40 / 45
邂逅、そして会敵の朝✗40
しおりを挟む
不味い、マズイ、まずい、MAZUI!
やってしまったどうしよう。
どうしてわたしはこうなのか。
どうしてここぞというときに、こんな凡ミスをしてしまうのか。
あそこは私にとっての分水嶺。
絶対に間違ってはいけない局面だったはずなのに。
私は後悔の嵐に苛まれながら、心のなかで頭を抱える。
どうすればこの事態を乗り越えられる?
なにをすればこの状況を切り抜けられる?
アーサの魂よ、いまこそ私の心に宿れ。
アーサならば魂だろうと肉体だろうと、私はいつでもウェルカムだ。
だがいまだけは、ちょっとだけ常と事情が違う。
私は欲しいのだ。
勿論私がアーサ自身の肉体も魂も心も何もかもを欲っしていることは、いまさら言わずもがなである。
しかしいまの私に必要なものは、残念ながらそうではない。
いまの私が求めるべきものは、無念ながら違うのだ。
私にいま必要な、私が求めるべきアーサの素質。
それこそが私の目の前で何度も披露してくれた、アーサ特有の切り替えの速さだ。
心の切り替えが速いということは、同時に頭の回転も速いことを意味している。
故に、私は欲しいのだ。
アーサの脳と同じrpmが。
その回転数がもたらすであろう、この絶体絶命のピンチから脱却するための妙案を。
頼みます! ちらっとでもいいので頭を過ぎってください!
お願いします! ヒントだけでもいいので何かが天から降ってきてきてください!
しかしどれだけ願い、どれだけ望み、幾度も何度も自問自答を重ねても答えなんて一向にでてこない。
どうしてかと自分自身に問うてみれば、その問題の答えならば瞬時に弾きだされたしまった。
この現状は、私がうっかり勢い余ってしまったせいで招いたもの。
それを私自身の手で解決しようなどとは、マッチポンプもいいところだ。
さらになおタチが悪いのは、事の始まりが嘘から始まっているということ。
この状況を打開するには、嘘を嘘で塗り固めなければならないこと。
言い訳に言い訳を重ねなければならないことだ。
そんなもの、一瞬で崩れ去るのは目に見えている。
これこそまさに、火を見るより明らかだ。
中身のない砂の城など、ひとつ波がくれば跡形もなく消え去ってしまう。
そして何より厄介なのは、これは私ひとりだけの問題ではないということ。
自己解決し、自己完結を為し、自己終了させる。
そうやって、自分ひとりで円環の環をとじることが出来ないということだ。
何故ならこの問題に関わるのは、私ひとりではないからだ。
私たちの上官にして、この小隊の部隊長。
みんなから恐れられ怖がられながら、それでも慕われ頼られる。
私も個人的に純粋な尊敬と敬愛の念を抱くひと。
ヴァルレカラッド・イーソス隊長が、この問題にはからんでいるからだ。
そのヴァルカ自身は、感情の読めない無表情のままに私をじっと見詰めている。
その視線に晒されているだけで、私は背中の冷や汗が止まらない。
だらだらと、背中どころか額からすら汗が滲んできた。
まるで鏡の前に置かれたガマガエルだ。
そうしてヴァルカはひとつ頭を振ると、最年長者の貫禄たっぷりにこの問題の首謀者の名を呼んだ。
「キルエリッチャ・ブレイブレド隊員」
「はっ、はい!」
いっそ優しいとさえ言える、ヴァルカの抑揚のない平板な声。
だからこそ、恐ろしすぎて怖すぎる。
その恐怖の声をかけられたとき、私は自分の肩がビクリと震えたことを自覚した。
もう少しこう何というか、手心というか・・・・・・・・・。
返事と一緒に、心臓が口から飛び出るかと思った。
だけどこの先のことを思えば、そうなっていたほうが遥かに楽だったかもしれない。
というよりも、全ては私が早く楽になりたいがために起こしてしまったことなのだが。
「随分と元気が良さそうだが大丈夫か? 何なら私自ら、お前のあらゆる悪いところをあますところなく精密に検査してやってもいいのだぞ?」
だけどこのときの私は、自分が楽になりたいがために自分の首を締めるという、明らかに間違った選択肢を決断していた。
やってしまったどうしよう。
どうしてわたしはこうなのか。
どうしてここぞというときに、こんな凡ミスをしてしまうのか。
あそこは私にとっての分水嶺。
絶対に間違ってはいけない局面だったはずなのに。
私は後悔の嵐に苛まれながら、心のなかで頭を抱える。
どうすればこの事態を乗り越えられる?
なにをすればこの状況を切り抜けられる?
アーサの魂よ、いまこそ私の心に宿れ。
アーサならば魂だろうと肉体だろうと、私はいつでもウェルカムだ。
だがいまだけは、ちょっとだけ常と事情が違う。
私は欲しいのだ。
勿論私がアーサ自身の肉体も魂も心も何もかもを欲っしていることは、いまさら言わずもがなである。
しかしいまの私に必要なものは、残念ながらそうではない。
いまの私が求めるべきものは、無念ながら違うのだ。
私にいま必要な、私が求めるべきアーサの素質。
それこそが私の目の前で何度も披露してくれた、アーサ特有の切り替えの速さだ。
心の切り替えが速いということは、同時に頭の回転も速いことを意味している。
故に、私は欲しいのだ。
アーサの脳と同じrpmが。
その回転数がもたらすであろう、この絶体絶命のピンチから脱却するための妙案を。
頼みます! ちらっとでもいいので頭を過ぎってください!
お願いします! ヒントだけでもいいので何かが天から降ってきてきてください!
しかしどれだけ願い、どれだけ望み、幾度も何度も自問自答を重ねても答えなんて一向にでてこない。
どうしてかと自分自身に問うてみれば、その問題の答えならば瞬時に弾きだされたしまった。
この現状は、私がうっかり勢い余ってしまったせいで招いたもの。
それを私自身の手で解決しようなどとは、マッチポンプもいいところだ。
さらになおタチが悪いのは、事の始まりが嘘から始まっているということ。
この状況を打開するには、嘘を嘘で塗り固めなければならないこと。
言い訳に言い訳を重ねなければならないことだ。
そんなもの、一瞬で崩れ去るのは目に見えている。
これこそまさに、火を見るより明らかだ。
中身のない砂の城など、ひとつ波がくれば跡形もなく消え去ってしまう。
そして何より厄介なのは、これは私ひとりだけの問題ではないということ。
自己解決し、自己完結を為し、自己終了させる。
そうやって、自分ひとりで円環の環をとじることが出来ないということだ。
何故ならこの問題に関わるのは、私ひとりではないからだ。
私たちの上官にして、この小隊の部隊長。
みんなから恐れられ怖がられながら、それでも慕われ頼られる。
私も個人的に純粋な尊敬と敬愛の念を抱くひと。
ヴァルレカラッド・イーソス隊長が、この問題にはからんでいるからだ。
そのヴァルカ自身は、感情の読めない無表情のままに私をじっと見詰めている。
その視線に晒されているだけで、私は背中の冷や汗が止まらない。
だらだらと、背中どころか額からすら汗が滲んできた。
まるで鏡の前に置かれたガマガエルだ。
そうしてヴァルカはひとつ頭を振ると、最年長者の貫禄たっぷりにこの問題の首謀者の名を呼んだ。
「キルエリッチャ・ブレイブレド隊員」
「はっ、はい!」
いっそ優しいとさえ言える、ヴァルカの抑揚のない平板な声。
だからこそ、恐ろしすぎて怖すぎる。
その恐怖の声をかけられたとき、私は自分の肩がビクリと震えたことを自覚した。
もう少しこう何というか、手心というか・・・・・・・・・。
返事と一緒に、心臓が口から飛び出るかと思った。
だけどこの先のことを思えば、そうなっていたほうが遥かに楽だったかもしれない。
というよりも、全ては私が早く楽になりたいがために起こしてしまったことなのだが。
「随分と元気が良さそうだが大丈夫か? 何なら私自ら、お前のあらゆる悪いところをあますところなく精密に検査してやってもいいのだぞ?」
だけどこのときの私は、自分が楽になりたいがために自分の首を締めるという、明らかに間違った選択肢を決断していた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる