【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

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第174話 ベッドの中で

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「子供みたいで恥ずかしいのだけど…」

テレシアは恥じらいながらアラーナ(タルバン)の手を引っ張った。

「誰でも苦手なものはありますし…」
「そう?アラーナは?」

聞かれたアラーナ(タルバン)は『何かあったかなあ』と考える。

『雷は怖がらないしな、虫も何ともない、動物は…』

いつだったかアラーナが蛇を手づかみしたことを思い出した。

「…クモの巣は嫌ね」
「クモの巣?クモじゃなくって?」

アラーナ(タルバン)は思い出しつつ話す。

「クモそのものは、まあ可愛いなって…」

テレシアの「えっ!」と言いたげな視線に言葉を濁す。

「…ことがないこともないんだけど、クモの巣は何だか苦手で、いきなり顔とか髪とかにかかると…」

テレシアが「ああ!」と理解する。

「私もピクニックで経験したことあるわ」
「そうなんだ…」

2人の話が弾む中で、何度か雷が落ち稲光りが窓を照らす。
その度にテレシアは驚きの悲鳴をあげる。

しかし次第に音も光も小さくなっていった。

「もう、平気みたいね」

アラーナ(タルバン)が窓を眺める。
相変わらずの雨音ながら、雷は去ったらしい。

「じゃあ、そろそろ…」

立ち上がったアラーナ(タルバン)の袖をテレシアがつかむ。

「どうかしたの?」
「もし、よかったらなのだけど…」
「うん?」
「一緒に寝て欲しいなって」

アラーナ(タルバン)が「それは…」と袖を引こうとするが、テレシアは手を離さない。

「ね!お願い!」
「でも、子供じゃないし」
「今夜だけ、子供になっても良いから」
「うーん…」

悩むアラーナ(タルバン)のガウンを脱がしてテレシアが押し切る。
夜着になったアラーナ(タルバン)をテレシアがベッドに引っ張り込んだ。

ベッドで横になった2人は互いに向かい合って手を握る。

「他の人と休むのって、いつ以来だろう」
「そうなの?」
「アラーナは?あ、もちろん、夫婦なんだから、お兄様は別で」
「うーん」

ここでもアラーナ(タルバン)は懸命に思い返す。

『パルマか…』

アラーナがパルマと夜更かししていたのことを思い出した。

「もう、何年も前になるけど、パルマと夜更かしして、寝ちゃったことがあります」
「パルマさんね。じゃあ、今夜の私と似たような感じかしら」
「ふふっ、そうですね」

違うのはベッドにいるのがアラーナに扮したタルバンであること。
そんなアラーナ(タルバン)の腰が引けているのは、股間に血液が集まりつつあるから。

テレシアが微笑みながら、アラーナ(タルバン)の顔を見つめている。

「うん?どうしたの?」
「アラーナに初めて会った時のことを思い出したの」
「…そう」
「ね、絶対秘密にしてくれる?」

アラーナ(タルバン)は『秘密にしたいのなら、話さない方が良いのでは?』と思う。

しかし、これまでのアラーナとの会話、さらにアラーナ(タルバン)としての経験を踏まえて、それは言うべきでない知っている。

「分かった」
「ありがとう。絶対よ」

アラーナ(タルバン)から視線をそらしたテレシアが話し始めた。
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