてええなぁ」
エッ?と隣の渉を見上げるが鍋を見つめたまま視線が合うことはない。
クルクルと焦げ付かないように弱火で林檎を煮詰める渉の視線は鍋にくぎ付けのまま
「今の、そのままのショタでメッチャ可愛いらしからな」
オレが1番嬉しい言葉をくれる。
「あんなキレイな人間現在のこの世にはおらんのやし、アイツはショタ以外目にも入れへんねんししょーむないことで悩むんはやめときや」
水分が減ってきた鍋の中が泡立ちグツグツ音を立てる。
「ほんなら質問や」
渉が林檎の1つにフォークを刺しフーフーと息を吹きかける。
「海瑠の見た目があんな王子様みたいなイケメンやなくて、普通の平凡なそこらにおるような顔やったら好きになってへんのか?」
金髪で青い瞳でスクリーンの中にもいないようなイケメンの海瑠じゃなく普通の…?
考えること数秒、オレはブンブンと頭を横に振り
「そんなことない、オレは見た目でアイツを好きになったんじゃない」
「せやろ」
パクリと林檎を口に入れた渉がウマッって言うからオレの口の中に唾液が湧きだす。
「それにやで、あいつはシルヴァリオンやないお前を選んだんやで?そこ1番重要やろ。まー結局おんなじやったけどや真道正太朗を選んだんやから。お前の今の悩みは徒労ってこっちゃ。しょーむないことで悩まんときや」
11
あなたにおすすめの小説
【完結】ベイビーダーリン ~スパダリ俳優は、僕の前でだけ赤ちゃん返りする~
粗々木くうね
BL
「……おやすみ。僕の、かわいいレン」
人気俳優の朝比奈(あさひな)レンは、幼馴染で恋人の小鳥遊 椋(たかなし むく) の前でだけ赤ちゃんに戻る。
癒しと愛で満たす、ふたりだけの夜のルーティン。
※本作品に出てくる心の病気の表現は、想像上のものです。ご了承ください。
小鳥遊 椋(たかなし むく)
・5月25日生まれ 24歳
・短期大学卒業後、保育士に。天職と感じていたが、レンのために仕事を辞めた。現在はレンの所属する芸能事務所の託児所で働きながらレンを支える。
・身長168cm
・髪型:エアリーなミディアムショート+やわらかミルクティーブラウンカラー
・目元:たれ目+感情が顔に出やすい
・雰囲気:柔らかくて包み込むけど、芯があって相手をちゃんと見守れる
朝比奈レン(あさひな れん)
・11月2日生まれ 24歳
・シングルマザーの母親に育てられて、将来は母を楽させたいと思っていた。
母に迷惑かけたくなくて無意識のうちに大人びた子に。
・高校在籍時モデルとしてスカウトされ、母のためにも受けることに→芸能界デビュー
・俳優として転身し、どんな役も消化する「カメレオン俳優」に。注目の若手俳優。
・身長180cm
・猫や犬など動物好き
・髪型:黒髪の短髪
・目元:切れ長の目元
・雰囲気:硬派。口数は少ないが真面目で礼儀正しい。
・母の力になりたいと身の回りの家事はできる。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
溺愛系とまではいかないけど…過保護系カレシと言った方が 良いじゃねぇ? って親友に言われる僕のカレシさん
315 サイコ
BL
潔癖症で対人恐怖症の汐織は、一目惚れした1つ上の三波 道也に告白する。
が、案の定…
対人恐怖症と潔癖症が、災いして号泣した汐織を心配して手を貸そうとした三波の手を叩いてしまう。
そんな事が、あったのにも関わらず仮の恋人から本当の恋人までなるのだが…
三波もまた、汐織の対応をどうしたらいいのか、戸惑っていた。
そこに汐織の幼馴染みで、隣に住んでいる汐織の姉と付き合っていると言う戸室 久貴が、汐織の頭をポンポンしている場面に遭遇してしまう…
表紙のイラストは、Days AIさんで作らせていただきました。
初戀
槙野 シオ
BL
どうすることが正解で、どうすることが普通なのかわからなかった。
中三の時の進路相談で、おまえならどの高校でも大丈夫だと言われた。模試の結果はいつもA判定だった。進学校に行けば勉強で忙しく、他人に構ってる暇なんてないひとたちで溢れ返ってるだろうと思って選んだ学校には、桁違いのイケメンがいて大賑わいだった。
僕の高校生活は、嫌な予感とともに幕を開けた。
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※この物語はフィクションです。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。
■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない
バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《根暗の根本君》である地味男である<根本 源(ねもと げん)>には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染<空野 翔(そらの かける)>がいる。
ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない??
イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる