社会不適合者の彼は異世界で暗黒魔術師として生きていく

やりなおし

6. 2回目の戦闘

「召喚サモン」男がそう言うと、地面からゾンビやスケルトンが各10体ほど現れた。
「魔導書グリモワールに書かれている術を発動させろ」男は続けざまにそう言った。

「魔導書グリモワール、不滅火ディムファイア」未だ虚無に支配され、おれは半ばどうでもいいように魔導書グリモワールに書かれている訳の分からないその術を詠唱した。
　詠唱した術はしっかりと発動し、魔導書グリモワールから5つほど黒い火の球が出ていき、ゾンビとスケルトンにヒットした。ゾンビとスケルトンは火を振り払うように動いていたが、火は消えることなくやつらの体を炭になるまで焼いた。周囲に異臭が漂った。
　おれはその光景を茫然と眺めながら、まだおれには無能ほどではない能力があるみたいだがこの希望にすがりついていいのだろうか。そんなことを考えていた。

　それからも、毎日魔道書グリモワールを使う練習の日々が続いた。