失恋JKがなんやかんやして公園で出会った幼女と仲良くなる話

えあのの

文字の大きさ
5 / 14

第5話 「花恋は頑張った!」

しおりを挟む

 
 今日は少しだけいつもよりも軽やかな足取りであの公園に向かう。れなはまた一人で足元を見ながらゆらゆらとブランコを漕いでいた。私が隣に座るとれなはハッと気がついたようにこちらを見て話しかけてきた。

 「今日も来てくれたんだ?」

 そう言いながられなはにこやかに微笑んだ。

 「何か考え事?」

 「ううん、大したことじゃないから。花恋はなんだか嬉しそうじゃん。そっちこそ何かあったの?」

 「え、やっぱり嬉しそうに見えた?」

 そんなに顔に出てたのかと思って少し驚いた。

 「で、何があったの??」

 「今日ね、頑張って先輩に話しかけてみたの!」

 私がそういうと意外だったのかれなは目を丸くしている。

 「ほんと?! 花恋頑張ったんだね!」

 そう言いながられなはブランコを降りて私の手を握る。

 「で、どんな話をしたの??」

 れなはさっきと打って変わって目をキラキラさせながらそう尋ねる。

 「えっとね、私が"おはようございます!"って言ったら先輩が"おはよう"って返してくれたんだ!」

 私は自信満々にれなにそう言った。

 「えっと、それで?」

 それでとはどういうことなのかわからなくて私が困ったような顔をしていると、

 「他に何か話してないわけ?」

 とれなが言う。

 「え、うん。朝通りすがってそれきりだけど......」

 れなははじめ少し呆れたような顔をしていたが何か腑に落ちたように私の頭を撫でる。

 「先輩に挨拶できてえらいね~ 花恋は頑張った! うん」

 れなはなんだか小さな子どもを諭すようにそういうので私は

 「え、何かだめだった??」

 とれなに尋ねた。

 「頑張った! けどもうちょっと頑張ろ? 挨拶だけで喜んでたらいつの間にか卒業になっちゃうよ?」

 れなの言葉はいつでも説得力があって私にはよく効く。納得しつつも少し悔しいので言い返した。

 「卒業しても先輩を追いかけるからいいもん! 大学だって同じとこ行けばいいし」

 「先輩の行きたい大学知ってるの? それに頭良いとこだったらどうする? ちゃんと同じところに入れるの?」

 れなの言葉がグサグサと突き刺さる。私、一条花恋はあまり勉強が得意ではない。それを突かれるとなんとも言い返せない。

 「せ、先輩のためだったら頑張って勉強するもん」

 私は苦し紛れにそう答えると、れなはふーんと少し冷たい目線でこちらを見つめてくる。

 「まあいいけどさ、ちょっとずつ頑張ってかなきゃね? 挨拶できたことは褒めてあげます」

 「なにそれ、なんかえらそう」

 「え、じゃあ、"ちゃんと挨拶できるお姉さんを尊敬してます!"とか言えばよかった?」

 とれなはわざと私を揶揄うようにそう言う。

 「えー、なんかそれはれなっぽくないから嫌」

 「もう、花恋はわがままなんだから!」

 と言ってれなは微笑んだ。

 「そういえば、私が来た時少し元気がなさそうだったけどどうしたの?」

 と私は思い出したように尋ねる。

 「今ずっと別の話してたから何とか誤魔化せたと思ったんだけど、花恋って結構ちゃんと覚えてるタイプ?」

 「うん、だって一回気になったら忘れないもん。それに、いつも元気なれながそんな様子だったら力になってあげたいでしょ?」

 「どうしても気になる?」

 「うん」

 「本当の本当に?」

 私はこくりと頷くとれなは観念したように話し始める。

 「私、家出しちゃった。」

 



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...