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はじまり

第十四話 「勇者と私」

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「助けてくれて.....ありがとう」

(勇者だ.....ということは転生者? 転移者かもしれないけど)

「ああ、もう少し早くきていればな......」

「いえ......あれはどうしようもなかったので」

 なんとなくきまずい...そう思ってあたりを見回していると......

「あっ......」

 いた。ワニがぷかぷか浮いてる。絶対アニマだ。

「どうした?」

 ここは正直にいうべきか......でも正直に話したら警戒されちゃうかも......

(アニー? 聞こえる?)

【はい、聞こえています】

(相手のアニマとはコンタクトできるの?)

【はい、できますが.....】

(じゃあ私がアニマを視認できることは彼に秘密にしてもらって)

【はい、そのように伝達しておきます。我々アニマはそれぞれの人間をまあいわゆる管理するために存在しているので、その根幹となるシステムは同一なのですよ】

(つまり、あなたたちは同一体ってこと? じゃあ勇者の情報もわかるの?)

(ええ、もちろんわかります。開示いたしましょうか?)

「ぼーっとしてるけど大丈夫か?」

「あ、はい大丈夫ですっ! 気にせず休んでいてください」

「そうか、歩いていくと王都は少し遠い。俺は近くで馬車を拾ってくるから待っていてくれ。護衛と称せば乗せてくれるだろう」

(よしっ、勇者いなくなった)

 私はアニーに勇者の情報を見せてもらった。

(Lv15か~それにこのステータス私よりうんと高いんだろうな)

(そうですね、ミーファ様の5倍ほどあるかと.....
 しかしミーファ様。彼には魔法耐性がありませんが、ミーファ様は全ての魔法への耐性を兼ね備えています。もっとも使えるかどうかは別ですが......)

(へ、へーそうなんだ......)

 これじゃあどっちがチート主人公がわからないよ!

(ねえアニー、この特殊スキルっていうのは?)

(ああそれならミーファさまも取得していますよ)

(......え???) 

(アニマが視認できるものの特権ですから、もっとも特殊スキルというのは我々システムが、術者のかわりに行使するもので......)

(あーもうわかった。そういうことね。それでなにが使えるの?)

(テレポーテーションです)

(え?)


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