【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

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第77話 食卓のいえにえ

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「さあ、いただきましょう」

プリス夫人の一言で皆が食事を口に運ぶ。

「アラーナさんのお口に合うかしら?」
「はい、とてもおいしいです」

そう答えつつも、アラーナ(タルバン)にとっては食べなれないものばかりだ。
とてもゆっくり味わうことはできなかった。

それを知ってか知らずか、皆が会話で場を盛り上げる。
いけにえにされるのはカルトメリだった。

「こんな素敵なご令嬢に来ていただけるなんてねえ、本当に良いのかしら?」
「うむ、そうだなあ。カルトメリ、お前、アラーナ嬢を騙して連れてきたのではないだろうな」

皆から笑い声が起こる。

「父上、言葉が悪い。騙してなどいませんよ」
「そうなの、アラーナさん?」

アラーナ(タルバン)は、わざと困ったような顔を見せる。

「騙されてはいないと思います」
「ほら、その通りですよ」
「でも…」
「でも?」

皆がアラーナ(タルバン)に注目する。

「カルトメリ様のことを全て明かしていただけた、とも思えません」

一団と大きな笑い声が起こる。
アラーナ(タルバン)の「全て」が、カルトメリの女性関係であることは明白だ。

「全て、か。どうだ?この場で懺悔を兼ねて、洗いざらい話してみろ」
「勘弁してくださいよ」
「お兄様のお相手なら、名前を言うだけでもどれだけかかるのかしら。私が知っているだけでも…」

テレシアが両手の指を1本ずつ使って数えていく。

「おい!」
「ごめんなさいね、アラーナ。両手の指で足りないのは間違いないと思うのだけど…」

それを聞いたアラーナ(タルバン)が大げさにため息をつく。
またしても大きな笑い声が起きた。

「過去は仕方ありません。これから私を大事にして頂けるのであれば十分です」
「それは命に代えても」

カルトメリが胸を叩くと、アラーナ(タルバン)が「ありがとうございます」とほほ笑んだ。

「お似合いの2人ね」
「うむ、素敵な相手を見つけたものだ」

そこでテレシアが話題を変える。

「アラーナ、あなたとタルバン伯爵って、そっくりなんですって?」
「え、ええ、兄とは双子ですので」
「ぜひ会ってみたかったわ」

ヴァイン前公爵やプリス夫人もうなずく。
アラーナ(タルバン)に代わってカルトメリ答えた。

「今回は日程が合わなかったのですが、タルバン伯爵は来週にも来ると聞いています」

自分のことを言われながら、アラーナ(タルバン)もうなずいた。

タルバン伯爵が王都に来る日程をずらしたのは意図的だ。アラーナ(タルバン)ら一行がクリスパ領に戻った後、タルバン伯爵と執事のデュラン・ラッペルが王都を訪れる予定となっている。

「そうなの?アラーナさん」
「はい、私と入れ替わりになってしまって申し訳ありません」
「いえいえ、楽しみは先にとっておくものよ」

アラーナ(タルバン)の顔を見つめたテレシアも「待ち遠しいわ」とほほ笑んだ。
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