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【一章】ルーシャン
七話* クワルク×ルーシャン
しおりを挟むウルダは性欲が落ち着いたのか俺から離れた。棚から綺麗なタオルを取り出し、洗面台の水を桶に入れて持ってきてくれた。ありがたくベタつく皮膚を綺麗に拭う。中のものは風呂に行ってどうにかしよう。ベッドに腰掛けたウルダが俺に今更な質問を投げかけてきた。
「……そういえば……ルーシャン、なんで……ベッドにいた?」
「俺に寝床がないから勝手にベッドを使わせてもらったんだよ。お邪魔して悪かったな」
初日だから体力回復のために一番大人しいと思ったウルダを選んだが、まさか寝ている間に犯されるとは思っていなかった。しかし体力回復という点では治療もして貰えたし良しとしよう。暴走している欲望の中でも俺への気遣いがあるんだから凄いよ。
ウルダはフルフルと首を振って俺の手を握って微笑んだ。
「ずっと、ウルダの部屋、いていいよ……?」
そう言ってくれるのはありがたいが、一人だけに集中して穢れを取るのは良くない。一人だけ急速に変化すれば穢れを奪っていると気付かれる。周りとの差で違和感を感じないよう、少しずつ平等に変化させていかなければ。できれば寝床は毎日ローテーションしたい所だ。
俺はウルダの頭を撫でてた。性欲の次はやはり睡眠欲が襲うのか、とても眠そうに目を擦った。
「ははは、ありがとう。毎日は無理でも必ずまたここに寝に来るからその時はまたベッドに入れてくれ」
「……うん!」
「ホラ、無理せず横になれ。お昼寝の時間だ。シーツはまた後で替えに来てやるから今はタオル敷いて我慢してくれよ」
「ん……そのまま……撫でて、欲しい……」
可愛い願いだ。言われた通り横になったウルダの髪を梳いたり撫でたりしていると、スゥスゥ寝息が聞こえてきた。まるで子守りだ。前世では俺が世話をされる側だったから新鮮で楽しいけどな。まさかシモの世話までする事になるとは思わなかったが。
俺は就寝用の服を拾って上だけ着た。下はさすがに風呂で中を綺麗にしないと穿けないから仕方ない。服の丈が長めだから丸出しというのは避けられているが早く風呂へ行こう。
もうさすがに皆起きただろうか。可能ならばちゃんと話し合いがしたい。自由に行動しても良いのか、俺がどういう扱いになるのかは聞かなければなるまい。なんにしても尻の中を綺麗にしないと行動できないから速やかに移動しよう。
俺は静かにウルダの部屋の扉を開いた。
「ここにいたのですか、ルーシャン」
「ひょえっ!? クワルク……!」
扉の前ではクワルクが腕を組んで待ち構えていた。俺はビックリして飛び跳ねそうだった。クワルクは上から下へ俺の全身を見渡し、下を穿いていない状態に気付いて舌打ちをした。
「また男を咥え込んでいたのですね。あなたはとんだ好き者のようだ」
苛立った声でそうなじりながら、何故か正反対の優しい手付きでクワルクは俺を抱き上げた。
「な、なんだ!?」
「そのまま歩き回られたら床が汚れるでしょう。ガバガバになっていないならちゃんと締めてください」
相変わらず言葉に棘はあるが、少し態度が軟化してる?
別に逃げるつもりもないし、接触できるならそれに越したことはないので俺は大人しく運ばれる事にした。ありがたい事に行き先は風呂場だった。内心、部屋に連れ込まれて犯されるのかなって焦ってたんだよね。誤解してゴメンな。
脱衣場で服を脱がされ、石造りの大浴場に運ばれて浴槽の縁に座らされた。さすがにもうここまで来ればクワルクの世話になる必要はないだろう。
「ありがとうクワルク。もう自分で出来るから……」
「いえ、私が中を綺麗に掻き出して差し上げましょう」
「え……?」
良い笑顔のクワルクがバサリと乱暴に衣服を脱いだ。クワルクの中心はビキビキに血管が浮き出てそそり立っていた。全然誤解でもなんでもなく犯されるわ。場所が違うだけだこれ。心の中で謝った俺に謝れよなクワルクさんよぉ。
昨日は全く余裕がなくて感想も何もなかったけど、改めて見るとクワルクのが一番デカいかもしれない。ゆっくりと肩を押され、俺はそれに従って上体を倒した。昨日は尻を使わせないと心の中で誓っていたが、素直に望むのならば拒むつもりはない。
俺を見下ろすクワルクの表情は、てっきり人を小馬鹿にした笑いでも含んでいると思ったのに、どこか寂し気な置いてけぼりの幼子のようだった。
「私だけ、貴方の中を知らないのは不公平でしょう」
「あんんッ……あぅ……ぐ、ンぁ!」
先程までウルダを迎え入れていたのをわかっているからか、遠慮なくクワルクは俺の中に押し入ってきた。ミチミチと肉壁を着実に押し広げて侵入する衝撃に勝手に声が出てしまう。デカいなと思ったものですら受け入れられてしまう自分の体にも驚いた。昨日喉に突っ込まれた時のような乱暴さはないが、性急に腰を動かし始めた。
「アハハ……貴方は、本当にいやらしい身体をしている。口もなかなかでしたが、こちらもとても良いですね」
「ヒッ……く、あッ……んぁ……っ」
クワルクは性器が抜ける直前まで引き、一気に中へ戻る動きを繰り返している。本当に中の精液を掻き出そうとしているように感じる。独占欲のようなものを感じ、頭が溶けてしまいそうだ。
「ん、は、あっ……あ、ぁあ……ックワルク……」
「……ッなにを……?」
大きな動作に揺さぶられながらも、俺は両手を伸ばしてクワルクの髪に触れた。突然の俺の行動にクワルクは驚いた顔をしている。
「……ん……ぁ……ん、ふふ……綺麗、だ……」
クワルクの髪は細くてとてもサラサラしている。昔から歩くだけでフワッと髪が靡くから、それがお前の甘いマスクと相まって幻想的だった。そういえば滅茶苦茶女性にモテていたよな。魔物化によって頬を這う植物すらもお前の魅力を引き立たせるアクセサリーにしかなってない。
こんな状況なのに俺は笑っていたと思う。気が付けば、クワルクの動きが鈍くなっていた。
「……クソッ……なんで……こんな……!」
突然、ポタポタと水滴が俺の顔を濡らした。浴室だからではない。その水源はクワルクの瞳だった。大粒の涙が溢れ出ている。苦し気に涙を零すクワルクの顔には、抗えない性欲を俺にぶつけたくないという本来のクワルクの感情が見え隠れしていた。それなのに快楽を貪る事を完全には止められない己に苛立っているのだ。
「こんな事、しては、いけないのに……なぜ……ナゼ……」
「……クワルク……だ、いじょうぶ、だから……」
「んンッ……!?」
俺は衝動的にクワルクの頬を掴み、顔を引き寄せて唇に口付けた。お前は余計な事を考えなくていい。ただ俺を求めていればいいんだ。舌を口内へ忍ばせれば、クワルクもすぐに舌を絡めてきた。何度も何度も角度を変え、俺達は深い口付けを重ねた。
「んぅ……ん、ん……ッ」
「ふ……う……んぁ……は……っルーシャン……」
「んは……あ……クワ、ルク……」
それだけに集中したお陰か、クワルクは冷静さを取り戻したようだ。クワルクがゆっくりと上体を離し、俺を見つめた。もう泣いていなくて安心した。しかし、ソワソワとクワルクの目が泳いでいて顔が赤い。
「どうした……?」
「その……き、昨日……キスが下手だと言ったのは……訂正します」
素直か。思わず噴き出すところだった。どうにか堪えたので褒めて欲しいものだ。まったく、俺の臣下は真面目で可愛すぎるな。
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