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やりなおし
4. これからのこと
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「では、行こうか」
男が落ち着いた声でそう言うと地面が光り出した。地面が光っている?そう思った瞬間、いつの間にか先ほどとは違う開けた場所にたどり着いていた。
「……家?」
目の前には木造建築の家があった。家は直径2mぐらいあるのではないかと思わせるほどの大木と併設されているように作られており、白い家壁や若草色の屋根はツタやコケに覆われていた。家にドアはなく、代わりに透明度が高いターコイズブルーのような色をした膜のようなものがあった。
「私の家だ。そこのドアから入れ」
恐る恐る行ってみると、家の扉の代わりにあるターコイズブルー色の膜はまるでホログラムの光が当たるかのように何の感触もなく、普通に家に入ることが出来た。
「ハーブティーでも淹れてやろう。まぁ、もちろん君が飲むのであればだがな」
「要らないです」
「そうか、なら結構」
男は手際よく丁寧に一人分のハーブティを淹れた。
「・・・・・・上出来だ。飲まないのは残念だ」男は目を閉じ味わいながらそう言った。
「まぁいい。それで、君は迷子だ。行く宛てもなければ帰るところもない。そして、帰るべき家もない」
行く宛てもなければ帰るところもない。帰るべき家もない、おれはその言葉を頭の中で復唱し確かにおれには帰るべき家などないんだと思った。
「そんな路頭に迷っている君をこのおれがこの世界で生きていけるよう世話をしてやろう、これには君の可否は存在しない。君はおれによって育てられるのだ。君がどうするかはおれが育てた後に考えろ、それまでに君に考え実行する権利はない」
男が落ち着いた声でそう言うと地面が光り出した。地面が光っている?そう思った瞬間、いつの間にか先ほどとは違う開けた場所にたどり着いていた。
「……家?」
目の前には木造建築の家があった。家は直径2mぐらいあるのではないかと思わせるほどの大木と併設されているように作られており、白い家壁や若草色の屋根はツタやコケに覆われていた。家にドアはなく、代わりに透明度が高いターコイズブルーのような色をした膜のようなものがあった。
「私の家だ。そこのドアから入れ」
恐る恐る行ってみると、家の扉の代わりにあるターコイズブルー色の膜はまるでホログラムの光が当たるかのように何の感触もなく、普通に家に入ることが出来た。
「ハーブティーでも淹れてやろう。まぁ、もちろん君が飲むのであればだがな」
「要らないです」
「そうか、なら結構」
男は手際よく丁寧に一人分のハーブティを淹れた。
「・・・・・・上出来だ。飲まないのは残念だ」男は目を閉じ味わいながらそう言った。
「まぁいい。それで、君は迷子だ。行く宛てもなければ帰るところもない。そして、帰るべき家もない」
行く宛てもなければ帰るところもない。帰るべき家もない、おれはその言葉を頭の中で復唱し確かにおれには帰るべき家などないんだと思った。
「そんな路頭に迷っている君をこのおれがこの世界で生きていけるよう世話をしてやろう、これには君の可否は存在しない。君はおれによって育てられるのだ。君がどうするかはおれが育てた後に考えろ、それまでに君に考え実行する権利はない」
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