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プロローグ
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パンッ。パンパンパンパン。
萌乃の撃った玉は当たっているのだが、コールが聞こえない。
「ちょっと! 当たったでしょ今の!」
萌乃は撃った相手に向かって、銃声の中でも聞こえるように大きな声を出した。
──パンパンパン。
男は聞く耳持たんと言わんばかりにそのまま射撃する。
「無視すんなー!」
萌乃は男の玉を右に避け、真正面に走り出す。同時に構えて、撃つ。
パン。
男のお腹に当たる。布の薄いところを撃ったので、男は少し痛そにウッと腹を抑える。
「やっぱ当たってんじゃん! いい加減にしてよー」
かれこれ30分以上のやり取りに萌乃はうんざりしていた。しかし、男は立ち上がる。
「まだ、だ。俺は本物で撃たれても動いたことがある!」
今回の勝負では、玉が当たったら負けとは言われてなかった。架空上で死んだら負け。つまり、自分が玉が当たった事によってリアルなら死んだと思った時点で負なのだ。
「嘘つけよ…。」
こんな時はこう思うだろう。嘘には嘘を…。しかし、ここは相手のフィールド。
「さすが親父だぜ!」
「俺は30発以上当たっても動いてたのをみたぜ」
ヒットコール済みで観客と化していた周りから声援がはいる。
「まじかよ…」
萌乃はげんなりした。この状況で、もし萌乃が当たったのに平気で動けば本物でも出しかねない雰囲気を悟ったのだろう。ここにはこんな18歳以下の玩具ではなく、本物もあるのだから…。
「ちっ。ゾンビが」
誰が最初にそう名付けたのかはわからないが、本当にピッタリだと萌乃は思った。当たったのに当たらない。その様子はまるで、頭に当てても襲ってくるゾンビそのものだったのだ。噛まれないだけマシかもしれないが、多少苛つきを覚える。
「ほんっと邪魔」
萌乃は距離をとり、物陰に隠れて次は肩を撃った。さっと避けられる。
これが終わったら、正式にお付き合いするのだから。だから私はこの男をを倒さなければならない。
私の好きな彼女のために…。
萌乃の撃った玉は当たっているのだが、コールが聞こえない。
「ちょっと! 当たったでしょ今の!」
萌乃は撃った相手に向かって、銃声の中でも聞こえるように大きな声を出した。
──パンパンパン。
男は聞く耳持たんと言わんばかりにそのまま射撃する。
「無視すんなー!」
萌乃は男の玉を右に避け、真正面に走り出す。同時に構えて、撃つ。
パン。
男のお腹に当たる。布の薄いところを撃ったので、男は少し痛そにウッと腹を抑える。
「やっぱ当たってんじゃん! いい加減にしてよー」
かれこれ30分以上のやり取りに萌乃はうんざりしていた。しかし、男は立ち上がる。
「まだ、だ。俺は本物で撃たれても動いたことがある!」
今回の勝負では、玉が当たったら負けとは言われてなかった。架空上で死んだら負け。つまり、自分が玉が当たった事によってリアルなら死んだと思った時点で負なのだ。
「嘘つけよ…。」
こんな時はこう思うだろう。嘘には嘘を…。しかし、ここは相手のフィールド。
「さすが親父だぜ!」
「俺は30発以上当たっても動いてたのをみたぜ」
ヒットコール済みで観客と化していた周りから声援がはいる。
「まじかよ…」
萌乃はげんなりした。この状況で、もし萌乃が当たったのに平気で動けば本物でも出しかねない雰囲気を悟ったのだろう。ここにはこんな18歳以下の玩具ではなく、本物もあるのだから…。
「ちっ。ゾンビが」
誰が最初にそう名付けたのかはわからないが、本当にピッタリだと萌乃は思った。当たったのに当たらない。その様子はまるで、頭に当てても襲ってくるゾンビそのものだったのだ。噛まれないだけマシかもしれないが、多少苛つきを覚える。
「ほんっと邪魔」
萌乃は距離をとり、物陰に隠れて次は肩を撃った。さっと避けられる。
これが終わったら、正式にお付き合いするのだから。だから私はこの男をを倒さなければならない。
私の好きな彼女のために…。
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