転生したら嫌われデブに!? ~性格の悪いブタ男になってしまったので、態度を改め真面目に生きようと思います~

米津

文字の大きさ
13 / 53
第1章 異世界転生編

12. 食堂

しおりを挟む
 周りからの視線を感じる。

 いつもよりも視線の数が多いのは気の所為か?

 いや気の所為じゃないな。

 刺々しい視線を感じる。

 これはあれか?

 俺のせいか?

 傍からみえば、デブが子供を連れ回してるように見える。

 犯罪だ。

 いや、この子たぶん同い年だから犯罪にはならないんだけど。

 まあ俺、悪目立ちするからな。

「なんか悪いな」

「な、なにがでしょう?」

「俺のせいで目立ってるだろ?」

「いや、そう……じゃないです。私のせいですから」

「君は知らないだろうけど、俺の悪評って凄いからな。聞いて驚くなよ」

「……たぶん驚きません」

「傲慢で無能でデブで落ちこぼれで出来損ない。それが俺」

「傲慢……? 全然そうは見えませんけど」

「まあ、最近ちょっと改心したからな」

 改心したと言ったけばなんとかなる説。

 水曜日のダウ◯タウンとかでやってくれないかな?

 そしたら見るのに。

 まあこの世界、テレビないんだけど。

「あっ、そうだ。自己紹介まだだったな。俺はアラン。アラン・フォードだ」

「……はい」

「聞いたことあるだろ? あの悪名高いアランだ」

「少しだけ……。一年生でフォード家の落ちこぼれがいるって……あっ、ごめんなさい! ごめんなさい!」

「いやいやいいって。それホントのことだから」

 この子すぐに謝るな。

 俺がいじめてるみたいになるから、ちょっと勘弁して欲しい。

 実際、今もジロジロと見られてるし。

 しばらく歩いていると、食堂がみえてきた。

「私、ここで待っててもいいですか?」

「なんで?」

「人混みは怖くて……」

 たしかにこの時間の食堂は人が多い。

 ボッチは人が多いところが苦手だ。

 その気持ちはわからないでもない。

「あ~、うん。わかった。じゃあここで待ってて」

「はい」

 俺は一人で食堂に入った。

 食堂は広く豪華な作りになっている。

 貴族が多いため、みすぼらしい作りにはできないのだろう。

 天井が高く、シャンデリアがきらめいている。

 壁には絵が描かれており、この国を救った英雄たちが描かれているらしい。

 俺は真っ先に弁当売り場に行く。

 少女の好みかわからんから、とりあえず脂っこいものを買っておく。

 俺は別に脂っこいもの食べたいわけじゃないぞ?

 彼女のためだからな?

 ちゃんとサラダも買ってるし!

 誰に対してかわからない言い訳を、心の中でする。

「あの子、めちゃくちゃ軽かったよな」

 身長が低いだけでは説明がつかないほどの軽さだった。

 かなり痩せてるようにみえる。

 まあ俺と比べたら、大抵の人は痩せてるんだけど。

 俺の肉を半分分けてあげたいくらいだ。

 今ならお肉バーゲンセールでお買い得だよ?

 ってさすがに半分も分けたら、俺が骨になるわ。

 一通り弁当を揃えてから、彼女のところに戻った。

 すると、

「おい、誰だよ。こんなところに化け物を入れたやつは!」

 大声でまくしたてる赤髪の男子生徒がいた。

 こいつどっかで見たことある気がするな……。

 赤髪の後ろには二人の男が金魚の糞のようにくっついている。

 そして男たちの前にはさっきまで俺が一緒にいた白髪の少女がいた。

「食堂で人を喰うつもりじゃねぇだろう? なあ魔族さんよ」

 男たちが少女をけなしているみたいだ。

 少女は肩を震わせ、怯えている。

 なんかまずいことになってるな。

「ここは人間の場所だ。お前のような人食いが来ていいところじゃない」

 赤髪の男がそう言う。

 周りを見ると、誰もが少女を蔑んだ目で見ていた。

――化け物め。

――魔族なんて消えちまえ。

 生徒たちがそう呟いているのが、俺の耳に入ってきた。

 どういうことだ?

 あの子、魔族なのか?

 いや、今はそんなことどうだっていい。

「なんか言ってたらどうなんだ? それとも魔族は言葉も喋れないのか?」

 赤髪の男がそういうと、他の生徒達もくすくす笑い始めた。

 嫌な感じだ。

 さすがにこれは気分が悪い。

 俺は赤髪の男と少女の間に入る。

「やめろよ。ビビってるじゃないか」

「あん? なんだてめぇ……ってお前はアラン!?」

「なんだ、またあんたらか」

 どっかで見たことあると思ったら、前にクラリスを襲ってたやつらだ。

 こいつら、マジでなんなの?

 片っ端から喧嘩ふっかけてんのか?

 盗んだバイクを乗り回しちゃう系やつなのか?

 まじ迷惑。

「お前らまた燃やされたいようだな? 今度は全身燃やして灰にしてやろうか?」

「ひっ……」

 赤髪の後ろにいたやつが怯えた声をだす。

「彼女には手を出すな。いいな?」

「くそっ……わかったよ」

 赤髪の男が渋々頷く。

 俺は男の耳元まで顔を近づける。

 そしてドスの効いた低い声で――

「――さっさと失せろ、クズ共」

 男たちは怯えたように一本二歩と下がり、身を翻した。

「ちっ、行くぞ、お前ら」

 赤髪の男が他の奴らを引き連れて去っていく。

 そして振り返ると、少女がうつむきながらポツンと立っていた。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...