異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第三章 王都編

王都到着

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王都までの道のりは順調だった。3人交代で馬車の操車を教えてあげたら、すぐに出来るようになって喜んでた。まあ、ポイントを十分に渡せなかったけど、LV2だからね。コツをつかめば早いと思う。

王都への入場はアンが一緒だったために、俺達は大勢が並んでいる入り口とは別の入り口からすんなり入れた。王都に入場する前に俺達が乗ってきた馬車の御者とはここで別れた。お礼と今回の返金と報酬を受け取った。賊の方はアンが一緒にいないといけないと言うことで、俺達と一緒に入場した。勿論その前に賊の全員の足を治しておいた。スキルは取ったままにしたけど、能力値は奪わないことにした。事情がよくわからないし、直接俺達に敵対した訳じゃないしね。どのみち最悪で死刑、場合によっては犯罪奴隷として鉱山送りらしいしね。剣術とか、棒術、馬術などのスキルを使うことはないでしょう、きっと。ともかく、入場して詰所の兵士に事情を伝えて引き取ってもらった。後日報奨金と奴隷の代金が受け取れるそうで、2日あとぐらいにもう一度訪ねてくるようにとのことだ。
アンとはここで別れることにした。馬車は詰所の兵士が御者を変わって王城までつれていくそうだ。アンは俺達に王都にある自分の家に泊って欲しいと強く懇願したけど、報奨は後からここで貰えるってことだから、お礼とか要らないと言って辞退した。尚もぐずぐずしてたけど、王城への用事を早く済ませないとまずいんじゃないかと言ったら、しぶしぶ了承して去って行った。
また、賊を運んできた馬は、所有権は俺達にあるそうなので、使わないなら取り敢えず王都を出るまで預かって置くから、後日取りに来いってことなのでそうすることにした。

そんな訳でやっと晴れて王都の中を歩こうと思ったら、思いっきり広大で王城と思しき場所もずっと先だし、街中には馬車が行きかっているし、歩いてこの街を移動することはかなり大変だと解ったので、もう一度詰所に戻って話をしたらちょっと笑われた。いやいや、詰所の敷地から王都の様子見えないしここまで広大だと思わないでしょう普通。

すったもんだの結果、4馬に跨って歩くことにした。馬具も少し調整して貰ったけど、ニーナには合わなかったんで、ニーナは俺と一緒に乗ることにしてまずは馬具屋に行くことにした。幸い近くに馬具を扱っている店があったので、この際だから今ついてる馬具を下取りにして、全員の馬具を自分の好きな物に買い替えた。どの馬を使うかは、俺が黒い大きな馬を選んだのは自然だけど、それぞれすぐに相性があったみたいで問題なく決まった。
ただ問題があったと言えば、馬を引き取る時の厩舎のやつらの態度と、馬具屋の態度がちょっとカチンと来たので、「飼育」スキルと「馬術」スキルを少し頂いたことぐらいだ。どうもマリアが馬に乗るのが気に入らなかったようだ。亜人蔑視の風潮はここでもあるのか。確かに、馬術スキルを持ってるやつって、兵士の中でも限られているようだし、冒険者で持ってたやつとか見たことないしな。俺も、今回のことがなければ、わざわざ馬術スキルとか奪取しなかっただろうしなぁ。

そんなこんなで王都に入って随分遅くなったし、一旦は家に帰るために適当な宿に入った。この時まで宿って馬小屋が併設されてるって知らなかった。別料金取られるけどね。

宿の部屋に入ってすぐに家に戻って、夕飯の準備を始めた。
取り敢えず夕食は3人にお願いして、俺は家に併設されていた馬小屋を確認してみた。この家を買った時にあったのをそのまま放置してたんだけど、見直してみると馬3頭分のスペースがあった。広さは十分にあったんで馬4頭分の馬小屋に改造して、浄化をかけたら綺麗になった。
その後アイテムボックスから、最初にマリアが乗せられていた檻を取り外した荷馬車を取り出してみた。枠とかはまだしっかりしていたし車軸も問題ないみたい。これを参考にして、今度作ってみようと思う。これは一旦収納しておこう。

ダイニングに戻って、今後のことを話し合った。

「王都内の移動手段だけど、4人で馬を4頭並べて歩くのは味気ないから、馬車を買おうか?どう思う?」

「賛成。でも、馬車って随分と高価じゃないかなぁ。荷馬車みたいなのなら比較的安く手に入るかもしれないけど。」

「その辺りは、一回、見てみようか。価格的にいいものがあれば購入するってことで。それと馬はこの家の庭で飼えると思う。馬小屋を少し改造してきた。」

「馬の世話は、少しは出来ると思うよ。ちゃんとやったことないけど。」

「ニーナもお手伝いできるよー。」

「二人ともありがとう。餌の飼い葉については俺が大量に買い込んで保管しておいて、飲み水と馬洗体やブラッシングなどの世話は、水魔法と浄化魔法で十分賄えると思う。あと庭も十分に広いからそのまま放し飼いもできるし問題ないと思うよ。」

「お兄ちゃん、私もやったことないけど、それならお手伝いできるかも。」

「綾もよろしくな。まあ、これで足の確保も出来そうだし、明日からは王都を楽しもうな。」

と言う話になって盛り上がった。おしゃべりはお風呂の中でも続き、寝るまで続いた。楽しみにしてたんだなぁ。いろいろあったけど王都まで行ってよかった。

翌朝、すっきりワクワク気分で朝の日課を済ませた後、朝風呂でサッパリしてから宿の部屋に戻った。俺だけ先に降りて馬小屋に向かった。馬の世話をしていた小僧と雑談しながら、王都で飼い葉を売っているところとか、馬の飼育について話をした。

「そう言えば、この近くで馬車とか売っている場所を知らないか?」

「それでしたら、東城門付近に馬車協会の建物があるから、そこで聞いた方がいいですよ。いくつか紹介してくれると思います。」

宿を出て教えて貰った馬車協会に行ったら、俺達が乗って来た馬車の御者がいた。御者はこの協会に所属しているそうだ。なるほど。職業ごとに協会と言うかギルドがあって、利権等を独占しているんだな。日本でも昔から似たようなシステムがあるからな。

御者に俺がここに来た理由を話したら、別な人を紹介してくれてその人がいるいろ教えてくれることになった。馬車と言ってもピンからきりまであるそうだ。

「王都内をあちこち移動するのに使いたいだけど。乗員は4人だけで荷物を乗せることはない。あと操車は自分でするから、実質乗員は3人だ。」

「それでしたら、1頭だてで十分だと思いますよ。在庫を見てみますか?」

そう言われて、こじんまりとした馬車をみせてもらった。ただ値段の割にどれもピピッとくるものがなかったし、この程度なら俺が皆の希望を聞いて作った方がいい馬車が作れるなぁという結論に達して今回購入するのを見送った。焦って妥協してもいいことはないしね。あの程度の馬車でも金貨50枚とか、高すぎだろうって感じだよね。普通の荷馬車でも金貨1枚するみたいだし。結構な財産なんだね、馬車って。

昨日泊ったことになっている宿は、馬を預けて4人部屋で1泊銀貨8枚だし大した出費じゃないし、安全に転移出来る場所としては問題ないのでそのまま借りることにした。明日また、この近くの城門の詰所に行かないといかないしね。まあ、今日明日は、この辺りの歩いて回れるところを観光してみようと思う。


王都はこうして改めて眺めてみると、本当に大きいと思う。丘一つが丸丸都市になっていて、俺達が入って来た城壁を足しても4重構造になってる。いやーあの先には立ち入りたくないなぁって感じ。街全体は、うーんヨーロッパのパリって感じ?城壁はあるけど、石畳の道が放射線状に広がっていて割と綺麗。階層が高い建て物はないけど、いろんな形の建て物が綺麗に並んでいて、それでいて雑然とした感じはない。王城に近くになる連れて大きな建物が目立って、この位置から見ても大きいと感じる王城は実際目の前まで行くととんでもない大きさなんだろう。街路には騎士みたいなやつが馬に乗って通り過ぎたり、馬車が結構行き来している。エジンバラとかと比較しても大きな街なんだなぁと実感できる。
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