21 / 56
1章⭐︎リオンシュタット初心者編⭐︎
あきらめ
しおりを挟む
-side オーウェン-
「……?」
次の日、寝て起きると、辺りの様子が変だった。なんとなくだけれど、昨日よりもどこか、空気が澄んでいるようにも思える。
「キューーン、キューーン」
昨日は聞こえなかった可愛らしい動物の声も、外から聞こえる。
それにしても、起きた時に違和感があったのだが、、これはシルフがいないからか。昨日一緒に寝ていたシルフの姿が見えなかったのだ。
外は明るいし、探しに行こうかと外に出る。すると、ちっちゃい狼とシルフが会話をしているのを見つけた。
声をかける前に、シルフがこちらに気付いて声をかけてきた。
『オーウェン。まーたやっちまったか』
「シルフ……?」
シルフが呆れたような表情をしてこちらを見てそう言ったので、まだ、寝起きの頭をフル回転したまま、必死にやらかした原因を考える。思い当たる節は特にない。
シルフの方を向くと、リトルフェンリルを指さしてこう言った。
『どうやら、昨日のお前がヴァイオリンを弾いた時に、外に漏れ出た澄んだ魔力を嗅ぎつけてね、聖獣のリトルフェンリルがこちらへ来たようなんだ』
「リトルフェンリル?聖獣?」
『リトルフェンリルというのはね、成長するとフェンリルに進化する聖獣なんだ。君たち人間の間では、精霊の1種とされ、信仰対象にもなっている』
「ほほう」
フェンリルといえば、伝説の生き物だ。この可愛い見た目の狼が最強の生物になるのか。
それにしても、魔獣にも進化があるのか?とは思ったが、それは聞いたことがない。おそらく、進化するのは魔獣ではなく、聖獣だからだろう。
「キューーン、キューーン」
『リトルフェンリルが君に挨拶をしたいらしい。昨日の魔力のお礼だって』
「分かった」
リトルフェンリルに近づき、目の前にしゃがむ。すると、顔を擦り付けてきた。俺の肩に乗れるくらいのちっさいサイズだが、結構な力の強さだ。
「よーしよしよし!」
「キャン!キャン!」
可愛かったので、撫でていると、甘えてきた。こんなペットがうちにいてくれたら、幸せだろうな。
『オーウェン……』
「ん??」
『その子、君の従魔になってる!』
「キューーン、キューーン!」
「え!?従魔!?」
『そう!精一杯、お守りします!だって!』
「え、ええ!?ま、まあ……よろしくな!よろしくだけど……、シルフの時も思ったけど、従魔が従魔契約の文言なしで、従魔契約出来るって、学園の、従魔についての授業でも、聞いたことがないんだけど!?」
『そりゃあそうだろうけど、高位の生物は無詠唱従魔契約くらいはできるよ』
「そういうものなのか」
『そういうもんだよ。諦めて』
色々悟ったので、大人しく諦めた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「それじゃあ、行こうか!」
「その前に、それ説明してくれませんか?」
「これか?新しく従魔になったリトルフェンリルの、フェルだ」
「リ、リトルフェンリル様!?」
「キャンキャン!」
「よろしくだって!」
「はっ!誠心誠意努めさせていただきます!」
意外だ。もっと驚くかと覚悟していたが、落ち着いている。その事を疑問に思って聞いてみると、「もう諦めました!」と言われた。冷静を保つためには、やはり、諦めが大事らしい。
気を取り直して、西の森2日目。昨日はスライムとゴブリンを倒せたので、今日は、オークを見つける事から開始している。今回はどんなお肉と出会えるだろうか?
『よだれ垂れてるぞ』
「これは、食い意地張ってるだけ」
『君、仮にも一応貴族だよね?』
「真面目な貴族として振る舞うのは、もう諦めた」
『いや、一応大事だと思うし、そこは諦めないで欲しいんだけど』
でもなあ、人には、適材適所があるし、時には諦めも肝心だ。
それに、俺は自由に生きる事が出来るということを知ってしまった。正直、以前の生活に戻れと言われても無理な気がする。
その時は、その時で諦めて我道を進もう。
--------------------------
「……?」
次の日、寝て起きると、辺りの様子が変だった。なんとなくだけれど、昨日よりもどこか、空気が澄んでいるようにも思える。
「キューーン、キューーン」
昨日は聞こえなかった可愛らしい動物の声も、外から聞こえる。
それにしても、起きた時に違和感があったのだが、、これはシルフがいないからか。昨日一緒に寝ていたシルフの姿が見えなかったのだ。
外は明るいし、探しに行こうかと外に出る。すると、ちっちゃい狼とシルフが会話をしているのを見つけた。
声をかける前に、シルフがこちらに気付いて声をかけてきた。
『オーウェン。まーたやっちまったか』
「シルフ……?」
シルフが呆れたような表情をしてこちらを見てそう言ったので、まだ、寝起きの頭をフル回転したまま、必死にやらかした原因を考える。思い当たる節は特にない。
シルフの方を向くと、リトルフェンリルを指さしてこう言った。
『どうやら、昨日のお前がヴァイオリンを弾いた時に、外に漏れ出た澄んだ魔力を嗅ぎつけてね、聖獣のリトルフェンリルがこちらへ来たようなんだ』
「リトルフェンリル?聖獣?」
『リトルフェンリルというのはね、成長するとフェンリルに進化する聖獣なんだ。君たち人間の間では、精霊の1種とされ、信仰対象にもなっている』
「ほほう」
フェンリルといえば、伝説の生き物だ。この可愛い見た目の狼が最強の生物になるのか。
それにしても、魔獣にも進化があるのか?とは思ったが、それは聞いたことがない。おそらく、進化するのは魔獣ではなく、聖獣だからだろう。
「キューーン、キューーン」
『リトルフェンリルが君に挨拶をしたいらしい。昨日の魔力のお礼だって』
「分かった」
リトルフェンリルに近づき、目の前にしゃがむ。すると、顔を擦り付けてきた。俺の肩に乗れるくらいのちっさいサイズだが、結構な力の強さだ。
「よーしよしよし!」
「キャン!キャン!」
可愛かったので、撫でていると、甘えてきた。こんなペットがうちにいてくれたら、幸せだろうな。
『オーウェン……』
「ん??」
『その子、君の従魔になってる!』
「キューーン、キューーン!」
「え!?従魔!?」
『そう!精一杯、お守りします!だって!』
「え、ええ!?ま、まあ……よろしくな!よろしくだけど……、シルフの時も思ったけど、従魔が従魔契約の文言なしで、従魔契約出来るって、学園の、従魔についての授業でも、聞いたことがないんだけど!?」
『そりゃあそうだろうけど、高位の生物は無詠唱従魔契約くらいはできるよ』
「そういうものなのか」
『そういうもんだよ。諦めて』
色々悟ったので、大人しく諦めた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「それじゃあ、行こうか!」
「その前に、それ説明してくれませんか?」
「これか?新しく従魔になったリトルフェンリルの、フェルだ」
「リ、リトルフェンリル様!?」
「キャンキャン!」
「よろしくだって!」
「はっ!誠心誠意努めさせていただきます!」
意外だ。もっと驚くかと覚悟していたが、落ち着いている。その事を疑問に思って聞いてみると、「もう諦めました!」と言われた。冷静を保つためには、やはり、諦めが大事らしい。
気を取り直して、西の森2日目。昨日はスライムとゴブリンを倒せたので、今日は、オークを見つける事から開始している。今回はどんなお肉と出会えるだろうか?
『よだれ垂れてるぞ』
「これは、食い意地張ってるだけ」
『君、仮にも一応貴族だよね?』
「真面目な貴族として振る舞うのは、もう諦めた」
『いや、一応大事だと思うし、そこは諦めないで欲しいんだけど』
でもなあ、人には、適材適所があるし、時には諦めも肝心だ。
それに、俺は自由に生きる事が出来るということを知ってしまった。正直、以前の生活に戻れと言われても無理な気がする。
その時は、その時で諦めて我道を進もう。
--------------------------
116
あなたにおすすめの小説
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる