ゆえに赤く染まった星にひとりとなって

久末 一純

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邂逅、そして会敵の朝✗21

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 順調にアーサの思考は私好みに誘導されているようだ。
 アーサを上手く口車にのせ陥穽にはめ込んだ手応えを得た私は、次のステップへと移行する。
「それではアーサ、確認と点検作業へと移るとしようか」
「なんで! なんでキルッチはそんな何食わぬ顔で状況を進めようとしてるのさ!」
 アーサは言葉の勢いは変わらずとも、声量を必要最低限まで落として私に詰め寄る。
 ああ、いいよアーサ。その調子だ。
 もっと私に近づいてきておくれ。
 そしてそのまま、もっと私を詰ってなじって詰っておくれ。
「なんでと言われても答えはひとつしかないよ。だってほら、時間は有限だよ、アーサ」
 私は口先ばかりはごく常識的な言葉を口にする。
「それは分かってるけど! ちゃんと分かってるけど! こんな間違った場面を正論で押し切ろうとしないでよ!」
 流石だ、アーサ。いい勘をしている。
 私の思惑を直感だけで見抜くとは。
 そんなところも素敵だよ、と口にしたいのは山々だがここは一気に話を進めて畳み掛けよう。
「それは違うよ、アーサ。正論が適用されるということは、それはいまが正しい場面だということだ。正しいこということは、間違っていないということに他ならない。故に、。さてそうなると、問題がひとつ浮上する。果たしてここでは一体誰が、。ここには私とアーサのふたりしかいない。ならば間違っているのは私のアーサのどちらかなのは自明の理だ。しかし、私は間違っておらず正解している。ということは、だ。私としてもこんなことは言葉にはしたくない。出来うることなら私の胸のなかにだけ秘めておきたい。しかし図らずとも先ほどアーサ自身が納得したように、時間がないのだ。まったくもって憎らしい限りだよ、時間というものは。いつもいつも、何様のつもりか知らないがひとの心を自儘に縛る。そして行動までをも制限してしまう。現にいまこうしている間も、早く前に進めと急かしてくる。。よってまったくもって遺憾の極みだが、。私としてもこんなことはしたくはながいが、ここで明確にしなければならない。ここに線引きをしなければならない。ここにいる誰が、私とアーサのふたりのうちのどちらかが間違っているのかを。しかし先にも述べたように。ということは、だ。残念ながら、間違っているのはふたりのうちの残されたひとり、そうアーサ、君ということになってしまうのだ。だが安心してほしい。私はアーサの言葉ならどんなことでも聞き入れる。如何なる弁明もどのような釈明も、真摯かつ誠実な態度を以てして受け容れよう。さて、ここまでが私の見解にして所見な訳だが、ここまでで何か私に言いたいことはあるかな、アーサ?」
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