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第155話 悪い予感
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「ところでソバはどうだった?」
聞かれたホルストが4つの袋を持って来る。
それぞれ袋の表面に「大・黒」「大・茶」「小・黒」「小・茶」と書いてある。
例えば「大・黒」と書かれた袋には、大きくて黒い実(種)を蒔いて収穫できたそばの実が入っている。
「どうぞご覧ください」
「ふむ」
アラーナ(タルバン)は「大・黒」と書かれた袋を開ける。
大きさは大小あり、色は黒茶となったソバの実が入っていた。
アリィ(アラーナ)やパルマ、デュランが他の袋を開ける。
同様に大、小、黒、茶と様々なソバの実が入っている。
袋によって中身に差が見られないと言うことは…
「どれを植えても実りは変わらなかったってことか」
ホルストが「いいえ」と首を振る。
「大きい実を蒔いた畑の方が、いくぶん収穫が多かったです」
【どのくらいですか?】
「概ね1割と言ったところです」
「…微妙な量だな」
「まあ、味の良い小さい実を人が食べる分にして、味の良くない大きい実を家畜に回したり、種まき用にしたりすることもできますが…」
「なるほどなあ…」
アラーナ(タルバン)の表情はさえない。
理由はホルストらも察している。
「収穫を1割増やすために、わざわざ実の大小をより分ける手間を考えたら…」
「これまで作ってきた普通のソバの方が良さそうですな」
皆から「うーん」とうなり声があがる。
そんな中でもコウカルが「キャッキャ」と笑って場をなごませる。
「本格的に育てるのは先に伸ばそう」
「はあ」
「小規模で良い。もう何回か4種類に分けて蒔いてみてくれ。何か別の変化があるかもしれない」
「かしこまりました。豆はどうしますか?」
「悪くはないんだがな。同じように豆も様子見として小規模で育ててみよう」
「はい」
その後に芋と瓜の話題に移る。
「こっちはできるだけ大規模に育ててくれ」
「はい、見た目は今ひとつでしたが、甘味が好評でしたので、農民達も乗り気です」
「そうか」
「もっとも、食べ過ぎると腹が張りますけどね」
少なからず覚えがあるため、皆が笑う。
アリィ(アラーナ)のみが頬を赤らめたのは、先夜の交わりを思い出してのこと。
「芋と瓜の収穫が安定すれば、いずれは酒を造る予定だ」
「なるほど」
「それで領地の収入増加につながれば、多少は兄さんにも顔向けできるな」
「さようでございますな。そうなると…」
「うん?」
「タルバン様も奥様をお迎えできるようになるでしょうね」
ホルストの発言にアラーナ(タルバン)が難しい顔になる。
「まあ、それもあるんだが…」
「ココット様も、子爵家のお嬢様も素敵なご令嬢でしたよ」
「よしてくれ」
アラーナ(タルバン)は手を振った。
「なぜですか?」
「こうして名前を出すと、明日あさってにでも、ここに来るかもしれない」
「いや…、まさか…」
こうした悪い予感は得てして当たるもの。
やはり今回も例外ではなかった。
聞かれたホルストが4つの袋を持って来る。
それぞれ袋の表面に「大・黒」「大・茶」「小・黒」「小・茶」と書いてある。
例えば「大・黒」と書かれた袋には、大きくて黒い実(種)を蒔いて収穫できたそばの実が入っている。
「どうぞご覧ください」
「ふむ」
アラーナ(タルバン)は「大・黒」と書かれた袋を開ける。
大きさは大小あり、色は黒茶となったソバの実が入っていた。
アリィ(アラーナ)やパルマ、デュランが他の袋を開ける。
同様に大、小、黒、茶と様々なソバの実が入っている。
袋によって中身に差が見られないと言うことは…
「どれを植えても実りは変わらなかったってことか」
ホルストが「いいえ」と首を振る。
「大きい実を蒔いた畑の方が、いくぶん収穫が多かったです」
【どのくらいですか?】
「概ね1割と言ったところです」
「…微妙な量だな」
「まあ、味の良い小さい実を人が食べる分にして、味の良くない大きい実を家畜に回したり、種まき用にしたりすることもできますが…」
「なるほどなあ…」
アラーナ(タルバン)の表情はさえない。
理由はホルストらも察している。
「収穫を1割増やすために、わざわざ実の大小をより分ける手間を考えたら…」
「これまで作ってきた普通のソバの方が良さそうですな」
皆から「うーん」とうなり声があがる。
そんな中でもコウカルが「キャッキャ」と笑って場をなごませる。
「本格的に育てるのは先に伸ばそう」
「はあ」
「小規模で良い。もう何回か4種類に分けて蒔いてみてくれ。何か別の変化があるかもしれない」
「かしこまりました。豆はどうしますか?」
「悪くはないんだがな。同じように豆も様子見として小規模で育ててみよう」
「はい」
その後に芋と瓜の話題に移る。
「こっちはできるだけ大規模に育ててくれ」
「はい、見た目は今ひとつでしたが、甘味が好評でしたので、農民達も乗り気です」
「そうか」
「もっとも、食べ過ぎると腹が張りますけどね」
少なからず覚えがあるため、皆が笑う。
アリィ(アラーナ)のみが頬を赤らめたのは、先夜の交わりを思い出してのこと。
「芋と瓜の収穫が安定すれば、いずれは酒を造る予定だ」
「なるほど」
「それで領地の収入増加につながれば、多少は兄さんにも顔向けできるな」
「さようでございますな。そうなると…」
「うん?」
「タルバン様も奥様をお迎えできるようになるでしょうね」
ホルストの発言にアラーナ(タルバン)が難しい顔になる。
「まあ、それもあるんだが…」
「ココット様も、子爵家のお嬢様も素敵なご令嬢でしたよ」
「よしてくれ」
アラーナ(タルバン)は手を振った。
「なぜですか?」
「こうして名前を出すと、明日あさってにでも、ここに来るかもしれない」
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こうした悪い予感は得てして当たるもの。
やはり今回も例外ではなかった。
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