【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

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第62話 候補者達の興味

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「私が公爵閣下のお相手に?」

いくつかのゴシップ記事の中で、特に注目を集めたものがあった。
カルトメリ・ワーレンバーグ公爵が結婚相手を選んだ過程を特集した記事だ。

適齢期にある女性の情報を広く集める。
それが1000人以上。

そこから条件に合った相手を絞り込んでいく。
1000人以上が数百人となり、一握りの最終候補者に至る。

最後に選ばれたのがアラーナ・クリスパ伯爵令嬢。

そう書いてあった。

人数など細かな部分に間違いはあるが、大まかな流れは一致している。
記者の努力だろう。

記事には最終候補者となった10人の女性達についても書かれていた。

ただしカルトメリが最終候補者に選んだのは10人ではなく8人だ。

クランダルク王国内の女性が5人。
アラーナら貴族令嬢が2人、武門の家柄の女性、事業家の娘、声楽家の女性。
国外の女性が3人。
貴族令嬢が2人と事業家の娘。

そこは事実と異なっているものの、記者らの努力が実った面もある。
記事に掲載した最終候補者の10人に、カルトメリが選んだ8人全てが含まれていたからだ。

その他の2人はクランダルク王国の貴族令嬢と若手女優と書いてある。
こちらは記者の勇み足だろう。

10人の名前は記事中にはっきりとは書いていない。
しかし当人らを見知った人であれば「あの人だろう」と思いつく程度の表現にはなっていた。

10人の中にゴシップ記事を直接読んだ者はいなかったが、いずれも友人や知人によって教えられた。

「ここに書かれている最終候補者って、あなたよね」
「そんな嘘が入り混じった記事を信じるなんて…私が、本当に?」
「あなたとしか思えないの。ほら、ご覧なさいな」
「……知らなかった。ただ、この記事って信用できるのかしら…」
「さあ、とは言え、もう少しであなたが公爵夫人になれたのかもね」
「本当かどうかは別として、もし最終候補者に選ばれたのなら、それだけでも光栄よ。でも…」

水が半分入ったコップを見て「まだ半分ある」と見るか、「もう半分しかない」と見るか分かれるように、この後の反応は2つに分かれた。

「…アラーナ・クリスパ伯爵令嬢には興味あるわ」

そう考えた女性がいる一方、別な考えを持った女性もいた。

「…アラーナ・クリスパ伯爵令嬢が…いなかったら…」

どちらもアラーナ・クリスパに会いたいと思ったのは大差なかったが、瞳の奥に宿る光の色が異なった。
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