43 / 53
第3章 対抗戦編
42. バカとアホは紙一重
しおりを挟む
テトラの誘拐事件から数日が経過した。
「ミーアの件の犯人がテトラを誘拐。その犯人というのがサイモン先生というわけか……」
「はい。その可能性が高いです」
俺はオリヴィアに事情を説明した。
オリヴィアが眉間にシワを寄せる。
「サイモン先生……いやサイモンがそんなことをするとは、にわかに信じがたいな」
「でも……」
「わかってる。お前を疑ってるわけじゃない。テトラの証言もある。サイモンは黒と見て間違いないだろう」
まあサイモンは良い先生だったからね。
なんであの人が? って気持ちもわからなくはない。
でも意外とそういう人ほど犯罪に手を染めてるだよ?
人気教師が実はサイコパスだったって話もあるくらいだし。
って、あれは小説の話か……。
「それで追跡のほうはどうなりましたか?」
「地下水道まで痕跡が残っていたのだが、そこから辿れないようだ」
テトラが誘拐されていた地下室は、地下水道に繋がってる。
ていうか、俺が魔法ぶっ放して空けてしまったのだ。
ぶっちゃけ、俺がサイモンを追いかけていれば捕まえられたと思う。
え……ってことは俺のせい?
いやでも、あの場所にテトラを残しておきたくなかった。
俺の選択は間違っていないと思う。
うん、俺は悪くない!
悪いのは魔法で簡単に壊れてしまう床のほうだ。
たかが火球でぶっ壊れる穴とかどうよ。
もうちょっと強度強くしてけって話だ。
責任転嫁は大事!
「まあでもこれで犯人がわかって一安心ですね」
「……そうだといいがな」
オリヴィアがスッキリしない表情をする。
え、その顔なに?
犯人が他にもいるってこと?
やだよ、そういうの。
「なんにしろ、お前はよくやったよ。テトラが無事だったのはアランのおかげだ」
「ありがとうございます」
「ところで、どうやって誘拐された場所がわかった?」
ギクッ……。
聞かれたくないこと聞かれた。
「それはなんというか……勘?」
「勘?」
「はい。勘です」
オリヴィアがじっと俺を見てくる。
そんな目で見られたら、照れるだろうが。
だってオリヴィア、美人だし。
凛々しい雰囲気から、女騎士とか似合いそうだ。
女騎士と言えば『くっ、殺せ』だよな。
前世ではくっころに何度もお世話になりました。
ありがとうございます。
最近、魔法生物学の授業で習ったことだけど、この世界にはオークがいるらしい。
いやでも、リアルくっころはさすがに見たくないな。
なんてしょうもないことを考えていたら、オリヴィアがため息を吐いた。
「……わかった。言いたくないなら構わない」
くっころのこと考えてました、ゴメンナサイ。
「ありがとうございます」
正直な話、あの夢のことをどう説明すればいいかわからない。
それに説明して信じてもらえるとも思えない。
この世界には予知能力的なものが存在する。
最もポピュラーなものでいえば、占星術だ。
選択式の講義で占星学があるが、占星学を極めると未来を占うことができるらしい。
星の動きから未来がわかるんだとか。
ただし、本当に未来を占える占星術師はごく一部。
占星術師の9割が詐欺師というのが実情だ。
もちろん俺は占星術師じゃないし、占星術に明るいわけでもない。
それに占星術でわかることはもっと抽象的なことで、俺が夢で見たような具体的な未来は見えないらしい。
他にも予知能力といえば、数秒先を見られる魔眼が存在する。
中二病みたいでカッコいいやつだ。
だが、俺の予知夢は数秒先どころの話ではない。
つまり、あの夢については何もわからないということだ。
主人公だからゲームの力が働いているとも考えれるが、それならなおさら説明に困る。
「そういえば、テトラが風紀委員に入るそうじゃないか」
「はい?」
は?
どういうことだ?
「聞いてないのか?」
「まったく」
「アランに熱心に口説かれたと言ってたぞ」
「誘いはしましたけど断られました。あと妹相手に口説きはしないです」
「色んな女に手を出すお前が珍しいな」
「なんですか? それ。風評被害で訴えますよ。誰も口説いたことないのに」
「誰も?」
「はい」
「……お前はバカなのかアホなのか判断に困るな」
「それどっちも同じ意味じゃないです?」
この人、俺をバカにしているのか?
いやバカにしてるんだろうな。
「まあいい。テトラが入ってくれると助かるからな」
「そうですね」
てか、なんでテトラは風紀委員に入ろうと思ったんだ?
あの子の行動はいつも謎だけど、今回も謎だった。
まあでもテトラがいれば、俺の仕事量も半分になる。
いや半分にはならないけど。
だが減ることには変わりない。
ついでにジャンも戻って来れば、俺の仕事量はぐっと減るはず。
やっぱりジャンを連れ戻すか。
って、さすがにそれは無理だろうな。
俺、ジャンから相当嫌われてるし。
「話は変わるが、お前対抗戦はどうするつもりだ?」
「はい?」
どうするってなにが?
てか、対抗戦ってなんだっけ?
「ミーアの件の犯人がテトラを誘拐。その犯人というのがサイモン先生というわけか……」
「はい。その可能性が高いです」
俺はオリヴィアに事情を説明した。
オリヴィアが眉間にシワを寄せる。
「サイモン先生……いやサイモンがそんなことをするとは、にわかに信じがたいな」
「でも……」
「わかってる。お前を疑ってるわけじゃない。テトラの証言もある。サイモンは黒と見て間違いないだろう」
まあサイモンは良い先生だったからね。
なんであの人が? って気持ちもわからなくはない。
でも意外とそういう人ほど犯罪に手を染めてるだよ?
人気教師が実はサイコパスだったって話もあるくらいだし。
って、あれは小説の話か……。
「それで追跡のほうはどうなりましたか?」
「地下水道まで痕跡が残っていたのだが、そこから辿れないようだ」
テトラが誘拐されていた地下室は、地下水道に繋がってる。
ていうか、俺が魔法ぶっ放して空けてしまったのだ。
ぶっちゃけ、俺がサイモンを追いかけていれば捕まえられたと思う。
え……ってことは俺のせい?
いやでも、あの場所にテトラを残しておきたくなかった。
俺の選択は間違っていないと思う。
うん、俺は悪くない!
悪いのは魔法で簡単に壊れてしまう床のほうだ。
たかが火球でぶっ壊れる穴とかどうよ。
もうちょっと強度強くしてけって話だ。
責任転嫁は大事!
「まあでもこれで犯人がわかって一安心ですね」
「……そうだといいがな」
オリヴィアがスッキリしない表情をする。
え、その顔なに?
犯人が他にもいるってこと?
やだよ、そういうの。
「なんにしろ、お前はよくやったよ。テトラが無事だったのはアランのおかげだ」
「ありがとうございます」
「ところで、どうやって誘拐された場所がわかった?」
ギクッ……。
聞かれたくないこと聞かれた。
「それはなんというか……勘?」
「勘?」
「はい。勘です」
オリヴィアがじっと俺を見てくる。
そんな目で見られたら、照れるだろうが。
だってオリヴィア、美人だし。
凛々しい雰囲気から、女騎士とか似合いそうだ。
女騎士と言えば『くっ、殺せ』だよな。
前世ではくっころに何度もお世話になりました。
ありがとうございます。
最近、魔法生物学の授業で習ったことだけど、この世界にはオークがいるらしい。
いやでも、リアルくっころはさすがに見たくないな。
なんてしょうもないことを考えていたら、オリヴィアがため息を吐いた。
「……わかった。言いたくないなら構わない」
くっころのこと考えてました、ゴメンナサイ。
「ありがとうございます」
正直な話、あの夢のことをどう説明すればいいかわからない。
それに説明して信じてもらえるとも思えない。
この世界には予知能力的なものが存在する。
最もポピュラーなものでいえば、占星術だ。
選択式の講義で占星学があるが、占星学を極めると未来を占うことができるらしい。
星の動きから未来がわかるんだとか。
ただし、本当に未来を占える占星術師はごく一部。
占星術師の9割が詐欺師というのが実情だ。
もちろん俺は占星術師じゃないし、占星術に明るいわけでもない。
それに占星術でわかることはもっと抽象的なことで、俺が夢で見たような具体的な未来は見えないらしい。
他にも予知能力といえば、数秒先を見られる魔眼が存在する。
中二病みたいでカッコいいやつだ。
だが、俺の予知夢は数秒先どころの話ではない。
つまり、あの夢については何もわからないということだ。
主人公だからゲームの力が働いているとも考えれるが、それならなおさら説明に困る。
「そういえば、テトラが風紀委員に入るそうじゃないか」
「はい?」
は?
どういうことだ?
「聞いてないのか?」
「まったく」
「アランに熱心に口説かれたと言ってたぞ」
「誘いはしましたけど断られました。あと妹相手に口説きはしないです」
「色んな女に手を出すお前が珍しいな」
「なんですか? それ。風評被害で訴えますよ。誰も口説いたことないのに」
「誰も?」
「はい」
「……お前はバカなのかアホなのか判断に困るな」
「それどっちも同じ意味じゃないです?」
この人、俺をバカにしているのか?
いやバカにしてるんだろうな。
「まあいい。テトラが入ってくれると助かるからな」
「そうですね」
てか、なんでテトラは風紀委員に入ろうと思ったんだ?
あの子の行動はいつも謎だけど、今回も謎だった。
まあでもテトラがいれば、俺の仕事量も半分になる。
いや半分にはならないけど。
だが減ることには変わりない。
ついでにジャンも戻って来れば、俺の仕事量はぐっと減るはず。
やっぱりジャンを連れ戻すか。
って、さすがにそれは無理だろうな。
俺、ジャンから相当嫌われてるし。
「話は変わるが、お前対抗戦はどうするつもりだ?」
「はい?」
どうするってなにが?
てか、対抗戦ってなんだっけ?
6
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる