引きこもり魔王が拾った人間の子供のパパになったけど嘘の常識を教えられて毎日息子に抱かれてる

くろなが

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二話 子供と大人

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 図書室で本のページを必死に捲る。尻を使う事がわかったので、体内を綺麗にできそうな魔法と、粘度のある液体を出せそうな魔法はとりあえず使えるようにした。


「繁殖の練習なら一時的に女性器を用意すべきか……?」


 そう考えたが、人間は普通こんな魔法を使えない。つまり常識からは外れる。余計な事をしてボロを出すところだった。


「感度は重要だろうか……上げておくか?」


 いやいや、処女がアンアンするのもおかしくないか。威厳のあるパパでいたい。まず息子にこいつ慣れてると思われるのは嫌だ。最低限受け入れる準備だけで良いだろうと自らを納得させて、本を閉じた。


「パパー! ご飯用意できたよー!」
「今行く」


 ちょうど良いタイミングで扉越しにリゲルの声がした。吾輩は机に積み重ねた本を急いで棚に戻す。図書室を出ると、リゲルが嬉しそうに手を差し出してきた。城は広いからとずっと手を繋いで城内を歩いていた名残だ。最初は吾輩の体をだいぶ傾ける必要があったが、今はもうその必要はない。大きく育ったものだ。


「パパ? どうしたの」
「いや、大きくなったなと」
「そうかな~早くパパを追い越したいんだけどなぁ」
「これからだろう」
「うん! ねえパパ、知ってる? 人間はね、親の身長を抜いたら親とも結婚できるんだよ」
「ああ、そうだったな」


 マジかよ知らなかった。人間やべぇなって叫ばなかった吾輩偉い。子供と重婚までオッケーなのかよ。人間め、なんと強欲な。モンスターでももっと慎みがあるわ。だがリゲルは人間。人間社会で生きていくために必要な知識を得たに過ぎない。種族間の差があって当然だと吾輩は自分に言い聞かせる。余り者の欲の解消を親が責任を持つのだとすればこれも理にかなっているのかもしれない。


「リゲルはモテるだろう。親と結婚する必要はないと思うがな」
「僕はモテたりしてないよ」
「そうなのか……リゲルは容姿端麗だと思っていたが……私の美的感覚はやはり人間とは違うのか」
「えっ、パパ、僕の事そんな風に思っていたの!?」


 珍しくリゲルは顔を赤くして照れている。可愛い。世界で一番可愛い。そうだ、まだ可愛さが勝っているから人間共にはリゲルの魅力が理解できていないだけだ。


「あと数年もすれば今より更に男らしくなり、リゲルはたくさん求婚されるようになるだろう。もちろんリゲルから求婚されたら誰もが二つ返事で受けるようになるさ」
「パパは僕に求婚されたら受けてくれるの?」
「ん? ああ、勿論だとも」
「その言葉、忘れないでね!」


 これは俗にいう『パパと結婚する~!』というボーナスステージではないか。『パパにはママがいるからな~』とデレデレするあれじゃないか。吾輩も口元がニヤつくのを堪えるために表情筋に全力集中だ。リゲルが結婚する時に『ああ、昔はこんな事を言っていたのに立派になって』と結婚式で泣くやつだろう。もう想像で泣きそうだがな。
 吾輩たちは和やかなムードで食事を済ませた。風呂に入り、寝室で寛いでいたのだが、ノックの音が聞こえてようやく吾輩はこれからとんでもない事が始まるのを思い出した。慌てて習得した魔法を自分にかける。完全にセックスの事を忘れていた。


「パパー? 入ってもいい?」
「どうぞ」


 鍵を魔法で解除すると、リゲルがおずおずと入って来た。忘れてなんていませんでしたという顔をして、吾輩は横になって休んでいるベッドへ手招きした。リゲルと添い寝をする時は服を着ているが、一人での就寝時にはいつも裸だ。狙ってはいないのにヤる気満々で全裸で待ち構えていた感じになってしまった。だが、これぞ大人の余裕。そういうことにしよう。
 リゲルは慌てたように着ていたパジャマを脱ぎ、ベッドに飛び込んできた。


「パパ、嬉しい……ねえ、キスしてもいい?」
「キスくらい、いつもしているだろう」


 毎日おはようとおやすみのキスを頬や額にしている。何を遠慮しているんだ。そう思っていたら、リゲルの唇が吾輩の唇に触れた。


「んん!?」
「なに驚いてるの? キスだよ」
「そうだな、普通のことだったな」


 そりゃキスだが口と口は恋人同士じゃないとしないものだと認識していた。だがリゲルはさも当然といった雰囲気でチュッチュと何度も唇を合わせてくる。人間の間では親子でもする事なのだろう。それが人間の普通ならば付き合うしかあるまい。


「パパ、舌出して?」
「……ああ」


 よくわからんがわかっているフリをするしかない。口を開け、舌を出した。リゲルは吾輩の舌に舌を絡め、唇を密着させる。


「んっ……んぅ……」
「ぷは……はあ、パパ……パパ……」
「リゲルッ……んんッ!」


 迷いのないリゲルの舌が吾輩の粘膜を刺激し、クチュクチュと口内で音が響く。背筋がゾクリとした。決して嫌悪とかではなく、性的なものを一気に感じたからだ。これは子供の戯れなんかではない、大人の行為だった。

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